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MCナイロン(MC901)切削加工品|多穴・テーパー事例

- プラスチック加工品例 -

MCナイロン(MC901)切削加工品|多穴・テーパー事例

MCナイロン(MC901)板材から、外寸155×155×t20mm(±0.1mm以内)のプレートを精密切削した事例です。15°テーパーφ9貫通穴64個全縁C3面取り・ザグリを3軸マシニングセンターで一括加工しています。

この記事の要点

  1. MCナイロン(MC901)板材を、外寸155×155×t20mmのプレート形状に精密切削した加工事例です。
  2. 15°テーパー加工φ9貫通穴64個の多穴加工を同一ワークで高精度に仕上げています。
  3. 外形→テーパー→全縁C3面取り→多穴→ザグリの順に、3軸マシニングで一括加工しています。
  4. MC901はMCナイロンの基本グレードで、耐摩耗性・自己潤滑性・強度を活かした機械部品・治具に適します。
  5. 関連情報:MC901加工事例MCナイロン切削加工事例多穴加工事例テーパー加工事例MCナイロン素材情報
MCナイロン(MC901)プレート 155×155×t20 テーパー15° φ9貫通穴64個(正面)
MCナイロン(MC901)155×155×t20mmプレート。テーパー15°φ9貫通穴64個を3軸マシニングで仕上げた正面。

MCナイロン(MC901)プレート 155×155×t20 テーパー15° 多穴(右斜め上)
右斜め上から見た全体像。全縁C3面取りの仕上がりとテーパー面の滑らかさが確認できる。

MCナイロン(MC901)切削加工品 テーパー15°・φ9穴64個(左斜め上)
左斜め上からの角度。φ9貫通穴64個の配列と面取り処理の均一な仕上がりを示している。

MCナイロン(MC901)切削加工品の代表仕様
項目 内容
素材 MCナイロン(MC901)
外形寸法(公差含む) 155×155×t20mm、外形寸法精度±0.1mm以内
加工内容 15°テーパー加工φ9貫通穴64個全縁C3面取り、ザグリ
加工設備 3軸マシニングセンター
仕上げ 全縁C3面取り、精密バリ取り、糸面取り処理
外観品質の要点 テーパー面の滑らかさと、面取り処理の均一な仕上がりを確認できる仕様
図面支給 メール支給のPDF図面をもとに加工

 

▶ これまで作ったMCナイロン切削加工事例は、MCナイロン切削加工の事例一覧ページをご覧ください。

▶ 詳しい素材情報は、MCナイロン(MC Nylon)素材情報ページからご確認いただけます。


MCナイロン(MC901)切削加工の工程と注意点

本製品はメール支給のPDF図面をもとに、3軸マシニングセンターで複合加工を実施。15°テーパーφ9貫通穴64個全縁C3面取り・ザグリを高精度に仕上げています。

類似形状の事例は多穴加工の事例一覧、角度面の仕上がりはテーパー加工の事例一覧もご参照ください。

加工工程ステップ

  1. 図面解析・加工計画:PDF図面の詳細確認と加工プログラム作成、工具選定・加工計画の策定
  2. 材料準備・基準面加工:MC901板材の寸法確認後、フルバックカッターで高さ方向の基準面を平面切削
  3. 外形加工:フラットエンドミルで縦155mm×横155mmの外形輪郭を切削、寸法精度±0.1mm以内
  4. テーパー加工:ボールエンドミルで上面から15°の傾斜を削り出し、滑らかな曲面に仕上げ
  5. C面取り加工:C面取りカッターで全縁にC3面取りを施し、安全性と美観を確保
  6. 多穴加工:ドリルでφ9貫通穴64個を正確な位置に穴あけ、穴位置精度±0.05mm(目安)
  7. ザグリ穴加工:フラットエンドミルでφ9.5ザグリ・ドリルでφ6.5貫通穴を4か所に加工
  8. バリ取り・最終検査:製品全体の精密バリ取りと糸面取り処理後、測定器で寸法・外観を検査して出荷

MCナイロン切削加工で注意すべきポイント

  • 切削速度の管理:熱膨張率が大きいため、推奨切削速度100~200m/minを守り切削熱を抑制する
  • 工具選定:超硬エンドミルやダイヤモンドコーティング工具で刃先の鋭利さを保ち、良好な仕上げ面を実現
  • 固定・冷却:適切なクランプ圧で変形を防ぎ、エアブロー・微量クーラントで切削部の温度上昇を抑制
  • 切削条件の最適化:材料特性に合わせた切り込み深さ・送り量の調整で、びびり振動を抑制

本製品で使用したMCナイロン(MC901)について

MC901はモノマーキャスティング法で製造されるMCナイロンの基本グレード(青色)で、一般の6ナイロンに比べ機械的強度・耐熱性・耐摩耗性に優れたエンジニアリングプラスチックです。

MCナイロンには多彩なグレード展開があります。MC901と同じく基本グレードのMC900NC(アイボリー・ナチュラル色)、耐候性強化のMC801(濃灰色)、摺動性向上のMC703HL(紫色)、高強度・耐熱のMC602ST(茶色)、導電性のMC501CDR2(黒色)、帯電防止のMC501CDR6(黒色)、帯電防止・耐熱のMC501CDR9(黒色)、ノンカーボン帯電防止のMC500ASR11(アイボリー・ナチュラル色)など、用途に応じた特性を持つグレードが揃っています。詳細はMCナイロン素材解説ページをご覧ください。

MCナイロン(MC901)の特性と優位性

  • 高強度と軽量性:比重1.16と軽量ながら引張強さ96MPaの高強度を持ち、金属代替部品の軽量化に貢献します。
  • 耐摩耗性と自己潤滑性:高荷重下でも優れた耐摩耗性を発揮し、無給油での摺動部品として長期使用が可能です。
  • 耐熱性:連続使用温度120℃に対応し、-40℃~+120℃の広い範囲で安定した機械的性質を維持します。
  • 耐薬品性:有機溶剤・油脂・弱酸・弱アルカリに侵されにくく、工業環境での安定使用に適します。
  • 切削加工性:硬度と粘りのバランスが良く、複雑形状の精密加工が容易で仕上げ面も美しく仕上がります。
  • 寸法安定性:吸水率0.8%と低く、一般ナイロンより吸水による寸法変化が小さい信頼性の高い素材です。
  • 電気絶縁性:優れた絶縁性を持ち、電気・電子機器の絶縁部品としても使用できます。

MCナイロン(MC901)の主要物性値

MCナイロン(MC901)主要物性値一覧
物性項目 数値 単位 試験方法
比重 1.16 ASTM D-792
引張強さ 96 MPa ASTM D-638
伸び 30 % ASTM D-638
曲げ強さ 110 MPa ASTM D-790
圧縮強さ(5%変形時) 95 MPa ASTM D-695
ロックウェル硬さ M88 ASTM D-785
吸水率(24h) 0.8 % ASTM D-570
連続使用温度 120
融点 222
線膨張係数 9.0 ×10-5/℃ ASTM D-696

※ 上記数値は代表値であり、保証値ではありません。設計時は余裕を持った設定をお勧めします。

MCナイロン(MC901)・他樹脂・金属との比較

MCナイロン(MC901)と他の代表的な樹脂・金属素材を、数値的根拠に基づいて比較しました。

MCナイロン(MC901)と主要素材の比較表
項目 MC901
MCナイロン
UHMWPE
超高分子量ポリエチレン
PTFE
テフロン
PPS
ポリフェニレンサルファイド
アルミ
合金
ステンレス
比重 1.16 0.94 2.15 1.64 2.7 7.9
引張強さ(MPa) 96 38 25 160 300 520
連続使用温度(℃) 120 80 260 220 200+ 300+
耐摩耗性
加工性
コスト(指数) 100 180 250 280 120 150
汎用性
加工事例 MC901加工事例 UHMWPE加工事例 PTFE加工事例 PPS加工事例

凡例:◎非常に優れる ○優れる △普通  色分け青系=MCナイロン 水色系=他樹脂 灰色系=金属

MCナイロン(MC901)の優位点

  • 軽量性と強度のバランス:比重1.16と軽量ながら引張強さ96MPaを持ち、UHMWPEやPTFEより高強度で金属より大幅に軽量です。
  • 加工性とコスト効率:切削加工性が極めて良好で複雑形状にも対応でき、PPS・PTFE・UHMWPEより材料コストも低く経済的です。
  • 耐摩耗性と実用温度範囲:120℃まで連続使用可能でUHMWPEより高温対応、かつ優れた耐摩耗性により長寿命部品の製作が可能です。
  • 金属代替としての優位性:アルミの43%・ステンレスの15%の軽さで、無給油摺動・耐食性・電気絶縁性など金属にない特長を備えます。

MCナイロン(MC901)の長所と短所

MCナイロン(MC901)長所・短所一覧
長所(特徴・特性) 短所(特徴・特性)
高い機械的強度:引張強さ96MPa・曲げ強さ110MPaで金属代替としても十分な強度を持ちます。 吸水性:吸水率0.8%で一般ナイロンより低いものの、高湿度環境では若干の寸法変化が生じます(設計時に考慮)。
耐摩耗性と自己潤滑性:無給油での長期使用が可能で、摺動部品として優れた性能を発揮します。 耐熱温度の限界:連続使用温度120℃でPPSやPTFEより低く、150℃以上の高温環境では使用できません。
優れた切削加工性:硬度と粘りのバランスが良く、複雑形状の精密加工が容易で仕上げ面も美しく仕上がります。 強酸への耐性:多くの薬品に強いが、濃硫酸・濃硝酸などの強酸には侵されます(使用環境の確認が必要)。
軽量性:比重1.16でアルミの43%・ステンレスの15%の重さ。機械装置の軽量化と省エネ化に貢献します。 紫外線劣化:MC901は屋外長期使用で劣化するため、屋外用途には耐候グレード(MC801)が必要です。
耐薬品性:油類・アルコール・弱酸弱アルカリに優れた耐性を持ち、工業環境で安定使用できます。 熱膨張率:線膨張係数9.0×10-5/℃で金属より大きく、温度変化の大きい環境では寸法変化への配慮が必要です。
多彩なグレード展開:導電性・耐候性・高強度など用途に応じたグレードが豊富で、幅広いニーズに対応します。 接着性:接着が困難で、接着剤による接合には表面処理が必要です(機械的結合を推奨)。

MCナイロン(MC901)加工のよくあるトラブルと対策

MCナイロン加工トラブルと当社の対策
トラブル 主な原因 当社の対策
寸法精度不良 切削熱による熱膨張、クランプ圧による変形 適切な切削条件設定、専用治具による均一固定、温度管理の徹底
表面粗さ不良 工具摩耗、切削速度不適切、びびり振動 鋭利な工具使用、最適回転数・送り設定、剛性の高いセットアップ
バリの発生 工具切れ味不足、送り速度過大 シャープな工具選定、適切な切削パラメータ、熟練作業者によるバリ取り
加工面の溶融 切削速度過大、冷却不十分 切削条件の最適化、エアブローによる冷却、工具逃げ角の調整
ワークの反り 内部応力の開放、片面加工による応力バランス崩れ 両面加工による応力バランス、加工順序の最適化

MCナイロン加工でお困りの際は、豊富な加工実績を持つ当社にお気軽にご相談ください。図面を元にした精密加工小ロット対応短納期対応も可能です。

お問い合わせメールフォーム

電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで

当社のMCナイロン(MC901)加工が活躍する分野

MCナイロン(MC901)は耐摩耗性・自己潤滑性・機械的強度により、幅広い産業分野で採用されています。

  • 産業機械:ガイドレール・ローラー・スライドプレート・チェーンガイドなど摺動部品として多用。無給油で使用でき、メンテナンス性に優れます。
  • 食品機械:食品衛生法適合処理を施すことで、コンベアガイド・搬送用ローラー・カッティングボードなど食品接触部品として安全に使用できます。
  • 自動車関連:エンジン周辺部品・内装スライド機構・ドアヒンジ部品など、軽量化と耐久性が求められる部品に採用されています。
  • 電気・電子機器:優れた絶縁性を活かし、絶縁スペーサー・治具部品・検査用治具など精密部品として活用されています。
  • 試作・開発:当社の小ロット対応を活かし、1個からの試作品・機能検証サンプル・評価部品の製作に対応しています。

主な加工実績分野

  • 搬送機械部品:ガイドレール、チェーンガイド、スライドパッド、搬送用ローラー
  • 回転・駆動部品:ギア(歯車)、スプロケット、プーリー、カップリング
  • 摺動・軸受部品:軸受(ベアリング)、ブッシュ、ライナー、スラストワッシャー
  • 治具・固定部品:組立治具、検査治具、位置決め治具、クランプ部品
  • 特殊加工部品:多穴加工品、テーパー加工品、複合形状部品、精密公差部品

よくあるご質問(FAQ)

Q1. MCナイロン(MC901)は屋外で使用できますか?

A1. 基本グレードのMC901は紫外線により劣化するため、屋外での長期使用には向きません。屋外用途には耐候グレードのMC801(濃灰色)をお勧めします。MC801は特殊グラファイト添加により紫外線を遮断し、屋外での長期使用に対応します。

Q2. 食品機械部品として使用できますか?

A2. 沸騰水による浸漬処理を行うことで食品衛生法に適合し、食品接触部品として安全に使用できます。食品機械のコンベアガイドや搬送部品などで多数の実績があります。

Q3. 金属部品と比較した場合の強度はどうですか?

A3. MCナイロンの引張強さは96MPaで、アルミ(約300MPa)やステンレス鋼(約520MPa)より低いですが、比重1.16の軽量性無給油摺動耐食性など金属にない特長があります。用途に応じた設計で十分な強度を確保できます。

Q4. 吸水による寸法変化はどの程度ですか?

A4. MC901の24時間吸水率は0.8%で、一般の6ナイロン(約2%)より大幅に低い値です。設計時に適切なクリアランスを設けることで、高湿度環境や水中使用でも問題なく使用できます。

Q5. 使用温度範囲を教えてください

A5. 連続使用温度は120℃(短時間であれば140℃まで)、低温側は-40℃まで対応します。150℃以上の高温環境にはMC602ST(高強度・耐熱グレード)をお勧めします。

Q6. 静電気対策が必要な用途に使えますか?

A6. 基本グレードのMC901は絶縁性ですが、導電グレードのMC501CDR2(体積固有抵抗102Ω・m)や帯電防止グレードのMC501CDR6(105~107Ω・m)を使用することで静電気対策が可能です。電子部品製造装置や精密機器に多数の採用実績があります。

Q7. どのような加工方法に対応していますか?

A7. マシニングセンター加工NC旋盤加工フライス加工ボール盤加工など各種切削加工に対応。複雑な3D加工・多穴加工・歯車加工なども可能で、図面に基づいた特注精密切削加工を得意としています。

Q8. 納期はどのくらいかかりますか?

A8. 標準的な部品で5~7日程度です(加工内容・数量により異なります)。急ぎの場合は短納期対応も可能ですので、まずはご相談ください。図面確認後に正確な納期をお知らせします。

Q9. 最小ロットは何個からですか?

A9. 1個からの小ロット生産に対応しています。試作品・サンプル品・少量生産品など、小ロットから中ロットまで柔軟に対応しますのでお気軽にご相談ください。

Q10. MC901以外のグレードのMCナイロンも加工できますか?

A10. はい、MC900NC(アイボリー・ナチュラル色)・MC801(耐候グレード)・MC703HL(摺動グレード)・MC602ST(高強度・耐熱グレード)・MC501CDR2(導電グレード)・MC501CDR6(帯電防止グレード)・MC501CDR9(帯電防止・耐熱グレード)・MC500ASR11(ノンカーボン帯電防止グレード)など、各種グレードの加工に対応しています。用途に最適なグレードをご提案いたします。

Q11. 図面がない場合でも相談できますか?

A11. はい、サンプル現物からの採寸やラフスケッチからの図面作成など柔軟に対応します。お持ちの情報をもとに最適な加工方法をご提案いたします。

Q12. 表面処理や二次加工は可能ですか?

A12. ヘリサート挿入インサート加工ねじ切り加工バフ研磨加工など各種二次加工追加工)に対応しています。ご要望に応じて最適な処理方法をご提案いたします。

お問い合わせ(図面支給)から納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面支給:メールまたはフォームから図面(PDF・DXF・DWG等)をお送りください。詳細仕様を確認します。
  2. 内容確認・お見積書提出:図面・材質・数量・納期・公差などを確認し、お見積書を迅速にご提出します(通常1~2営業日以内)。
  3. ご注文・受注確定:お見積内容にご納得いただけましたら、発注書をいただき加工準備に入ります。
  4. 材料手配・加工開始:MCナイロン材料を手配し、CAD/CAMでプログラム作成後、マシニングセンター・NC旋盤で精密切削加工を実施します。
  5. 精密検査・品質確認:加工完了後、測定器で寸法検査を実施し、図面仕様に適合しているか厳密にチェックします。
  6. 梱包・出荷・納品:検査合格品を丁寧に梱包し、ご指定の納期・納入先へ確実にお届けします。

まとめ

MCナイロン(MC901)軽量・高強度・耐摩耗性に優れ、産業機械から食品機械部品まで幅広い分野で活躍するエンジニアリングプラスチックです。マシニングセンターによる精密切削加工で、テーパー・多穴・3D加工など複雑形状の高品質特注部品製作が可能です。

多彩なグレード展開(導電性・耐候性・高強度・摺動性など)により用途に応じた最適な素材選択ができ、金属代替としてのコスト・性能優位性も高く多くの製造現場で採用されています。

MCナイロン加工や素材選定のご相談、図面に基づく特注部品の製作など、お気軽にお問い合わせください。1個からの小ロット対応短納期対応も可能です。

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電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで


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