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プラスチックのQ&A
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各種製品や部品、その他様々な部分にプラスチック加工品が使用される理由として、以下のものが上げられます。
[軽くて強い]
金属や陶磁器に比べ比重が小さいので、軽くて強い製品を作ることができる。
[錆びたり、腐ったりしない]
ほとんどのプラスチックは薬品に侵されにくく、酢などを入れてもさびたりくさったりすることがない。
[透明性があり、着色が自由]
透明性に優れているものがあり、また着色が自由にできるので、明るく美しい製品を作ることができる。
[大量生産がしやすい]
プラスチックは、一般的に加工性がよく複雑な形状のものでも能率的に大量生産ができる。 従って、製品を安価に提供できる。
[電気・電子的性質に優れている]
電気絶縁性等が優れているので、身近なところでは冷蔵庫、テレビ、ラジオ、パソコンなどの部品に使用されている。
[断熱性が優れている]
特にプラスチックの発泡体は、断熱材として優れた性能を持っている。
[衛生的で食品保存に優れている]
プラスチックは清潔で、微生物の汚染から食品を守ることができる。
現在使用されているプラスチックは、ほどんどが原油から合成された高分子化合物です。 石油精製工業で蒸留され、沸点の差により、「石油ガス」「ガソリン」「ナフサ(粗製ガソリン)」「灯油」「軽油」「重油」「アスファルト」に分けられます。 このうちの「ナフサ」が石油化学工場に送られ、プラスチックの原料などに使われます。
石油化学工場では、ナフサを「ナフサ分解装置」という炉の中で加熱し、それを分解させて簡単な構造の物質に変え、物質ごとに抽出します。 こうしてできるのが「エチレン」「プロピレン」「ブチレン」などで、これらは合成樹脂の原料となります。
エチレンやプロピレンなどに化学反応の技術を用い、同じ物質の分子と分子を結びつける事(重合反応)によって、今までに無い新しい性質の物質が作り上げられます。 これが「ポリエチレン」や「ポリプロピレン」などで、合成樹脂または重合体(ポリマー)と呼ばれます。
プラスチックは、大きく分けて2つに分類されます。 それは「熱可塑性プラスチック」と「熱硬化性プラスチック」で、基本的な性質は下記の通りです。
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂の性質はチョコレートのようなものです。 チョコレートは熱を加えると溶けて変形しますが、冷やすとその形のまま固まります。 また、再び熱を加えると軟らかくなります。 熱可塑性樹脂も同じで、熱を加えると軟らかくなり、冷やせば固まります。
[熱硬化性樹脂]
熱硬化性樹脂の性質はビスケットのようなものです。 ビスケットは一度形を作って焼き上げてしまうと、その後熱を加えても軟らかくならずその形は変わりません。 熱硬化性樹脂も同じで、熱の加えはじめは流動化しますが、その内次第に化学変化を起こして固まり、その後いくら熱を加えても軟らかくはなりません。
人類が合成し工業化に成功した最初のプラスチックは、1907年(明治40年)ベルギー生まれのアメリカ人化学者・ベークランド氏によって作られました。 それがフェノールとホルムアルデヒドを原料として作られた「フェノール樹脂」です。
1937年(昭和12年)、アメリカ・デュポン社のカローザース氏による「ナイロン」の発明は、本格的なプラスチック時代を告げることとなりました。 このナイロンのキャッチフレーズ「石炭と空気と水とから合成され、クモの糸より細く、鉄鋼よりも強く、絹糸にも勝る繊維」に象徴されるように、1940年(昭和15年)頃まではプラスチックの主原料は石炭でした。
それ以降、プラスチックの主原料は石炭から石油に代わり、現在まで続いています。
工業製品として大量に作り始められたのは主原料が石油に代わった1950年代以降であり、歴史としては比較的新しい素材といえます。
現在では、その使い勝手の良さから、鉄鋼、セメント、ガラス、木材、軽金属などと同じように、基本的な資材として、重要な材料の一角を占めています。 また、体積換算では鉄鋼を上回る量が消費され、多くのプラスチック加工品が製造されています。