
ポリカーボネート切削加工|小型・精密部品の製作対応
- プラスチック加工品例 -
ポリカーボネート切削加工|小型・精密部品の製作対応
透明ポリカーボネート(PC)を3軸マシニングセンターで精密切削した、小型部品(14.4×8.6×7.5mm)の加工事例です。肉厚0.5mmやφ1×1.5mmの微細形状まで、切削仕上げでコストと精度を両立します。
この記事の要点
- ポリカーボネート(PC)はガラスの200倍以上の耐衝撃性と高い透明性を両立するエンジニアリングプラスチックで、寸法安定性にも優れた小型・精密部品向けの素材です。
- 外寸14.4×8.6×7.5mmの小型部品に肉厚0.5mmの薄肉部とφ1×1.5mmの微細柱形状を加工した事例を、図面解析からバリ取りまで9ステップで解説します。
- 表面処理なしの切削仕上げで滑らかな外観を実現し、研磨レスによるコスト・リードタイムの削減と寸法精度を両立しています。
- 光学機器・電子機器・医療機器・産業機械など幅広い分野で1個からの試作に対応し、小ロット・高精度・短納期での製作が可能です。
- 関連ページ:ポリカーボネート切削加工事例一覧、ポリカーボネート(PC)素材情報、見積り・ご注文案内、見積り依頼フォーム
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 素材 | 透明ポリカーボネート(PC)(10t板材) |
| 外形寸法 | 横14.4mm×縦8.6mm×高さ7.5mm(寸法事例) |
| 加工内容 | 平面加工(厚さ7.5mm)+外形切削(R2/R1/45°)+内部掘り込み(12.4×6.6・隅R1)+微細柱加工(φ1×高さ1.5mm)+バリ取り/糸面取り |
| 加工設備 | 3軸マシニングセンター |
| 仕上げ | 表面処理なしの切削仕上げ(標準) |
| 図面支給 | Fax図面支給に基づき製作 |
▶ 形状やサイズの異なるポリカーボネート切削加工の実績は、ポリカーボネート切削加工品一覧ページでまとめて比較できます。ご検討中の部品に近い事例を探し、加工精度や対応範囲の目安としてご活用ください。
▶ ポリカーボネート(PC)の特性・物性値・用途例は、ポリカーボネート(PC)素材情報ページに整理しています。透明性・耐衝撃性・寸法安定性の確認や、代替素材検討にお役立てください。
ポリカーボネート切削加工の詳細解説
本製品は、透明ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)の10t板材を3軸マシニングセンターで精密切削した特注部品です。外寸横14.4mm×縦8.6mm×高さ7.5mmという小型サイズながら、φ1×1.5mmの微細柱形状と肉厚0.5mmの薄肉部を含む高難易度の加工品で、切削仕上げのままで滑らかな仕上がり面を実現しています。
加工工程ステップ
- 図面解析:Fax支給の図面から加工要件・公差・仕上げ指示を確認します。
- CAMプログラム作成:3軸マシニングセンター用NCプログラムを作成し、加工順序と工具経路を最適化します。
- 素材準備・段取り:透明PC 10t板材を所定サイズに切断し、マシニングセンターに固定します。
- 平面加工:フルバックカッターで片面を削り、厚さ7.5mmに仕上げます。
- 外形加工:フラットエンドミルでR2・R1・45°の形状を持つ横14.4mm×縦8.6mmの外形に切削します。
- 内部加工:フラットエンドミルで横12.4mm×縦6.6mmの内部を掘り込みます。隅R1・肉厚1mm・45°部0.5mmに仕上げます。
- 柱形状削り出し:フラットエンドミルで上面を削り込みながら、径φ1×高さ1.5mmの微細柱を削り出します。
- バリ取り・糸面取り:手作業でバリを除去し、糸面取りで最終仕上げを行います。
- 最終検査:寸法・外観検査を実施し、合格品のみ出荷します。
ポリカーボネート切削加工で注意すべきポイント
- 切削速度の最適化:PCは熱に弱く、過度な速度は溶融・白化を招きます。周速100~150m/min程度が目安です。
- 工具選定:切れ味の良い超硬エンドミルを使用します。刃先の摩耗は発熱や表面品質の低下につながります。
- 切削油の使用:水溶性切削油で切削熱を除去し、溶融・熱変形を防ぎます。
- 固定方法の工夫:過度な締め付けは変形の原因となります。適切な治具を使用し、均等な力で固定します。
- バリ取りの徹底:切削後は必ずバリが発生するため、手作業による丁寧なバリ取りが仕上がり品質を左右します。
本製品で使用したポリカーボネートについて
本製品には透明色のポリカーボネート樹脂(PC樹脂)を使用しています。ポリカーボネートは優れた透明性と卓越した耐衝撃性を兼ね備えたエンジニアリングプラスチックです。グレードには非強化品(透明・着色)・ガラス繊維強化品・アロイ品(ABS・PET・PMMAとの共重合)などがあり、本製品では透明性を最大限に活かした非強化透明グレードを採用しました。詳細はポリカーボネート(PC)の素材解説ページをご覧ください。
ポリカーボネートの特性と優位性
- 卓越した耐衝撃性:プラスチック中でトップクラス。ガラスの200倍以上・アクリルの30~40倍の衝撃強度を持ち、防弾ガラスや機動隊の盾にも採用されています。
- 優れた透明性:ガラスに匹敵する高い透明性を持ちます。高い耐衝撃性と透明性を両立した樹脂として、レンズや光学部品にも使用されます。
- 広い使用温度範囲:連続使用温度120~130℃・耐寒温度-100℃程度と、寒暖差の激しい環境でも安定した性能を発揮します。
- 高い寸法安定性:非晶性プラスチックで成形収縮率0.5~0.7%・吸水率0.15%と小さく、精密部品の製作に適しています。
- 良好な電気絶縁性:体積抵抗率が高く、電子部品のハウジングなど電気機器の絶縁材料としても優れた性能を発揮します。
- 自己消火性:酸素指数25程度で燃えにくく、安全性が求められる用途に適しています。
- 優れた加工性:切削加工・曲げ加工・接着加工など多様な加工方法に対応し、複雑形状の部品製作にも適しています。
ポリカーボネートの主要特性(物性値)
| 項目 | 単位 | 数値 |
|---|---|---|
| 比重 | – | 1.20 |
| 引張強さ | MPa | 64~66 |
| 引張弾性率 | MPa | 2,400 |
| 衝撃強さ(アイゾット ノッチ付) | J/m | 640~854 |
| 硬度(ロックウェル) | – | M70~72 |
| 線膨張率 | ×10-5/℃ | 6.8 |
| 荷重たわみ温度(1.81MPa) | ℃ | 121~132 |
| 吸水率(24時間) | % | 0.15 |
| 燃焼性 | – | 自消性 |
※上記数値は代表値であり、保証値ではありません。設計時は各材料メーカーのデータシートをご確認ください。
ポリカーボネート・他樹脂素材・金属素材との比較表と優位性分析
ポリカーボネート(PC)の立ち位置を分かりやすくするため、代表的な透明樹脂2種(アクリル・PET)、エンプラ1種(ナイロン66)、金属2種(アルミニウム合金A5052・ステンレス鋼SUS304)との比較表です。透明性・耐衝撃性・耐熱性・加工性・コストのバランスから、素材選定の目安としてご活用ください。
| 特性 | ポリカーボネート (PC) |
アクリル (PMMA) |
ポリエチレンテレフタレート (PET) |
ナイロン66 (PA66) |
アルミニウム (A5052) |
ステンレス (SUS304) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 比重 | 1.20 | 1.18 | 1.34 | 1.08 | 2.68 | 7.93 |
| 衝撃強さ(J/m) | 640~854 | 16~22 | 50~120 | 907~1014 | – | – |
| 透明性 | ◎ 高い | ◎ 非常に高い | ○ 半透明~透明 | × 不透明 | × 不透明 | × 不透明 |
| 耐熱温度(℃) | 121~132 | 70~99 | 70~80 | 80~95 | – | – |
| 切削加工性 | ○ 良好 | ◎ 非常に良好 | ◎ 良好 | ○ 良好 | ◎ 優秀 | △ やや困難 |
| コスト(指数) | 100 | 70 | 80 | 90 | 60 | 150 |
| 加工事例 | ポリカーボネート加工事例 | アクリル加工事例 | ポリエチレンテレフタレート加工事例 | ナイロン66加工事例 | – | – |
※数値は代表値であり、グレード・条件により変動します。設計時は各材料メーカーのデータシートをご確認ください。※コスト指数はPCを100とした場合の相対値です。
比較表から見るポリカーボネートの優位点
- 透明性と耐衝撃性の両立:アクリルは透明性に優位ですが衝撃に弱く、PETはコストと加工性のバランスが良い一方で耐衝撃性・耐熱性が劣る場合があります。PCは高い透明性と割れにくさを両立し、透明で安全性が求められる部品に最適です。
- 金属代替による軽量化:PCは比重1.20で、アルミ(2.68)やステンレス(7.93)と比べて大幅に軽量です。装置の可搬性向上や慣性低減が必要な部位で金属代替の候補になります。
- 透明樹脂中トップの耐熱性:PCの耐熱温度(121~132℃)は、アクリル(70~99℃)やPET(70~80℃)を大きく上回ります。温度変化がある環境で透明性を前提とした部品設計に有効です。
- 切削加工での総合バランス:PCは切削加工性が良好で、表面処理なしの切削仕上げでも外観品質を確保しやすい素材です。試作から小ロット生産まで、要求仕様に応じた対応がしやすい点が強みです。
ポリカーボネートの長所・短所分析
| 長所(メリット) | 短所(デメリット) |
|---|---|
|
卓越した耐衝撃性 |
耐薬品性が限定的 |
|
優れた透明性 |
表面硬度が低い |
|
広い使用温度範囲 |
応力集中によるクラック |
|
自己消火性・電気絶縁性 |
比較的高価 |
|
良好な寸法安定性と加工性 |
吸水性がある |
ポリカーボネート加工でよくあるトラブルと当社の対策
ポリカーボネートは優れた素材ですが、加工条件を誤ると白化やクラックなどの不具合が発生しやすい素材でもあります。代表的なトラブルと当社の対策をまとめました。
| トラブル | 主な原因 | 当社の対策 |
|---|---|---|
| 切削面の白化 | 切削速度の過剰または工具摩耗による発熱・溶融 | 適切な切削速度設定・定期的な工具交換・水溶性切削油の使用 |
| クラックの発生 | 過度な締め付けや急激な形状変化部での応力集中 | 適切な治具設計と均等な固定力配分・R付けによる応力緩和 |
| 寸法精度の低下 | 切削熱による熱膨張・固定圧力による変形・残留応力 | 加工中の温度管理・適切な固定方法・加工後の寸法測定と補正 |
| バリ・表面粗さ悪化 | 工具の切れ味不足・送り速度の不適切・ビビリ振動 | 切れ味の良い工具使用・切削パラメータ最適化・手作業による丁寧なバリ取り |
ポリカーボネート加工でお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。豊富な加工実績と技術力で、お客様のご要望にお応えします。
当社のポリカーボネート加工が活躍する分野
当社では小ロット生産に特化したポリカーボネート切削加工を得意としています。1個からの試作品から数百個規模の小ロット生産まで、図面やCADデータに基づき高精度な特注部品を製作いたします。
- 試作・開発分野:試作部品製作・機能確認用モデル・デザイン検証サンプルなどに対応。迅速な納期でお客様の開発スピードアップに貢献します。
- 精密機器分野:光学機器部品・計測器カバー・レンズホルダー・透明窓材など、透明性と精度が求められる部品の製作を承っています。
- 電気・電子機器分野:絶縁部品・透明カバー・LED関連部品・コネクタハウジングなど、小型精密加工が必要な部品に強みを持ちます。
- 医療機器分野:透明カバー・検査装置部品・医療機器ハウジングなど、高い衛生性と透明性が求められる用途にも対応しています。
- 産業機械分野:安全カバー・透明点検窓・保護パネル・機械部品など、耐衝撃性を活かした部品製作を行っています。
主な加工実績分野
- 光学機器:カメラ部品、レンズホルダー、プリズムケース、光学測定器部品
- 電子機器:コネクタ部品、LED関連部品、透明カバー、絶縁部品
- 医療機器:検査装置部品、透明カバー、医療器具ハウジング
- 産業機械:安全カバー、点検窓、保護パネル、機械部品
- 試作開発:新製品試作、機能確認モデル、デザイン検証サンプル
- 自動化装置:ロボット部品、搬送装置部品、センサーカバー
よくある質問(FAQ)
Q1. ポリカーボネート切削加工の最小ロットは何個からですか?
A1. 1個から承っております。試作品や少量生産に特化した体制を整えており、図面1枚からでもお気軽にご相談ください。
Q2. ポリカーボネートの透明材と着色材、どちらも加工できますか?
A2. はい、透明材・着色材ともに加工可能です。透明・黒・白・グレー系・ブラウン系など、様々なグレードのポリカーボネートに対応しております。用途に応じて最適な材料をご提案いたします。
Q3. ポリカーボネートとアクリルの違いは何ですか?
A3. 両者とも透明樹脂ですが、最大の違いは耐衝撃性です。ポリカーボネートはアクリルの約30~40倍の衝撃強度を持ち、割れにくい特性があります。一方アクリルは透明性や表面硬度で優位なため、用途に応じた材料選定が重要です。
Q4. 切削加工後の表面仕上げはどのようになりますか?
A4. 標準は切削仕上げのまま(やや曇った状態)となります。透明性を重視される場合は、追加工程として磨き加工(バフ研磨)にも対応しております。
Q5. 図面はどのような形式で支給すればよいですか?
A5. PDF・DXF・DWG・IGES・STEPなど、一般的な2D・3D CADデータに対応しています。紙図面のFaxや郵送でも承ります。
Q6. 加工精度はどの程度まで対応できますか?
A6. 標準的な加工精度は±0.1mm、高精度加工では±0.05mm~±0.02mmまで対応可能です。形状や寸法によって異なりますので、図面を拝見した上でご提案いたします。
Q7. 納期はどのくらいかかりますか?
A7. 加工内容や数量により異なりますが、標準的な部品で5~7日程度です。お急ぎの場合は短納期対応も可能ですので、ご相談ください。
Q8. ポリカーボネートの薄肉加工は可能ですか?
A8. はい、可能です。本製品事例でも肉厚0.5mmの薄肉部を加工しております。ただし割れや変形のリスクが高まるため、形状・加工方法について事前の検討が必要です。
Q9. 他の樹脂材料との比較検討もできますか?
A9. はい、アクリル・POM・PVC・PEEK・MCナイロンなど、様々な樹脂材料の加工実績がございます。用途や要求特性に応じて最適な材料をご提案いたします。
Q10. 小ロット生産に対応している理由は?
A10. 当社は小ロット・多品種生産に特化した設備・体制を整えており、試作から小ロット生産まで柔軟に対応できることが強みです。きめ細かなサービスと短納期対応で、お客様の開発・生産をサポートいたします。
Q11. 品質管理はどのように行っていますか?
A11. 各種測定器による寸法検査と目視による外観検査を実施し、出荷前に全数検査を行っています。ご要望に応じて検査成績書の発行も可能です。
Q12. 見積もりは無料ですか?
A12. はい、お見積もりは無料です。図面やCADデータをお送りいただければ、迅速にお見積もりを作成いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
ご注文の流れ
- お問い合わせ・図面支給:お問い合わせメールフォームまたはFAX(0553-32-1502)にて、加工内容と図面・CADデータをお送りください。
- 見積書作成・提出:図面を確認し、加工内容・数量・納期に基づいたお見積書を作成いたします。
- 注文書受領:お見積内容にご納得いただけましたら、正式なご発注をいただきます。
- 加工:図面に基づき、高精度な切削加工を実施します。加工中も品質管理を徹底しています。
- 検査・納品:寸法検査・外観検査を実施し、品質基準をクリアした製品を梱包・出荷いたします。
まとめ
ポリカーボネート切削加工は、透明性と耐衝撃性を両立させた高性能部品を製作できる加工技術です。当社では3軸マシニングセンターによる精密切削により、本製品のような複雑形状・微細形状を持つ特注部品を高精度に製作しております。光学機器・電子機器・医療機器・産業機械など幅広い分野での加工実績があります。
1個からの試作品から小ロット生産まで柔軟に対応可能です。図面やCADデータをお送りいただければ、無料でお見積もりいたします。ポリカーボネート切削加工のことなら、ぜひお気軽にご相談ください。
電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで
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