樹脂加工ドットコム|
プラスチック精密切削加工専門メーカーの三森製作所

プライバシーポリシーお見積もり・ご注文お問い合わせ

樹脂加工ドットコム

  • プラスチック精密切削加工 ・プラスチック彫刻加工
  • プラスチック接着加工 ・プラスチック溶接加工 ・プラスチック曲げ加工

お問い合わせはこちら

樹脂加工ドットコム > プラスチック加工品 > 支給プラスチックケースへの追加工|ABS樹脂穴あけ加工

支給プラスチックケースへの追加工|ABS樹脂穴あけ加工

- プラスチック加工品例 -

支給プラスチックケースへの追加工|ABS樹脂穴あけ加工

支給されたABS樹脂ケースへの追加工として、フタ部に丸穴・四角穴の貫通加工を行った事例です。加工工程・トラブル対策・素材比較まで含め、追加工を検討する際の判断ポイントをわかりやすく解説します。

この記事の要点

  1. お客さまから支給されたABS樹脂製プラスチックケースのフタ部分に、3軸マシニングセンターでフラットエンドミルによる四角穴とドリルによる丸穴を貫通加工した事例を紹介します。
  2. ABS樹脂の追加工で重要な切削速度の最適化・クーラント管理・バリ取りなど、加工上の6つのポイントと7工程のステップを具体的に解説します。
  3. ABS樹脂の主要物性値(比重1.16-1.21・荷重たわみ温度88-107℃など11項目)を一覧表で掲載し、フェノール樹脂・アクリル・PVC・アルミニウム・ステンレスとの比較表も収録しています。
  4. 加工時の割れ・変形・バリ発生などよくあるトラブルと当社の対策を表形式で整理し、支給品への追加工に関する12問のFAQを掲載しています。
  5. 追加工の寸法精度(一般公差±0.1mm、精密部±0.05mm)・標準納期(5〜7営業日程度)・対応ロット(試作1個から)など、発注判断に役立つ情報をまとめています。
ABS樹脂製プラスチックケースのフタに丸穴・四角穴を貫通加工した完成品4個を並べ、支給パーツを組み付けた全体写真
ABS樹脂製プラスチックケースのフタ部分に丸穴・四角穴を貫通加工した完成品4個。中央の丸穴2箇所には支給パーツを組み付け、実際の取り付け適合性を確認した状態。
ABS樹脂製プラスチックケースのフタに加工した丸穴と四角穴をクローズアップした写真。穴の形状・仕上がりが確認できる。
ABS樹脂製プラスチックケースへの追加工完成品クローズアップ。フラットエンドミルによる四角穴とドリルによる丸穴の加工面仕上がりを確認できる。

支給プラスチックケース追加工品の代表仕様

表1:支給プラスチックケース追加工品の代表仕様
項目 内容
素材 ABS樹脂(支給品)
加工内容 フタ部への丸穴・四角穴 貫通加工
加工設備 3軸マシニングセンター
使用工具 フラットエンドミルドリル
寸法精度 一般公差 ±0.1mm(精密部 ±0.05mm
仕上げ バリ取り・機能確認検査
対応ロット 試作1個から対応

※ 寸法精度はプラスチック材料の経時変化による変動を考慮した目安値です。詳細はご相談ください。

当社の加工実績:掲載加工事例543件(2026年5月現在)。支給プラスチックケース追加工を含む各種樹脂素材の小ロット加工を多数手がけており、試作1個からご対応しています。

支給プラスチックケースの加工内容と加工方法

本製品は、支給されたABS樹脂製プラスチックケースのフタ部分にマシニングセンターによる精密穴あけ加工を施した追加工事例です。客先図面に基づき、フラットエンドミルによる四角穴とドリルによる丸穴を指定位置に貫通加工しています。

加工工程ステップ

  1. 図面データの解析と加工プログラム作成 – 支給図面をもとにCAM処理を行い、最適な工具径と切削条件を設定
  2. 材料のセットアップと位置決め – ABS樹脂ケースをマシニングセンターのワークテーブルに正確に固定
  3. フラットエンドミルによる四角穴加工 – 指定寸法の四角穴を高精度で切削加工
  4. ドリルによる貫通丸穴あけ – 配線・部品取り付け用の貫通穴を指定位置に正確に開穴
  5. バリ取り作業 – 手作業により切削面のバリを除去し、表面品質を向上
  6. 寸法検査と機能確認 – 完成品が図面仕様を満たしているかの最終確認(支給パーツの取り付け適合性も確認)
  7. 梱包・出荷準備 – 傷防止対策を施し、指定納期に合わせて出荷

加工上の重要ポイント

  • 切削速度の最適化 – ABS樹脂の特性に合わせた低速切削でバリ発生を抑制する
  • 工具選定 – 鋭利なフラットエンドミルドリルを使用し、切削抵抗を最小化する
  • クランプ力の調整 – プラスチックの変形・割れを防ぐ適切な固定力で材料を保持する
  • クーラントの管理加工熱による材料の軟化・変形を防止するために適切な冷却を行う
  • 穴位置精度の確保 – 取り付け部品との嵌合性を保つための高精度位置決めを実施する
  • 仕上げ面粗さの管理 – 後工程での組み付け性を考慮した表面品質を維持する
この部品の加工について相談する

電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで

本製品で使用したABS樹脂について

本製品の素材はABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)で、お客さまより支給されたプラスチックケースです。ABS樹脂は電子機器筐体・家電製品・自動車内装部品など幅広い用途に使われる汎用エンジニアリングプラスチックです。

グレードは汎用・耐衝撃・難燃・めっき・高流動など用途に応じた品種があり、支給ケースがどのグレードであっても追加工に対応しています。

各グレードの詳細な特性・種類については、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン)|素材特性と加工用途もご参照ください。

ABS樹脂の特性と優位性

  • 切削加工性に優れる:フラットエンドミルやドリルによる加工が容易で工具摩耗も少なく、追加工コストを抑えられます。
  • 比重1.16〜1.21と軽量で、アルミニウム(比重2.68)の約半分、ステンレス(比重7.93)の約1/7の重さです。電子機器や輸送機器の軽量化に貢献します。
  • 電気絶縁性が高く、電子機器の筐体・ケース素材として適しています。帯電防止グレードや導電グレードも選択可能です。
  • 耐衝撃性が高い:アイゾット衝撃強度75〜640 J/mと幅広いグレード展開があり、用途に応じた選定が可能です。
  • 塗装・めっき・印刷が可能:表面処理の自由度が高く、外観仕上げや識別マーキングにも対応しやすい素材です。

ABS樹脂の主要物性値

表2:ABS樹脂(一般用グレード)の主要物性値
物性項目 単位 値(一般用ABS) 試験規格
比重 1.16〜1.21 D792
引張強度 MPa 23〜55 D638
破断時伸び % 1.5〜80 D638
引張弾性率 MPa 1900〜2800 D638
曲げ強度 MPa 66〜96 D790
アイゾット衝撃強度 J/m 75〜640 D256
ロックウェル硬度 R100〜120 D785
線膨張率 ×10-5/℃ 6.5〜9.5 D696
荷重たわみ温度 88〜107 D648
成形温度(射出成形) 190〜260
吸水率 重量% 0.2〜0.6 D570

※ 上記数値は一般用グレードの参考値であり、グレード・製造メーカーにより異なります。設計・製造の際は各材料メーカーのデータシートをご確認ください。

ABS樹脂・他樹脂・金属素材との比較

ABS樹脂を、比較表に指定された他の樹脂素材3種および代表的な金属素材2種と比較します。

表3:ABS樹脂・他樹脂・金属素材の比較(◎優秀・○良好・△やや劣る・×不適)
素材 比重 引張強度(MPa) 耐熱温度(℃) 加工性(切削) コスト指数 汎用性 加工事例
ABS樹脂 1.16〜1.21 23〜55 88〜107 ABS樹脂切削加工事例
フェノール樹脂(ベークライト) 1.25〜1.35 40〜80 150〜200 フェノール樹脂切削加工事例
アクリル(PMMA) 1.17〜1.20 50〜77 65〜90 アクリル切削加工事例
塩化ビニール(PVC・硬質) 1.35〜1.45 45〜60 60〜80 塩化ビニール切削加工事例
アルミニウム A5052 2.68 193〜260 約200
ステンレス SUS304 7.93 520〜750 約800

※ 凡例:◎優秀・○良好・△やや劣る。耐熱温度は荷重たわみ温度(樹脂)および使用温度目安(金属)。数値は参考値。

※ 色分け:青系 = 本素材(ABS樹脂) 黄系 = 他の樹脂素材  = 金属素材

ABS樹脂を選ぶべきケース・再検討すべきケース

表4:ABS樹脂の素材選定ガイド
ABS樹脂が向いているケース 他素材も検討すべきケース
電子機器・家電の筐体・ケースへの穴あけ追加工 耐熱性が150℃以上必要な場合(フェノール樹脂・PPS等を検討)
軽量化が求められる部品・ケース 高い機械的強度・剛性が必要な場合(アルミニウム等を検討)
複雑形状の低コスト・小ロット追加工 アセトン・ケトン等の溶剤に長期接触する用途(PVC・PPを検討)
塗装・めっき・印刷などの表面処理を伴う部品 透明性・光学特性が必要な場合(アクリル・PCを検討)
試作1個からの開発・検証用ケース 屋外長期使用・耐候性が前提の場合(ASA・PC等を検討)

※ 素材選定に迷われた場合は、お気軽にご相談ください。用途・環境条件を伺い、最適な素材をご提案します。

ABS樹脂の長所と短所

表5:ABS樹脂の長所と短所
長所 短所
切削加工性が高く工具摩耗が少ない 耐熱性が低い(荷重たわみ温度88〜107℃
比重約1.2と軽量 アセトン・ケトン・エステル系溶剤に侵される
電気絶縁性に優れる 耐候性が低く、長期屋外使用には不向き
耐衝撃性が高い(グレード選択肢が豊富) 吸水率(0.2〜0.6%)があり精密用途では注意が必要
塗装・めっき・印刷が容易 射出成形品は残留応力があり、追加工後に寸法変化が生じることがある

よくあるトラブルと当社の対策

表6:プラスチック追加工のよくあるトラブルと当社の対策
トラブル 主な原因 当社の対策
穴あけ時の割れ 切削速度過大・工具摩耗・固定不良 低速切削の設定・工具定期交換・適切なクランプ
バリの発生 ドリル出口側の切削条件・工具切れ味不足 出口側にサポート板を使用・鋭利な工具で加工・手作業バリ取り
加工熱による変形 クーラント不足・切削速度過大 適切なクーラント管理とガラス転移温度(約100℃)以下を維持する切削条件の設定
穴位置ずれ 材料固定不十分・ワーク座標設定ミス 適切なクランプと加工前の位置確認・座標設定の二重チェック
加工後の寸法変化 成形時の残留応力の解放・材料の経時変化 加工直後と時間経過後の寸法測定を実施し、必要に応じて補正加工

トラブルを未然に防ぐため、加工前に材料特性と図面仕様を詳細に確認し、最適な加工条件を設定しています。ご不安な点はお気軽にご相談ください。

ABS樹脂追加工が活躍する分野

  • 電子機器・通信機器の筐体加工:既製ケースへの配線穴・コネクタ穴・スイッチ穴の追加工。EMC対策や防水対応のための精密穴加工にも対応します。
  • 産業用制御機器・計測器のケース加工:既製品では対応できない特殊な取り付け穴・ケーブル引き出し穴などの追加工ニーズに応えます。
  • 試作・開発分野のプロトタイプ製作試作1個から対応可能です。図面なしでも現物・スケッチから加工に入れるため、開発スピードを落とさず対応できます。
  • 小ロット特注ケース加工:少量多品種の追加工依頼に対応しています。支給品だけでなく、材料からの加工も承ります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 既製品ケースへの追加工の納期はどの程度ですか?

図面確認後、通常5〜7営業日となることが多いです。数量が多い場合や複雑な形状・高精度要求の場合は追加の日数が必要になることがあります。詳細は別途ご相談ください。

Q2. 追加工後の寸法精度はどの程度保証されますか?

一般公差±0.1mmでの加工が標準です。精密を要する部分については±0.05mmまで対応可能です。ただし、プラスチック材料の経時変化による寸法変動は考慮が必要です。

Q3. ABS以外のプラスチック材料への追加工は可能ですか?

はい、対応可能です。ナイロン・アクリル・ポリカーボネート・PVC・POM・PPS・PEEK等の各種エンジニアリングプラスチックへの追加工実績があります。材料特性に応じた加工条件で対応いたします。

Q4. プラスチック追加工時のバリ取りはどのように行いますか?

手作業による丁寧なバリ取りを基本とし、必要に応じて専用工具を使用します。電子機器用途ではバリによる接触不良を防ぐため、念入りな仕上げ処理を実施しています。

Q5. 図面がない場合でも追加工の相談は可能ですか?

はい、可能です。現物サンプル・スケッチ・仕様書をお預かりして図面作成から対応いたします。ご要望を詳しくお聞きして、最適な加工方法をご提案します。

Q6. まとまった数量を注文した場合の品質管理体制はどうなっていますか?

初回品の全数検査後、まとまった数量の加工時は抜き取り検査を実施しています。穴位置・穴径・バリ状態等の品質項目を設定し、検査成績書の発行も可能です。

Q7. 防水性能が必要な場合の追加工は可能ですか?

加工自体は可能です。ただし穴あけ加工後はシール材やOリング等による防水処理が別途必要となりますので、防水仕様を考慮した図面作成をお願いしています。

Q8. 追加工費用の算出基準を教えてください。

加工内容(穴径・穴数・精度)・材料・数量に基づいて算出いたします。まずはお見積もりのご依頼をお送りください。

Q9. プラスチック追加工で失敗しやすいポイントはありますか?

最も多いのは無理な加工による割れです。また、加工熱による変形も生じることがあるため、事前の材料特性確認が不可欠です。当社では事前に加工条件を十分に検討してリスクを最小化しています。

Q10. 試作から本格発注への移行時の注意点はありますか?

試作時の加工条件を詳細に記録し、本格発注時の再現性を確保することが重要です。また、材料ロットの違いによる特性変化もあるため、初回ロットは特に注意深く品質確認を行います。

Q11. ABS樹脂ケースへの追加工後、寸法が変化することはありますか?

ABS樹脂の射出成形品には成形時の残留応力が存在するため、加工により応力が解放され、わずかな寸法変化や反りが生じることがあります。加工直後と時間経過後の寸法測定を行い、必要に応じて補正加工を実施しています。

Q12. 支給品の追加工は全国どこからでも依頼できますか?

はい、全国対応しています。支給品を当社(山梨県甲州市)へ送付いただければ、加工後に指定の納品先へ発送いたします。送付方法や梱包についてはお問い合わせ時にご相談ください。

ご依頼から納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面支給:加工仕様書または図面をご提供ください。図面がない場合は現物・スケッチからの図面作成も承ります。
  2. 技術検討・お見積もり:材料特性と精度要求を確認し、最適な加工方法と工程を決定したうえで見積書を作成・提出します。
  3. 注文書受領・加工開始:注文書受領後、支給材料の検品を経てマシニングセンターによる精密加工を実施します。
  4. 検査・品質確認:寸法検査・外観検査を実施し、図面仕様との適合性を確認します。必要に応じて検査成績書を作成します。
  5. 梱包・納品:傷防止梱包を施し、指定納期に合わせて納品します。配送方法もご要望に応じて対応します。

まとめ

支給されたABS樹脂製プラスチックケースへの追加工は、既製品では実現できない特殊機能を低コスト・短納期で付与できる有効な手段です。ABS樹脂は切削加工性に優れ、電気絶縁性・耐衝撃性を備えた汎用エンジニアリングプラスチックとして、追加工素材としても適しています。

当社では、試作1個から小ロット生産まで、お客さまの図面・現物をもとに柔軟に対応しています。プラスチック追加工でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

お問い合わせメールフォーム

電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで

[ ]