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ベークライト加工品|フェノール樹脂の精密切削事例

- プラスチック加工品例 -

ベークライト加工品|フェノール樹脂の精密切削事例

紙ベークライト(フェノール樹脂)板材から、95×95mmの部品に289個の止まり穴を高精度に加工した事例です。3軸マシニングセンターで均一な穴配置と安定した仕上がりを実現しています。

この記事の要点

  1. 紙ベークライト(フェノール樹脂)を使用した精密切削加工事例。
  2. 289個の止まり穴加工を17×17マス目配置で実現。
  3. CAD/CAM+3軸マシニングセンターによるNCプログラム制御。
  4. 加工条件最適化と発熱管理で高精度・高品質を確保。
  5. 加工実績:ベークライト加工品の一覧ページフェノール樹脂の素材情報ページ見積依頼フォーム
紙ベークライト(フェノール樹脂)95×95mm板材に289穴を精密切削した加工品
ベークライト板材(フェノール樹脂)から17×17マス・289穴を高精度に切削加工した全体写真

ベークライト樹脂板の穴加工部拡大写真 C面取りと穴位置精度を確認
ベークライト加工品の拡大写真。C面取りの均一性と穴位置の高精度を示す部分アップ

ベークライト加工品の代表仕様
項目 内容
素材 紙ベークライト(フェノール樹脂)板材
外形寸法(公差含む) 95×95mm、寸法公差±0.02mm
加工内容 17×17マス目状・289個の止まり穴加工、段差形状加工
加工設備 3軸マシニングセンターCAD/CAM
仕上げ C面取り加工糸面取り(手仕上げ)
外観品質の要点 C面取りの均一性穴位置精度を確認
図面支給 PDF図面支給に対応

ベークライト加工の詳細解説

本製品は、茶色の紙ベークライト樹脂(フェノール樹脂)板材を使用し、289個の止まり丸穴を17×17のマス目状配置で均一に加工した精密部品です。客先支給のPDF図面からNCプログラムを作成し、フルバックカッター(正面フライス)、フラットエンドミル、C面取りカッターを使い分けて、段差形状と大量の穴加工を高品質に仕上げています。

▶ 他のベークライト加工事例ベークライト加工の一覧ページをご覧ください。

ベークライト加工工程ステップ

  1. 図面確認とCAD/CAMプログラミング – 客先支給のPDF図面を解析し、穴配置パターンや段差形状を正確にデータ化して最適なNCプログラムを作成します。
  2. 素材準備と固定 – ベークライト板材を製品サイズより大きめにカットし、加工中の振動を抑えるよう適切なクランプ力でテーブルに固定します。
  3. 平面切削加工 – フルバックカッター(正面フライス)で表面を平面加工し、後続工程の基準面を作成します。
  4. 外形加工 – フラットエンドミルで外周を切削し、バリを最小限に抑えながら設計寸法通りの外形に仕上げます。
  5. 段差加工 – 上面から一段下がった段部分をフラットエンドミルで精密に切削し、深さ方向の寸法精度を確保します。
  6. 289個の止まり丸穴加工 – NCプログラムの自動送りにより、17×17配置の全穴を均一な位置精度・深さ精度でドリル加工します。
  7. C面取り加工 – C面取りカッターで289個すべての穴口元に均一な面取りを施し、部品の挿入性と安全性を確保します。
  8. 糸面取り(手仕上げ) – 外周エッジの鋭角部分を手作業で滑らかに処理します。
  9. 最終検査 – 寸法測定・穴位置精度・外観検査を実施し、品質基準をクリアした製品のみ出荷します。

ベークライト切削加工で注意すべきポイント

  • 切削速度の管理 – 高速すぎると発熱で変色・劣化するため、周速60~100m/min程度の適切な回転数・送り速度が必要です。
  • 工具選定 – 超硬エンドミルやダイヤモンドコーティング工具など刃先の鋭利な工具を使用し、バリや欠けを防止します。
  • 切削油の使用 – エアブローや霧状の切削油で冷却し、熱による寸法変化や焼けを防ぎます(過剰な切削油は素材への吸収に注意)。
  • 固定方法 – 過度な締め付けは割れの原因となるため、適切なクランプ圧と支持点の配置が重要です。
  • 切りくず処理 – 粉塵が発生しやすいため、集塵装置を使用し、切りくずが加工面に残らないよう管理します。
  • 工具摩耗の監視 – 研磨性のある素材のため工具摩耗が進みやすく、定期的な工具交換で加工精度を維持します。
  • バリ対策 – 穴加工の出口側にバリが発生しやすいため、送り速度の調整・裏当て板の使用・C面取り加工が有効です。

本製品で使用したベークライト樹脂について

本製品には茶色の紙ベークライト(フェノール樹脂積層板)を使用しています。紙を基材とした積層タイプで、電気絶縁性と機械的強度のバランスに優れ、精密加工部品に最適な素材です。

ベークライトには基材の違いにより紙ベークライト、布ベークライト、ガラスエポキシ積層板などのバリエーションがあり、用途やグレードに応じて使い分けられます。詳しくはフェノール樹脂(ベークライト)の素材解説ページをご参照ください。

ベークライト樹脂の特性と優位性

ベークライト(フェノール樹脂)は1907年に発明された熱硬化性樹脂で、一度硬化すると再加熱しても軟化しない安定した素材です。電気絶縁性(体積抵抗率1012Ω・cm以上)、機械的強度・耐摩耗性耐熱性(連続使用温度120~150℃)、難燃性・自己消火性耐薬品性を兼ね備えており、電気・電子部品から機構部品まで幅広く採用されています。また、エンジニアリングプラスチックの中では比較的安価で、小ロット生産から対応可能なコストパフォーマンスも強みです。

ベークライト樹脂の主要特性(物性値)

ベークライト(フェノール樹脂)の主要物性値一覧
特性項目 単位 数値
密度 g/cm3 1.35~1.45
引張強度 MPa 40~70
曲げ強度 MPa 80~140
圧縮強度 MPa 180~250
引張弾性率 GPa 5~10
シャルピー衝撃強さ kJ/m2 3~15
体積抵抗率 Ω・cm 1012-1014
絶縁破壊電圧 kV/mm 10~20
熱変形温度(1.82MPa) 120~180
連続使用温度 120~150
線膨張係数 ×10-5/℃ 2~4
吸水率(24時間) % 0.1~0.5

ベークライト・他樹脂素材・金属素材との比較表と優位性分析

ベークライト・他樹脂・金属素材の特性比較(5素材対照)
特性項目 ベークライト
(紙基材)
エポキシ樹脂
(ガラス基材)
ポリアセタール
(POM)
アルミニウム
(A5052)
ステンレス鋼
(SUS304)
密度(g/cm3 1.35~1.45 1.80~2.00 1.41~1.43 2.68 7.93
引張強度(MPa) 40~70 300~450 60~70 195 520
曲げ強度(MPa) 80~140 400~550 90~100
体積抵抗率(Ω・cm) 1012-1014 1014-1016 1014-1015 導電性 導電性
連続使用温度(℃) 120~150 130~180 80~100 200以上 400以上
切削加工性
コスト指数(相対値) 1.0 1.5~2.0 1.2~1.5 1.8~2.5 3.0~4.0
汎用性
加工品事例 ベークライト加工品事例 ガラスエポキシ樹脂加工品事例 ポリアセタール加工品事例

ベークライト樹脂の優位点

  • コストパフォーマンスの高さ – アルミニウムの1/2以下、ステンレス鋼の1/3以下のコストで、十分な機械的強度と電気絶縁性を実現できます。
  • 優れた切削加工性 – 金属より加工しやすく、本製品のような289個の穴加工を含む複雑形状にも効率的に対応できます。
  • 軽量性 – アルミニウムの約半分、ステンレス鋼の約1/5の密度で、軽量化が求められる用途に最適です。
  • 電気絶縁性 – 金属にない絶縁性を持ち、エポキシ樹脂と同等の絶縁性をより低コストで実現できます。
  • 寸法安定性 – POM等の熱可塑性樹脂より熱変形温度が高く、温度変化による寸法変化が小さいため精密部品に適しています。
  • 汎用性と入手性 – 長い歴史を持つ素材で国内外で安定調達が可能です。

ベークライト樹脂の長所と短所の分析

ベークライト樹脂を採用する際のメリット・デメリット
長所(メリット) 短所(デメリット)
優れた電気絶縁性
体積抵抗率1012Ω・cm以上で、電気部品に最適
衝撃に弱い
熱硬化性樹脂特有の脆さがあり、落下衝撃で割れることがある
高い機械的強度
圧縮強度180~250MPaで、構造部品として使用可能
加工時の粉塵発生
切削加工時に微細な粉塵が発生し、集塵設備が必要
優れた寸法安定性
吸湿による変形が少なく、精密部品に最適
色の制約
茶色や黒色が基本で、カラーバリエーションが限定的
耐熱性
連続使用温度120~150℃で、加熱環境下でも使用可能
強アルカリに弱い
強アルカリ溶液に長時間接触すると劣化する
難燃性・自己消火性
安全性が高く、防火性が求められる用途に適する
再加工不可
熱硬化性のため、一度成形すると再溶融・成形できない
コストパフォーマンス
性能に対して材料費が安価で、小ロット生産にも対応
外観の風合い
積層構造が見えるため、外観部品には不向きな場合がある
優れた切削加工性
精密加工が可能で、複雑形状にも対応できる
工具摩耗
研磨性があるため、工具の定期交換が必要

ベークライト加工でよくあるトラブルと当社の対策

ベークライト切削加工のよくあるトラブルと当社の対策
トラブル 主な原因 当社の対策
穴あけ時のバリ発生 切削速度が不適切、工具の摩耗、送り速度が速すぎる 最適な切削条件の設定、鋭利な工具の使用、C面取り加工による後処理
加工面の焼けや変色 切削熱の蓄積、切削速度が高すぎる、冷却不足 適切な回転数・送り速度の管理、エアブローや切削油による冷却
寸法精度の低下 加工中の熱膨張、固定方法の不備、工具摩耗 適切な冷却、確実な固定、定期的な工具交換と測定確認
割れやクラック 過度なクランプ圧、衝撃的な切削、内部応力 適切な固定圧の管理、段階的な切削、素材の品質確認
欠けやチッピング 工具が鈍い、切削条件が不適切、素材の品質 鋭利な工具の使用、切削条件の最適化、信頼できる素材の調達
表面粗さの悪化 工具摩耗、送り速度が速すぎる、びびり振動 新しい工具への交換、適切な送り速度設定、剛性の高い固定

ベークライト加工でお困りのことがございましたら、豊富な経験と技術を持つ当社にお気軽にご相談ください。

お問い合わせメールフォーム

電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで

当社のベークライト加工が活躍する分野

ベークライト樹脂の優れた電気絶縁性・機械的強度・耐熱性を活かし、試作から小ロット生産まで幅広い産業分野に対応しています。PDF図面1枚から±0.02mmの寸法公差を実現する精密加工で、289個の穴加工のような複雑仕様にも柔軟に対応可能です。

主な加工実績分野

  • 電気・電子機器 – 配電盤部品、端子台、絶縁スペーサー、コネクタ部品、基板固定治具
  • 産業機械 – 歯車、ベアリング、ガイド部品、絶縁ブッシュ、ジグ・治具
  • 自動車関連 – 電装部品の絶縁材、センサー固定部品、試作部品
  • 試作・開発分野 – 新製品の試作部品、評価用サンプル、小ロット生産(1個対応可能)
  • 検査・測定機器 – 精密測定治具、検査用ゲージ、位置決め部品
  • 半導体製造装置 – 絶縁プレート、固定治具、搬送用部品

図面1枚からの特注精密加工に対応いたします。ベークライト加工でお困りの際は、ぜひ当社にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. ベークライト(フェノール樹脂)とはどのような素材ですか?

A1. ベークライトは世界初の完全合成樹脂で、熱硬化性プラスチックの一種です。優れた電気絶縁性、機械的強度、耐熱性を持ち、電気・電子部品や機械部品に広く使用されています。茶色・黒色の紙ベークライトや茶色・黒色の布ベークライトなど、基材によって種類があります。

Q2. 小ロットでも加工依頼できますか?

A2. はい、1個からの小ロット加工に対応しています。試作品開発段階のサンプル製作も承りますので、お気軽にご相談ください。PDF図面からのお見積りも可能です。

Q3. 加工可能な最大サイズと最小サイズはどのくらいですか?

A3. マシニングセンターのテーブルサイズ内であれば加工可能です。一般的に最大で1000mm×500mm程度まで対応できます。最小サイズは形状によりますが、数mm単位の精密部品の実績もございます。詳細はお問い合わせください。

Q4. 加工精度はどの程度まで対応できますか?

A4. 当社では±0.1mmの寸法公差を標準としています。さらに高精度が必要な場合は、加工方法や測定方法を工夫することで±0.05mm~±0.02mm程度まで対応可能です。図面の公差指定に応じて最適な加工方法をご提案いたします。

Q5. 納期はどのくらいかかりますか?

A5. 製品の複雑さや数量によりますが、受注後、通常5~7日程度で納品可能です。お急ぎの場合は短納期対応も可能ですので、ご相談ください。試作品の場合は2~4日程度の対応実績もございます。

Q6. ベークライト以外の樹脂素材も加工できますか?

A6. はい、当社は各種エンジニアリングプラスチックの加工に対応しています。POM(ポリアセタール)MCナイロン(MC901ほか)PEEKポリカーボネート(PC)アクリル(PMMA)塩化ビニル(PVC)ふっ素樹脂(テフロンほか)など、幅広い樹脂素材の切削加工が可能です。

Q7. 図面はどのような形式で支給すればよいですか?

A7. PDF形式、DXF形式、DWG形式などのCADデータに対応しています。手書き図面をスキャンしたPDFでも対応可能です。2D図面だけでなく、3DのCADデータ(STEP、IGES形式など)もお受けできます。

Q8. ベークライト加工で特に注意すべき点はありますか?

A8. ベークライトは硬く脆い素材のため、過度な衝撃や無理な固定は割れの原因となります。また、切削時の発熱により変色することがあるため、適切な切削条件と冷却が重要です。当社ではこれらに配慮した加工を行っています。

Q9. C面取り加工は追加料金がかかりますか?

A9. C面取りの範囲や数量によりますが、本製品のように289個すべての穴にC面取り加工を施す場合は、加工工数に応じた料金が発生します。C面取り(またはR面取り)の必要な箇所がありましたら、図面内での指示をお願いします。

Q10. ベークライトの色は選べますか?

A10. ベークライトは色が決まっており、紙ベークライトも布ベークライトも、茶色と黒色があります。どちらかであれば色の指定は可能ですが、他のカラーバリエーションが必要な場合は、他の樹脂素材をご検討ください。

Q11. 加工後の検査はどのように行われますか?

A11. ノギス、マイクロメーター、ハイトゲージなどの測定器を用いて寸法検査を実施します。外観検査も目視で行い、バリや傷がないことを確認してから出荷しています。

Q12. 見積りは無料ですか?

A12. はい、お見積りは無料で承っております。PDF図面またはCADデータをお送りいただければ、通常1~2営業日でお見積書を提出しています。お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせから納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面支給お問い合わせメールフォームまたはFAX(0553-32-1502)より、PDF図面またはCADデータをご支給ください。
  2. 図面確認と見積書作成 – 加工方法・素材・納期・価格を検討し、通常1~2営業日でお見積書を提出します。
  3. 見積内容のご確認と注文書受領 – ご承認後、正式なご注文書を頂戴します。
  4. CAD/CAMプログラミングと加工準備 – 図面からNCプログラムを作成し、素材・工具・加工条件を選定します。
  5. 精密切削加工 – マシニングセンターで平面・外形・穴・面取り加工を実施し、熟練オペレーターが品質を確認しながら進めます。
  6. 検査・品質確認 – 寸法測定と外観検査を実施し、図面通りの仕上がりを確認します。
  7. 梱包・出荷・納品 – 検査合格品を丁寧に梱包し、ご指定先へ発送します。納品書・検査成績書も同梱します。

まとめ

ベークライト(フェノール樹脂)は、電気絶縁性・機械的強度・耐熱性・寸法安定性を兼ね備えた、100年以上の実績を持つ信頼性の高い素材です。当社・株式会社三森製作所では、客先支給の図面から±0.02mmの高精度加工を実現し、1個からの小ロット対応が可能です。電気・電子部品から産業機械部品まで、ベークライト加工でお困りの際はお気軽にご相談ください。

電気絶縁性が求められる電子部品、機械的強度が必要な構造部品、精密な寸法が要求される検査治具など、ベークライト樹脂の特性を活かした加工実績が多数ございます。お客様のニーズに合わせた最適な加工方法をご提案いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで


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