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ウルテム切削加工品|高耐熱PEI精密加工

- プラスチック加工品例 -

ウルテム切削加工品|高耐熱PEI精密加工

ウルテム1000(PEI)を用いた薄肉丸板の精密切削加工事例です。φ32×t1.5φ55×t1.0の加工内容をもとに、高耐熱・難燃性を活かした部品製作のポイントを分かりやすく紹介します。

この記事の要点

  1. ウルテム1000(PEI)板材から、φ32×t1.5φ55×t1.0の薄肉丸板を各2枚・計4点精密切削した加工事例です。
  2. 3軸マシニングセンターでフルバックカッター平面加工・フラットエンドミル外径加工・C面取りを一貫対応し、薄肉でも反り・変形を抑えた高精度仕上げを実現しています。
  3. 使用素材のウルテム(PEI)は、連続使用温度170℃・UL94 V-0難燃性・高寸法安定性・優れた電気絶縁性を持つスーパーエンジニアリングプラスチックで、金属代替にも対応します。
  4. 本ページでは加工工程・注意点(熱変形・バリ・クラック対策)に加え、他樹脂・金属との比較表、長所・短所、用途例・FAQをまとめています。
  5. 関連リンク:ウルテム切削加工事例一覧PEI切削加工事例一覧PEI素材解説ページ
ウルテム1000(PEI)薄肉丸板φ32×1.5mmとφ55×1mmを4枚並べたウルテム切削加工品の完成写真
ウルテム1000(PEI)薄肉丸板切削加工品φ32×t1.5φ55×t1.0の薄肉丸板をそれぞれ2枚ずつ、3軸マシニングセンターで精密切削した完成品4点を並べて撮影した写真です。

ウルテム1000(PEI)薄肉丸板φ32・φ55を重ね、琥珀色半透明の質感と切削面の仕上がりを強調したクローズアップ写真
ウルテム切削加工品のクローズアップ:琥珀色半透明のウルテム1000(PEI)を精密切削した薄肉丸板4枚を重ね、滑らかな切削面と薄肉でも反りを抑えた仕上がりが分かるように撮影した写真です。

ウルテム切削加工品の代表仕様
項目 内容
素材 ウルテム1000(ポリエーテルイミド/PEI)板材
外形寸法(公差含む) φ32×t1.5φ55×t1.0、厚さ方向 ±0.02mmクラス(本事例の実績)
加工内容 平面加工外径加工C面取り
加工設備 3軸マシニングセンター
仕上げ C面取りバリ取り糸面取り
図面支給 PDFDWGDXFSTEP等に対応
ロット 試作1個から小ロット生産まで対応

ウルテム切削加工品の他事例もご覧になりたい方は、ウルテム切削加工事例一覧ページをご参照ください。

ウルテム樹脂(PEI)の物性値やグレード別特性を詳しく知りたい方は、ポリエーテルイミド(PEI・ウルテム・ULTEM・ジュラトロンPEI)の素材解説ページもあわせてご覧ください。


ウルテム切削加工のポイントと工程

ウルテム1000(PEI)板材3軸マシニングセンターで精密切削。フルバックカッターで板厚を整え、フラットエンドミルで外径加工後、C面取り+バリ取りでエッジ品質を高めています。

ウルテム切削加工の加工工程ステップ

  1. 図面確認・CAM作成:寸法・公差を確認し、2サイズ共用のNCプログラムを作成。
  2. 素材準備・治具段取り:板材を所定サイズに切断し、真空吸着・広面積治具で薄肉のたわみを抑えて固定。
  3. 平面加工(板厚出し):フルバックカッターで均一にフライス加工し、目標板厚(1.5mm/1.0mm)に仕上げ。
  4. 外径荒加工→仕上げ:フラットエンドミルで荒取り後、仕上げ切削でφ32/φ55を高精度に加工。
  5. C面取り・糸面取り:C面取りカッターで加工後、手仕上げで糸面取りとバリ除去を実施。
  6. 最終検査:マイクロメーター・ノギスで厚み・外径を測定し、外観確認の上で出荷。

ウルテム切削加工で押さえておきたい注意点

  • 熱変形を抑える切削条件:低回転・高送り+十分なクーラントで発熱を抑制。一度に削りすぎず複数回で仕上げます。
  • 薄肉固定用の専用治具:板厚1mmクラスでは面で支える治具や真空吸着を使用し、びびり・反りを防ぎます。
  • 工具摩耗とバリ対策:切れ味の良い超硬工具を使用し、仕上げ工程では新品に近い工具を用います。
  • 内部応力のコントロール:粗取り→中仕上げ→仕上げと段階を分け、残留応力を抑制します。
  • クラックを防ぐ形状配慮:急激な断面変化や鋭角コーナーは応力集中の原因となるため、R付与などの形状提案を行うことがあります。

ウルテム樹脂(ULTEM、PEI)の特性とメリット

ウルテム(ULTEM)は、SABIC社のポリエーテルイミド(PEI)系スーパーエンジニアリングプラスチックです。耐熱性・難燃性・寸法安定性・電気特性のバランスに優れ、精密部品・金属代替材料として幅広く採用されています。

  • 高耐熱性:連続使用温度170℃、荷重たわみ温度200℃、ガラス転移温度約217℃
  • 優れた難燃性:UL94 V-0自己消火性で煙・有毒ガスが少なく、航空機・鉄道車両など火災安全性重視の用途に適します。
  • 機械強度と軽量性:引張強さ約105MPa・比重1.27と軽量で、金属代替による軽量化に有効です。
  • 寸法安定性:線膨張係数5.6×10-5/℃と小さく、温湿度変化による寸法変化が少ない精密部品向き素材です。
  • 電気絶縁性・滅菌耐性:体積抵抗率1×1017Ω・cmの高絶縁性を持ち、蒸気滅菌(オートクレーブ)対応グレードもあります。

無充填の1000シリーズをはじめ、ガラス繊維強化・炭素繊維強化・医療用・透明グレードなど各種ラインナップに対応可能です。

ウルテム樹脂(PEI)の主要物性値データ

ウルテム1000(PEI)主要物性値(代表値)
物性項目 代表値 単位
比重 1.27 g/cm3
連続使用温度 170
熱変形温度(HDT)(1.82MPa) 200
引張強さ 105 MPa
曲げ弾性率 3.3 GPa
アイゾッド衝撃強さ(ノッチ付) 6 kJ/m2
吸水率(24h) 0.25 %
体積固有抵抗 1×1017 Ω・cm
難燃性 UL94 V-0

※代表値であり、メーカー・グレード・測定条件により変動します。設計時は最新カタログ値をご確認ください。

ウルテム・他樹脂素材・金属素材との比較表とポイント

素材別特性比較:ウルテム(PEI)vs 樹脂・金属
素材 連続使用
温度(℃)
引張強さ
(MPa)
比重
(g/cm3)
難燃性
(UL94)
絶縁性 相対
コスト
汎用性 加工事例
ウルテム(PEI) 170 105 1.27 V-0 優秀 ウルテム加工事例
PPS 220 65 1.35 V-0 良好 中~高 PPS加工事例
PEEK 250 100 1.30 V-0 優秀 非常に高 PEEK加工事例
PBT 120 55 1.31 HB 良好 PBT加工事例
POM 80 70 1.42 HB 良好 POM加工事例
ナイロン6(PA6) 80 80 1.14 HB 普通 ナイロン6加工事例
アルミニウム合金 150* 300 2.70 なし 導電性
ステンレス鋼 800* 520 8.00 なし 導電性

※金属の使用温度は酸化等の環境的制約を考慮した実用的な値
※汎用性: ◎=非常に高い、○=高い、△=限定的

この比較表から見えるウルテム(PEI)の位置づけ

  • 耐熱・難燃・絶縁をバランスよく両立した「中~高価格帯の中核素材」。PPSやPBTより高性能、PEEKより低コストです。
  • 比重1.27と軽量で、金属代替による軽量化と絶縁付与を同時に実現できます。
  • 汎用エンプラでは性能不足、PEEKではコスト過多となる領域で、ウルテムが最適解になるケースが多くあります。

ウルテム樹脂(PEI)の長所・短所分析

ウルテム(PEI)の長所・短所一覧
項目 長所(優位特性) 短所(制約事項)
耐熱性 連続170℃・短時間200℃以上で、高温環境の長期安定性に優れます。 PEEK(250℃)・PPS(220℃)より低く、250℃超の極高温環境では不向きです。
機械強度 引張強度約105MPaと高く、軽量金属代替の有力候補です。 金属ほどの靭性・衝撃強度はなく、打撃用途には配慮が必要です。
寸法安定性 線膨張係数が小さく、温湿度変化による寸法変化が少ない精密部品向きです。 高荷重下でのクリープはゼロではなく、設計マージンと定期点検が必要です。
難燃性 UL94 V-0自己消火性で煙・有毒ガスが少なく、輸送機器向けに適します。 完全不燃ではなく、直火・極端な高温環境には制約があります。
電気特性 体積抵抗率1×1017Ω・cmの高絶縁性で、高周波特性も良好です。 導電性が必要な用途は導電性フィラー入りグレードが別途必要です。
化学的性質 加水分解に強く蒸気滅菌に対応。多くの薬品に耐性を持ちます。 強アルカリ・一部の極性溶剤には弱く、接液条件の事前確認が必要です。
加工性 金属加工用設備・工具で切削でき、複雑形状にも対応しやすい素材です。 熱に敏感で、条件が不適切だと反り・クラック・バリが出やすくノウハウが必要です。
コスト PEEKより安価で、性能とコストのバランスに優れます。 汎用樹脂(PA6・POM等)より高価で、大量生産品ではコスト要因となります。
環境適性 RoHS対応グレードもあり、燃焼時の環境負荷が比較的少ない素材です。 生分解性はなく、廃棄には適切な処理が必要です。

ウルテム樹脂加工でよくあるトラブルと当社の対策

ウルテム切削加工のトラブル事例と当社の対策
トラブル 主な原因 当社の対策
寸法不良・変形 切削熱による膨張・収縮、固定不良、残留応力 低回転・適正送りで発熱を抑え、粗取り→仕上げの段階加工と専用治具で変形を防ぎます。
バリ・カエリ発生 工具摩耗、不適切な切削条件 切れ味の良い超硬工具で条件を最適化し、仕上げ工程に専用バリ取りを設けています。
クラック・割れ 急激な切削、R不足による応力集中 多段加工で切削抵抗を分散し、R付与などの形状提案でクラックを抑制します。
表面粗さ不良 工具摩耗、びびり 仕上げは新品に近い工具を使用し、回転数・送り・治具剛性を最適化します。
工具摩耗・折損 過大な切込み、冷却不足 ウルテム専用の条件データで適正切込みとクーラント供給を管理し、工具寿命を安定させます。
薄肉部の反り 切削抵抗による変位、固定不足 真空吸着・広面積治具を組み合わせ、仕上げ代を最小にした加工順序で反りを抑えます。

(ウルテム以外の高耐熱素材に関する加工トラブル・対策事例は、PEEK切削加工品の事例一覧PPS切削加工品の事例一覧も参考になります)

ウルテム樹脂の切削加工でお困りの際は、当社の加工ノウハウがお役に立ちます。試作1個から小ロット生産・量産検討前の評価用部品まで、用途に応じた加工方法をご提案します。

当社のウルテム樹脂加工が活躍する分野

  • 航空宇宙:電装カバー・センサーハウジングなど軽量難燃部品
  • 医療・ヘルスケア:滅菌対応トレイ・医療機器ハウジング・治具
  • 電気・電子:絶縁スペーサー・高温対応コネクタ・テストジグ
  • 自動車・輸送機器:エンジンルーム周辺・電装部品ケース・照明部品
  • 産業機械・半導体装置:チャンバー部品・測定・分析機器用部品
  • 光学・精密機器:透明グレードによるカバー・マウント・光学治具
  • 試作・開発:耐熱試験サンプル・デザイン検証用モックアップ

よくあるご質問(FAQ)

Q1. ウルテムはどの程度の耐熱性がありますか?

A1. ウルテム1000の連続使用温度は約170℃で、短時間は200℃程度まで対応可能です。荷重たわみ温度(1.8MPa)は約200℃、ガラス転移温度は約217℃で、高温環境でも寸法変化が小さい素材です。

Q2. 難燃性能や火災安全性はどうですか?

A2. UL94 V-0の自己消火性を持ち、煙・有毒ガスの発生が少ないのが特徴です。航空機内装材・電子機器筐体など、火災安全性が重視される用途に多く採用されています。

Q3. 切削加工時に特に注意すべき点は?

A3. 熱による変形を抑えることが最大のポイントです。低回転・高送り+適切なクーラントで発熱を抑え、薄肉品では専用治具での確実な固定が必須です。段階的に加工することで寸法安定性を確保します。

Q4. 他のエンジニアリングプラスチックとの違いは?

A4. PPS・PBTより機械強度と寸法安定性が高く、PEEKよりコストパフォーマンスに優れた素材です。ウルテム1000は琥珀色半透明で、薄肉品では光を透過する独特の外観も特徴です。

Q5. 医療用途で使用できますか?滅菌は可能ですか?

A5. 蒸気滅菌(オートクレーブ)対応グレードがあり、医療機器部品として広く使われています。ULTEM 5000シリーズなどの医療用グレードは生体適合性規格(ISO10993・USPクラスVI)にも対応しています。

Q6. 透明なグレードはありますか?光学用途に使えますか?

A6. ULTEM CRS/XHなどの透明グレードは高い光透過率を持ち、光学部品や照明カバーに使用できます。標準のウルテム1000も琥珀色半透明で、薄肉丸板では光を通す美しい仕上がりが得られます。

Q7. 金属代替材料として使用できますか?

A7. 比重1.27の軽量性・引張強さ約105MPa・高い絶縁性・耐食性を持ち、軽量化や絶縁が求められる金属部品の代替に向いています。航空機・自動車・電子機器での置き換え実績があります。

Q8. 小ロット・単品での加工も対応可能ですか?

A8. 試作1個から小ロット生産まで柔軟に対応しています。図面支給(PDF・DWG・DXF・STEP等)やサンプル現物ベースでもご相談いただけますので、評価用・試作段階からお気軽にお問い合わせください。

Q9. 加工精度はどの程度まで対応できますか?

A9. 標準的な目安は±0.05mm程度で、形状・サイズによってはより厳しい公差にも対応しています。本事例のような薄肉品では厚さ方向±0.02mmクラスの実績もあります。

Q10. 見積もりに必要な情報は何ですか?

A10. 図面データ(PDF・DWG・DXF・STEP等)数量希望納期材質・グレード指定(例:ウルテム1000)をお知らせいただければお見積もり可能です。特別な検査・表面処理がある場合はその条件も併せてご連絡ください。

Q11. 納期はどのくらいですか?

A11. 形状・数量・材料在庫によって変動しますが、標準的な部品で5~7営業日程度が目安です。お急ぎの案件はご相談ください。

Q12. ウルテム以外の樹脂加工もお願いできますか?

A12. PEEK加工PPS加工PTFE加工POM加工PC加工アクリル加工MCナイロン加工など各種エンプラ・スーパーエンプラに対応しています。用途・使用環境をお知らせいただければ材質選定からご提案可能です。

お問い合わせから納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面ご支給お問い合わせメールフォームまたはお電話(0553-33-6927)・Fax(0553-32-1502)にて、図面データ(PDF・DWG・DXF・STEP等)と数量・希望納期をお知らせください。
  2. 図面検討・技術確認:加工可否・難易度を確認し、必要に応じて材質グレードや形状の確認事項をご連絡します。
  3. お見積書の作成・ご提示:加工内容・材料・数量・納期を反映したお見積書をメールまたはFaxでご提示します。
  4. ご発注・正式受注:ご承認後、ご注文書(メール・Fax可)を受領して正式受注となります。
  5. 材料手配・段取り:指定グレードのウルテム材料を手配し、CAMデータ作成・治具準備を行います。
  6. 精密切削加工:3軸マシニングセンターで平面加工・外径加工・C面取り加工などを実施し、工程内検査も行います。
  7. バリ取り・仕上げ:手作業でバリ取り・糸面取りを行い、エッジの安全性と外観品質を高めます。
  8. 最終検査・梱包:寸法検査・外観検査を行い、ご要望に応じて検査成績書を添付して出荷準備します。
  9. 納品・アフターフォロー:ご指定の方法で納品します。追加加工・類似部品・仕様変更などアフターフォローにも対応します。

まとめ

ウルテム(ULTEM、ポリエーテルイミド/PEI)は、耐熱性・難燃性・寸法安定性・電気絶縁性に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックで、金属代替や高温環境の精密部品に最適な素材です。薄肉丸板(φ32×t1.5/φ55×t1.0)でも、適切な治具・切削条件・工程設計により反りを抑えた高精度加工が可能です。

当社では試作1個から小ロット生産まで、用途に合わせた最適な加工方法をご提案します。ウルテムでの部品化をご検討の方、他素材からの置き換えやコスト・性能バランスでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで


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