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硬質PVC旋盤加工品|M38雌ネジ付キャップ:φ43×20mm

- プラスチック加工品例 -

硬質PVC旋盤加工品|M38雌ネジ付キャップ:φ43×20mm

この記事の要点

  1. 硬質PVC板材(t20)からφ43×20mm・M38×P1.5雌ネジ付キャップ形状旋盤加工した特注部品の事例です。
  2. FAX支給の図面をもとに、外径切削・長さ加工・R加工・C面取り・中ぐり・雌ネジ加工まで、 一連のPVC旋盤加工工程を高精度に管理しています。
  3. 使用している硬質PVC(ポリ塩化ビニル)は、剛性・寸法安定性に優れ、 耐薬品性・難燃性・電気絶縁性を兼ね備えた、化学・電気分野向けの材料です。
  4. 物性値や他樹脂(PP・ABS)・金属(アルミ・ステンレス)との比較表から、 軽量・耐薬品性・難燃性・コストのバランスに優れた素材であることがわかります。
  5. PVC旋盤加工の他事例PVC素材解説ページをあわせて参照することで、 素材選定・仕様検討・見積依頼まで一連の検討がしやすくなります。 (PVC旋盤加工品一覧PVC素材解説ページPVC樹脂切削加工品の事例 など)
硬質PVC旋盤加工品 φ43×20mm M38×P1.5雌ネジ付キャップの全体写真
外径φ43mm・全長20mmのグレー硬質PVCから削り出したM38×P1.5雌ネジ付キャップの全体写真です。外径切削・R加工・C面取りなど、旋盤加工で均一に仕上げた外観をご確認いただけます。

硬質PVC旋盤加工品 M38×P1.5雌ネジ部の拡大写真
硬質PVC製キャップ内部のM38×P1.5雌ネジを拡大した写真です。中ぐり加工後に精密なネジ切りを行った状態や、PVC特有の滑らかな切削面をご確認いただけます。

グレー硬質PVC板材(t20)からφ43×20mmのキャップ形状を削り出し、内側にM38×P1.5雌ネジを切削したPVC旋盤加工品の事例をご紹介します。
FAXで支給いただいた図面をもとに、外径切削・長さ加工・R加工・C面取り・中ぐり・ネジ切りまで、一連の旋盤加工工程を高精度に管理しながら製作しています。
さらに、使用している硬質PVCの特性や他材料との比較表も掲載し、化学・電気分野などでの素材選定の参考としてご活用いただける内容になっています。


PVC旋盤加工の詳細解説と加工工程

本製品は、PVC樹脂(ポリ塩化ビニル樹脂)のグレー色硬質板材(板厚20mm)を使用し、旋盤加工によってキャップ形状に仕上げた特注部品です。お客様からFAXでご支給いただいた図面をもとに、精密な寸法管理のもと製作しております。

旋盤加工では、回転する工作物に対してバイト(切削工具)を当てることで、円筒形状・円錐形状・ネジ加工などを高精度に実現できます。PVC樹脂は金属に比べて切削抵抗が小さく、バイトの摩耗が少ないため、安定した加工精度を維持しやすい素材です。また、難燃性・耐薬品性・電気絶縁性に優れており、化学工業や電気・電子分野での使用に適しています。

PVC旋盤加工工程ステップ

  1. 加工準備:FAXで届いた図面を解析し、加工手順を構想します。20mm厚のグレー色硬質PVC板材を必要な形状に切断し、旋盤チャックに確実に固定します。
  2. 外径切削:バイトを用いて外形を切削し、φ43mmの外径寸法に仕上げます。切削速度と送り速度を最適化し、寸法精度を確保します。
  3. 長さ加工:端面を切削して、板材厚20mmから全長20mmに調整します。端面の平面度と直角度を確保します。
  4. 端部仕上げ:2箇所の端部をそれぞれR2(半径2mmの丸み)C1(1mmの面取り)に加工します。専用の成形バイトを使用し、滑らかな仕上がりを実現します。
  5. 内径加工:中ぐり加工を行い、内側の雌ネジの下穴を加工します。ネジ径に応じた適切な下穴径を確保します。
  6. 雌ネジ加工:ネジ切りバイトを使用してM38×P1.5(ネジ径38mm、ピッチ1.5mm)の雌ネジを切削します。ネジゲージで精度を確認し、相手部品との嵌合精度を保証します。
  7. バリ取りと糸面取り:エッジ部分の微細なバリを除去し、手触りを滑らかにします。糸面取りにより、安全性と美観を向上させます。
  8. 最終検査:寸法測定(ノギス、マイクロメーター)、ネジピッチ確認(ネジゲージ)、外観検査を実施し、品質基準をクリアしたものを出荷します。

PVC切削加工で注意すべきポイント

  • 切削速度の最適化:PVC樹脂は熱可塑性樹脂のため、切削熱で軟化しやすい特性があります。適切な切削速度(50~100m/min程度)と送り速度を設定することで、寸法精度の悪化や表面粗さの劣化を防ぎます。
  • 工具選定とバイトの刃先角度:PVC加工では、すくい角を大きめ(15~20度程度)に設定した超硬バイトを使用することで、切削抵抗を低減し、きれいな仕上がり面を得られます。刃先は鋭利に保つことが重要です。
  • チャック固定方法の工夫:PVC樹脂は金属より柔らかいため、過度な締付けで変形する恐れがあります。適正な締付けトルクでワークを保持し、必要に応じて当て板や樹脂製保護パッドを使用します。
  • ネジ加工の精度管理:M38×P1.5という比較的大きなネジ径では、ネジゲージによる確認が不可欠です。ネジ切りバイトの刃先精度と送り速度の管理により、精密なネジ山を形成します。
  • R加工とC面取りの品質:キャップ形状では端部の仕上げが外観品質に直結します。適切な工具選定とバイトの刃先R精度が重要で、複数パスで仕上げることで美しい曲面を実現します。
  • 切粉の確実な除去:切粉が加工面に再付着すると傷の原因になるため、エアブローやブラシで確実に除去します。切粉は静電気で付着しやすいため、定期的な清掃が必要です。
  • 寸法安定性の確保:加工中の発熱や応力により、加工後に若干の寸法変化が生じることがあります。適切な冷却時間を設け、最終検査は常温で実施します。

本製品で使用したPVC樹脂について

本製品には、硬質PVC(ポリ塩化ビニル)のグレー色板材を使用しています。硬質PVCは可塑剤をほとんど含まない、または全く含まないタイプで、高い剛性と寸法安定性を持ちます。

PVC樹脂には、硬質・軟質・透明・導電性・耐候性・高衝撃など、用途や求められる性能に応じた様々なグレード(バリエーション)が存在します。可塑剤の添加量、充填材の種類、安定剤の選定などによって、物性や外観が大きく変化するため、使用環境に最適なグレードを選定することが重要です。

PVC樹脂の詳しい特性や種類、グレード別の特徴については、PVC素材解説ページに掲載しています。

PVC樹脂(ポリ塩化ビニル樹脂)の特性と優位性

PVC(Polyvinyl Chloride:ポリ塩化ビニル)は、塩化ビニルモノマーを重合させて作られる熱可塑性樹脂で、世界で最も広く使用されている汎用プラスチックの一つです。優れた耐薬品性と難燃性を持ち、加工性にも優れていることから、産業用部品から日用品まで幅広い分野で採用されています。

PVC樹脂の最大の特徴は、可塑剤の添加量によって硬質から軟質まで物性を自在に調整できる点にあります。本製品で使用している硬質PVCは、可塑剤をほとんど含まないタイプで、高い剛性と寸法安定性を持ちます。

耐酸性・耐アルカリ性に優れているため、化学薬品を扱う環境下でも安心して使用できます。多くの酸やアルカリ、塩類に対して優れた耐性を示し、長期間にわたって性能を維持します。化学工業のプラントや実験装置の部品として、高い信頼性を発揮します。

自己消火性(難燃性)を持つことも重要な特性です。PVC樹脂は塩素を含む構造のため、着火しにくく、火源を離すと自然に消火する性質があります。UL94規格でV-0またはV-2に分類され、安全性が求められる用途において大きなメリットとなります。

電気絶縁性が良好であり、電気・電子部品の絶縁材料としても広く使われています。体積抵抗率が1014~1016Ω·cmと高く、誘電率も適度な範囲にあるため、配線保護や電気機器の筐体などに適しています。

加工性の良さも見逃せません。切削加工、接着、溶着、曲げ加工など、多様な加工方法に対応でき、複雑な形状の部品製作も可能です。旋盤加工においても、金属に比べて切削抵抗が小さく、工具寿命が長いという利点があります。

経済性に優れている点も実用上の大きなメリットです。原料価格が比較的安価で、加工コストも抑えられるため、コストパフォーマンスに優れた材料選定が可能になります。大量生産から小ロット生産まで、幅広い生産形態に対応できます。

PVC樹脂(ポリ塩化ビニル樹脂)の主要特性(物性値)

以下の表は、硬質PVC(ポリ塩化ビニル)の代表的な物性値を示しています。実際の値は、グレードや成形条件によって若干変動する場合があります。

物性項目 数値 単位
比重 1.38 ~ 1.45
引張強さ 40 ~ 60 MPa
引張弾性率 2,400 ~ 3,500 MPa
曲げ強さ 70 ~ 110 MPa
シャルピー衝撃強さ(ノッチ付) 5 ~ 20 kJ/m2
ロックウェル硬さ R110 ~ R120
熱変形温度(0.45MPa荷重) 60 ~ 80
線膨張係数 5.0 ~ 8.0 × 10-5 /℃
熱伝導率 0.14 ~ 0.17 W/(m·K)
体積抵抗率 1014 ~ 1016 Ω·cm
誘電率(1MHz) 3.0 ~ 3.5
吸水率(24時間) 0.04 ~ 0.10 %
燃焼性(UL94規格) V-0 または V-2

硬質PVC・他樹脂素材・金属素材との比較表と優位性分析

以下の比較表は、硬質PVC樹脂と他の代表的な樹脂素材・金属素材との物性値を比較したものです。材料選定の参考にしてください。

物性項目 硬質PVC
(本製品)
PP
(ポリプロピレン)
ABS樹脂 アルミニウム
(A5052)
ステンレス
(SUS304)
比重 1.40 0.90 1.05 2.68 7.93
引張強さ (MPa) 50 32 45 260 520
引張弾性率 (MPa) 3,000 1,300 2,300 70,000 193,000
衝撃強さ (kJ/m2) 10 破断せず 20
熱変形温度 (℃) 70 55 95
耐薬品性
(酸・アルカリ)
優秀 優秀 良好 酸に弱い 優秀
難燃性 自己消火性 燃える 燃える 不燃 不燃
電気絶縁性 優秀 優秀 良好 導体 導体
加工性 良好 良好 良好 優秀 普通
コスト(指数)
汎用性
加工品事例 PVC加工品事例 PP加工品事例 ABS樹脂加工品事例

凡例:グレー背景 = 本製品使用素材(硬質PVC)、薄灰色背景 = 他樹脂素材、薄赤色背景 = 金属素材

比較表から見る硬質PVC樹脂の優位点

  • 樹脂の中では比較的高い剛性:引張弾性率3,000MPaは、PPABSと比較して高く、構造部品としての使用に適しています。変形しにくく、寸法安定性に優れます。
  • 優れた耐薬品性:酸・アルカリに対する耐性が高く、化学薬品を扱う環境でも長期使用が可能です。薬液配管や化学工業用部品に最適です。
  • 自己消火性による安全性:樹脂材料の中で難燃性に優れ、火災リスクを低減できます。PP・ABSは燃焼しますが、PVCは火源を離すと自己消火します。
  • 良好な電気絶縁性:体積抵抗率が高く、電気・電子部品の絶縁材料として信頼性があります。配線保護や電気機器筐体に適しています。
  • 金属代替としての軽量性:アルミニウムの約1/2、ステンレスの約1/6の比重で、軽量化に貢献します。輸送コストや取扱性の向上にもつながります。
  • 優れたコストパフォーマンス:原料価格が安価で、加工コストも抑えられるため、経済的な材料選定が可能です。大量生産から小ロット生産まで対応できます。
  • 錆びない・腐食しない:金属と異なり、水や湿気による腐食の心配がなく、メンテナンスフリーで長期使用できます。海水環境や高湿度環境でも安定して使用可能です。
  • 多様な加工方法に対応:切削加工、接着、溶着など、様々な加工方法が選択でき、本製品のような特注精密加工部品の製作が容易です。

硬質PVC樹脂の長所と短所の分析

PVC樹脂を部品材料として選定する際には、その長所(メリット)と短所(デメリット)を正しく理解することが重要です。以下の表で、具体的な特性を整理しています。

分類 内容
長所
(特徴・特性)
優れた耐薬品性:多くの酸・アルカリ・塩類に対して耐性があり、化学薬品を扱う環境でも劣化しにくい。塩酸、硫酸、水酸化ナトリウムなど、幅広い薬品に対応できます。
自己消火性(難燃性):塩素を含む分子構造により、着火しにくく火源を離すと自然消火します。UL94規格でV-0またはV-2に分類され、防火性が求められる用途に適しています。
良好な電気絶縁性:体積抵抗率が1014~1016Ω·cmと高く、誘電率も適度な範囲にあるため、電気・電子部品の絶縁材料として信頼性があります。
加工性に優れる:切削、接着、溶着、曲げ加工など多様な加工方法に対応。旋盤加工では切削抵抗が小さく、工具寿命も長いため、複雑形状の部品製作が容易です。
耐水性・耐候性:吸水率が低く(0.04~0.10%)、水による寸法変化がほとんどありません。また、適切なグレードを選定すれば屋外使用も可能です。
コストパフォーマンス:原料価格が安価で、加工コストも抑えられるため、大量生産から少量多品種生産まで経済的に対応できます。
寸法安定性:硬質PVCは剛性が高く、常温での寸法変化が小さいため、精密部品にも使用できます。線膨張係数は5~8×10-5/℃程度です。
軽量性:比重1.40程度で、アルミニウム(2.68)の約1/2、ステンレス(7.93)の約1/6。軽量化が必要な用途で金属代替材料として活用できます。
腐食しない:金属と異なり、錆や腐食の心配がなく、メンテナンスフリーで長期使用が可能。海水環境や高湿度環境でも安定して使用できます。
短所
(特徴・特性)
耐熱性が低い:熱変形温度が60~80℃と低く、高温環境での使用には適していません。連続使用温度は一般的に60℃以下が推奨されます。
有機溶剤に弱い:ケトン類(アセトン、MEKなど)、芳香族系溶剤(トルエン、キシレンなど)、塩素系溶剤などに侵される可能性があります。
衝撃強度が中程度:特に低温環境下では脆くなりやすく、衝撃で割れる可能性があります。高衝撃グレードの選定や、設計上の配慮が必要です。
紫外線による劣化:長期間の直射日光暴露により、黄変や表面劣化が生じます。屋外使用では耐候グレードの選定や表面保護が推奨されます。
クリープ現象:長時間の荷重負荷により、徐々に変形(クリープ)が生じる可能性があります。特に高温環境下では顕著になるため、設計時に考慮が必要です。
熱膨張係数が大きい:金属と比較して線膨張係数が大きいため、温度変化が大きい環境では寸法変化への配慮が必要です。

硬質PVC加工でよくあるトラブルと当社の対策

PVC樹脂の切削加工では、素材特性に起因するいくつかのトラブルが発生することがあります。当社では、長年の加工経験に基づき、以下のような対策を実施しています。

トラブル 主な原因 当社の対策
切削面の溶融・変色 切削速度が速すぎる、または送り速度が遅すぎることによる摩擦熱の発生 適切な切削条件(速度50~100m/min、送り0.1~0.3mm/rev)を設定。必要に応じてクーラントや圧縮エアで冷却します。
寸法精度の悪化 加工中の熱膨張、または加工後の応力緩和による寸法変化 切削条件の最適化により発熱を抑制。加工後は常温で放置し、熱が完全に抜けてから最終測定を実施します。
ワークの変形・傷 チャック締付け力が強すぎる、または保護材を使用していない 適正な締付けトルクを設定し、必要に応じて樹脂製保護パッドや当て板を使用。ワーク形状に合わせた専用治具も製作します。
ネジ精度の不良 ネジ切りバイトの摩耗、または送り速度の不適切な設定 定期的な工具点検と交換を実施。ネジゲージによる検査を徹底し、相手部品との嵌合確認を行います。
表面粗さの悪化 バイトの刃先が鈍い、またはすくい角の設定が不適切 鋭利な超硬バイトを使用し、すくい角を15~20度に設定。最終仕上げでは低速・微小送りで滑らかな面を実現します。
切粉の付着・傷 切粉が静電気で加工面に付着し、再切削時に傷を発生 エアブローやブラシで切粉を確実に除去。加工中も定期的に清掃し、仕上げ面への傷を防止します。

PVC樹脂の旋盤加工や、本製品のような特注精密加工部品の製作でお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。当社の豊富な加工経験と技術力で、お客様の課題解決をサポートいたします。

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電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで

当社の硬質PVC加工が活躍する分野

硬質PVCは、その優れた耐薬品性・難燃性・電気絶縁性・コストパフォーマンスを活かして、特に切削加工による特注精密部品の分野で幅広く使用されています。

主な加工実績分野

  • 化学工業用部品:薬液配管継手、薬液タンク蓋、バルブ部品、ケミカルポンプ部品、薬液貯蔵容器など、耐薬品性を活かした部品
  • 半導体・電子産業用部品:薬液配管部品、ダクト接続部品、ケミカルタンク蓋、プロセス装置部品など、高純度薬品対応部品
  • 電気・電子機器部品:絶縁スペーサー、端子台、コネクタハウジング、配線保護カバー、電気機器筐体など、絶縁性を活かした部品
  • めっき・表面処理装置部品:薬液槽部品、配管継手、電解槽蓋、排気ダクト部品など、酸・アルカリ環境対応部品
  • 水処理・環境装置部品:配管継手、フィルターハウジング、バルブ部品、水槽蓋など、耐水性・耐薬品性を活かした部品
  • 食品・医薬製造装置部品:配管部品、容器蓋、ホッパー部品など、食品衛生法適合グレード使用の部品(グレード要確認)
  • 試作・開発分野:新製品開発用試作部品、性能評価用サンプル部品、設備改良用交換部品など、小ロット対応の強みを活かした部品
  • 本製品のような特注精密加工部品:キャップ形状部品、ネジ加工部品、嵌合部品、治具・固定具など、図面支給による1品物の精密加工部品

当社では、お客様の使用環境や求められる性能に応じて、最適なPVCグレードの選定から加工方法の提案まで、トータルでサポートいたします。

よくある質問(FAQ)

Q1. PVC樹脂の旋盤加工は可能ですか?どのような点に注意すればよいですか?

A1. はい、PVC樹脂の旋盤加工は可能です。硬質PVCは切削抵抗が小さく、工具寿命も長いため、円筒形状や円錐形状、ネジ加工などの旋盤加工が可能です。注意点としては、(1)切削熱による軟化を防ぐため、適切な切削速度と送り速度を設定すること、(2)チャック締付け力を適正にし、ワークの変形を防ぐこと、(3)切粉が加工面に再付着しないよう、こまめに除去することが重要です。また、すくい角を大きめに設定することで、より滑らかな仕上がり面が得られます。

Q2. PVC樹脂で雌ネジ加工はできますか?精度は出ますか?

A2. はい、PVC樹脂への雌ネジ加工は十分可能です。本製品のようにM38×P1.5といった大きなネジ径でも、タップまたはネジ切りバイトを使用して精密に加工できます。PVC樹脂は金属に比べて柔らかいため、適切な工具選定と切削条件設定を行えば、JIS規格のネジ公差を満足する精度が得られます。加工後はネジゲージや相手物による確認を行い、相手部品との嵌合精度を保証しています。ただし、過度な締付けトルクを加えると樹脂がクリープ変形する可能性があるため、使用条件には注意が必要です。

Q3. PVC樹脂は屋外で使用できますか?劣化しませんか?

A3. PVC樹脂は基本的な耐候性を持っていますが、長期間の屋外使用では紫外線による劣化が生じる可能性があります。通常の硬質PVCを直射日光下で使用すると、表面が黄変したり、強度が低下したりすることがあります。屋外使用が想定される場合は、耐候グレード(紫外線吸収剤配合品)の選定をお勧めします。また、塗装や表面コーティングによる保護も効果的です。配管用途など、多くの実績がある分野では、適切なグレード選定により10年以上の耐久性が実証されています。

Q4. PVC樹脂の使用温度は何度までですか?高温環境には適していますか?

A4. 硬質PVCの連続使用温度は一般的に60℃以下が推奨されます。熱変形温度は60~80℃程度で、これを超えると変形や強度低下が生じます。したがって、高温環境(80℃以上)での使用には適していません。高温用途には、CPVC(塩素化PVC、約100℃まで使用可能)や他の耐熱樹脂(PEEK、PPS、PAIなど)の選定をご検討ください。一方、低温側では-10℃程度までは使用できますが、それ以下では衝撃強度が低下するため、低温用高衝撃グレードの選定が必要です。

Q5. PVC樹脂は化学薬品に強いと聞きましたが、どんな薬品に使えますか?

A5. PVC樹脂は優れた耐薬品性を持ち、多くの化学薬品に対して耐性があります。具体的には、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ類、食塩水や各種塩類溶液などに対して優れた耐性を示します。また、アルコール類や水、油類にも安定です。ただし、ケトン類(アセトン、MEKなど)、芳香族系溶剤(トルエン、ベンゼンなど)、塩素系溶剤(四塩化炭素など)には侵されます。使用される薬品が決まっている場合は、詳細な耐薬品データをご確認いただくか、当社までお問い合わせください。

Q6. PVC樹脂の加工で、バリや糸面取りはどのように処理しますか?

A6. PVC樹脂の旋盤加工では、切削時に微細なバリが発生することがあります。これらのバリは、製品の仕上げ工程で確実に除去します。具体的には、(1)手作業でのバリ取り工具やヤスリの使用、(2)回転ブラシによる機械的除去、(3)エッジ部分の糸面取り加工などを行います。糸面取りとは、エッジの鋭利な角を0.1~0.3mm程度の面取りやR加工で滑らかにする工程で、安全性の向上と美観の改善に寄与します。本製品でも、最終工程で糸面取りを実施し、手触りが滑らかで安全な製品に仕上げています。

Q7. 図面がなくても相談できますか?サンプルからの複製は可能ですか?

A7. はい、図面がない場合でも対応可能です。形状にもよりますが、現物サンプルをお送りいただければ、当社で測定して図面を起こし、製作を行った実績があります。また、手書きのスケッチや寸法メモでも、必要な情報が記載されていれば検討可能です。ご相談の段階では、大まかな形状や寸法、使用目的などをお伝えいただければ、最適な素材や加工方法をご提案いたします。お客様のニーズに合わせて、柔軟に対応させていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

Q8. PVC樹脂と他の樹脂(例えばABSやPP)との使い分けは?

A8. 素材選定は使用環境や求められる性能によって決まります。PVC樹脂は耐薬品性・難燃性・電気絶縁性・コスト性に優れており、化学薬品を扱う環境や難燃性が必要な用途に最適です。ABSは衝撃強度と表面仕上げの美しさが特徴で、筐体や外装部品に向いています。PPは軽量性と耐薬品性に優れ、食品容器や医療器具に適しています。温度範囲では、PP(100~140℃) > ABS(70~100℃) > PVC(60℃以下)の順に耐熱性が高くなります。当社では、お客様の使用条件をヒアリングした上で、最適な素材をご提案いたします。

Q9. 小ロット(1個から数個)でも対応してもらえますか?

A9. はい、小ロット・試作品・1個からでも対応可能です。当社は受注生産形態を得意としており、お客様のご要望に応じた数量で製作いたします。大量生産前の試作品製作や、設備保守用の交換部品1個だけの製作など、様々なご要望に対応してきた実績があります。小ロットだからといって品質を落とすことはなく、1個でも図面通りの精密加工と検査を実施いたします。納期やコストについても、できる限りご要望に沿えるよう調整いたしますので、お気軽にご相談ください。

Q10. 納期はどのくらいかかりますか?急ぎの対応は可能ですか?

A10. 納期は加工内容や数量により異なりますが、標準的な部品で5~7日程度です。素材在庫状況や加工の複雑さによっては、さらに短納期での対応も可能な場合があります。お急ぎの場合は、お見積り依頼時に希望納期を明記いただければ、可能な限り調整いたします。逆に、特殊素材の手配が必要な場合や、複雑な形状の加工では、2週間程度いただくこともございます。まずは具体的なご希望納期をお聞かせください。

Q11. PVC樹脂の接着や溶接は可能ですか?どのような方法がありますか?

A11. はい、PVC樹脂は接着加工溶接加工が容易な素材です。主な接合方法として、(1)溶剤接着:専用の塩ビ用接着剤(溶剤型)を使用し、表面を溶かして接合、(2)接着剤接着:エポキシ系やウレタン系接着剤を使用、(3)熱風溶接:熱風で樹脂を溶かして接合、(4)機械的接合:ボルト・ナット、リベット、嵌合などの方法があります。用途や要求強度によって最適な方法を選定することができます。配管用途では溶剤接着が一般的で、強固な接合が得られます。複雑形状の接合が必要な場合でも、図面支給の上ご相談ください。

Q12. 導電性のPVC樹脂もありますか?静電気対策が必要な用途に使えますか?

A12. はい、導電性PVCグレードがあります。カーボンブラックや導電性フィラーを配合することで、表面抵抗率を106~109Ω程度に調整した導電性PVCは、静電気を逃がす機能を持ちます。これにより、電子部品の保管・搬送用トレイ、半導体製造装置の部品、クリーンルーム内の治具など、静電気によるトラブルを防ぎたい用途に適しています。導電性グレードは通常黒色で、一般的な硬質PVCと同様に旋盤加工が可能です。ご希望の表面抵抗値や用途に応じて、最適なグレードをご提案いたします。

ご注文から納品までの流れ

当社でのPVC樹脂加工品の受注から納品までのプロセスは、以下の通りです。お客様に安心してご発注いただけるよう、各段階で丁寧に対応いたします。

  1. お問い合わせ・図面支給:まずはお問い合わせメールフォームまたはFAX(0553-32-1502)から、図面(PDF・DXF・IGS・STEP・紙図面の写真など)と必要数量、希望納期などをお送りください。図面がない場合は、現物サンプルや手書きスケッチでも結構です。
  2. 内容確認・ヒアリング:お送りいただいた図面や情報を確認し、不明点や追加確認事項がある場合は、お電話またはメールでご連絡いたします。使用環境や求められる性能などをヒアリングし、最適な素材・加工方法をご提案します。
  3. お見積書の作成・提出:図面内容と数量、納期をもとに、詳細な見積書を作成いたします。見積書は、通常1~3営業日程度で提出いたします。加工内容や使用素材、数量、納期などを明記し、お客様にご確認いただきます。
  4. ご検討・お見積り内容の調整:お見積り内容をご検討いただき、ご不明点やご要望があれば遠慮なくお申し付けください。納期やコスト面での調整が必要な場合は、代替案をご提案いたします。
  5. ご注文・注文書受領:お見積り内容にご納得いただけましたら、正式なご注文をお願いいたします。注文書(書面・PDF・FAXなど)を受領し、製作準備に入ります。
  6. 素材手配・加工準備:ご注文確定後、必要な素材を手配し、加工プログラムの作成や工具の準備を行います。素材が在庫にある場合は即座に加工開始できますが、特殊素材の場合は素材入荷を待つこともあります。
  7. 加工・製作:旋盤やマシニングセンターなどの工作機械を用いて、図面仕様通りに精密加工を行います。熟練技術者が切削条件を最適化し、高品質な製品を製作いたします。
  8. 検査・品質確認:加工完了後、寸法測定器(ノギス、マイクロメーター、ネジゲージなど)を使用して、図面仕様を満たしているか厳密に検査します。外観検査も実施し、傷やバリがないことを確認します。
  9. 梱包・出荷準備:検査合格品を丁寧に梱包し、輸送中の破損を防ぎます。必要に応じて、検査成績書や材料証明書を添付いたします。
  10. 納品:指定された納品先へ、宅配便や運送便で発送いたします。製品到着後、万が一不具合や疑問点がございましたら、速やかに対応いたしますので、お気軽にご連絡ください。

まとめ

PVC樹脂(ポリ塩化ビニル樹脂)は、優れた耐薬品性・難燃性・電気絶縁性を持ち、加工性とコストパフォーマンスに優れた汎用エンジニアリングプラスチックです。硬質PVCの板材は旋盤加工に適しており、本製品のようなキャップ形状・ネジ加工・R加工・面取り加工など、複雑な形状の特注部品製作が可能です。

当社では、お客様からご支給いただいた図面をもとに、1個からの小ロット生産にも柔軟に対応しております。旋盤加工における切削条件の最適化、ネジ精度の管理、糸面取りによる仕上げ品質の向上など、熟練技術者による高品質な加工をお約束いたします。

PVC樹脂は化学工業、電気・電子、半導体、めっき、水処理、食品・医薬製造など幅広い産業分野で使用されており、用途に応じた多様なグレード(硬質、軟質、導電性、耐候性、高衝撃など)が選定可能です。使用環境や求められる性能に応じて、最適な素材グレードと加工方法をご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

樹脂加工に関するご質問、お見積り依頼、技術相談など、どのようなことでも結構です。図面がない段階でのご相談や、「こんな部品は作れますか?」といった漠然としたお問い合わせも大歓迎です。当社の豊富な加工実績と技術力で、お客様の課題解決をサポートいたします。

PVC樹脂加工に関するご相談・お見積り依頼は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

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