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塩化ビニール切削加工品|PVC加工事例

- プラスチック加工品例 -

塩化ビニール切削加工品|PVC加工事例

塩化ビニール(PVC)丸棒から製作したホースニップル形状の切削加工品事例です。NC旋盤と3軸マシニングセンターを組み合わせ、テーパーネジ・六角部・貫通穴を一体加工した内容を紹介しています。

この記事の要点

  1. グレー色の硬質塩化ビニール(PVC)丸棒から製作した、ホースニップル形状の特注切削加工品を紹介する事例ページです。
  2. NC旋盤+3軸マシニングセンターを用い、R1オスねじ・Rc1/8メスねじ・六角対辺35mm・φ8.2貫通穴を備えた形状を一体加工しています。
  3. PVCの耐薬品性・電気絶縁性・自己消火性・コストメリットと、切削時に重要となる熱管理や寸法安定性のポイントまで整理しています。
  4. 本事例では、配管継手・流体部品・電装分野の絶縁部品などを想定しながら、PVCの加工方法、物性値、他素材との比較まで分かりやすく確認できます。
  5. 関連情報として、塩化ビニール切削加工事例一覧ダイス加工事例一覧タップ加工事例一覧PVC素材情報をご覧いただけます。
塩化ビニール切削加工品|グレー硬質PVC丸棒からNC旋盤とマシニングで製作したホースニップル(R1・Rc1/8、六角対辺35mm、全長64mm、φ8.2貫通穴)のPVC加工事例
塩化ビニール切削加工品の一例(PVCホースニップル加工事例)。グレー硬質PVC丸棒から、R1(PT1)・Rc1/8テーパーネジ、六角対辺35mm、全長64mm、φ8.2貫通穴を一体で加工しています。
塩化ビニール切削加工品を上方から撮影したPVCホースニップルの写真(タケノコ形状とR1・Rc1/8テーパーネジ、六角対辺35mm部が分かるPVC加工事例)
塩化ビニール切削加工品を上方から撮影した全体写真です。タケノコ形状R1・Rc1/8テーパーネジ六角対辺35mm部の形状を確認できます。
塩化ビニール切削加工品の代表仕様
項目 内容
素材 硬質塩化ビニール(グレーPVC丸棒)
外形寸法 六角対辺35mm × 全長64mmφ8.2貫通穴
加工内容 R1(PT1)オスねじRc1/8メスねじ、ホースニップル形状、六角加工、貫通穴加工
加工設備 NC旋盤3軸マシニングセンター
仕上げ バリ取り糸面取り、寸法検査後に出荷
図面支給 DWG形式の2次元CADデータ支給
ロット 1個からの試作対応、小ロット・中ロットにも対応

※ 寸法・仕様は本文記載内容に基づく代表例です。個別案件では形状・数量・使用条件に応じて仕様が変わります。

▶ 他の事例は塩化ビニール加工品一覧ページ、素材詳細はPVC素材解説ページをご覧ください。


塩化ビニール切削加工品としての加工内容と加工方法

お客様より支給いただいたDWG形式の2次元CADデータをもとに、外径・段付き・ねじ・六角の各要素を整理し、NC旋盤+マシニングセンターで一体加工しています。PVCは切削熱がこもると変形・溶着を起こしやすいため、切削条件の選定とエアブロー・潤滑剤による熱管理が品質の鍵です。

工程設計の要点(加工事例):PVCホースニップル部品

  1. 図面・CADデータの確認と加工順序設計: ねじ仕様(R1・Rc1/8)・公差を確認し、NC旋盤とマシニングの工程分担を含む加工順序を設計します。
  2. CAMプログラム作成: 外径・段付き・ねじ・六角の各加工プログラムを作成。PVCの熱蓄積を考慮した切削条件を事前に設定します。
  3. NC旋盤での外径・ねじ・穴加工: タケノコ形状を外径切削後、ダイスでR1テーパーオスねじタップでRc1/8メスねじを加工し、中心にφ8.2の貫通穴をあけます。
  4. マシニングセンターでの六角加工: 段取り替えで3軸マシニングセンターに移し、フラットエンドミルで対辺35mmの六角形状を削り出します。
  5. バリ取り・糸面取り・寸法検査: 手仕上げでバリを丁寧に除去し、ねじゲージ・ノギス・マイクロメータによる寸法検査をクリアしたものを出荷します。

PVC切削加工で注意すべきポイント

  • 切削速度の管理: 熱がこもりやすいため100~300m/min程度を目安に設定し、切り込み量を小さく分割します。
  • 工具選定: 超硬バイト・ハイス工具を使用し、すくい角を大きめ(10°以上)に設定して切削抵抗と発熱を低減します。
  • チャッキング方法: 過度な締め付けは変形の原因となるため、適切なチャック圧と当たり面の選定を徹底します。
  • 冷却・潤滑と切粉処理: ねじ加工では潤滑剤が有効です。切粉はエアブローでこまめに排出し、再溶着を防ぎます。
  • 仕上げ送り: 仕上げ工程は送りを細かく設定し、特にねじ面は仕上げカットを追加すると品質が安定します。
  • 寸法測定のタイミング: PVCは線膨張係数が金属より大きいため、室温まで戻してから精寸法を測定するのが原則です。

本PVC加工事例で使用している塩化ビニール(PVC)素材について

本事例ではグレー色の硬質塩化ビニール(PVC)丸棒材を使用しています。PVCは配管・電線被覆・建材・機械部品など幅広い分野で使われる汎用プラスチックで、以下のバリエーションがあります。

  • 硬質PVC(H-PVC): 配管・バルブ・継手・機械部品など。切削加工性に優れ、本事例で使用しているグレードです。
  • 軟質PVC: 可塑剤を添加した柔軟タイプ。ホース・ケーブル被覆・フィルムなどに使用。
  • 透明PVC: 内容物の確認が必要な筐体・カバー・窓材など。
  • 耐熱PVC・帯電防止PVC: 特殊環境や静電対策が必要な用途向けの特殊グレード。

物性値・グレード構成・選定上の注意点はPVC素材解説ページ(樹脂加工ドットコム)をご参照ください。

塩化ビニール(PVC)の特性と優位性

  • 優れた耐薬品性: 酸・アルカリ・塩類・各種水溶液に対して良好な耐性を持ち、薬液配管・化学装置部品に広く採用されています。
  • 高い電気絶縁性: 体積固有抵抗1013Ω・cm以上と優れた絶縁性を備え、電装・制御分野の絶縁部品に適しています。
  • 自己消火性(難燃性): 塩素を含む分子構造のため難燃性が高く、自己消火します(UL94 V-0相当グレードあり)。
  • コストパフォーマンス: 汎用プラスチックの中でも安価で入手性が高く、試作・小ロット・量産のいずれにもコストメリットがあります。
  • 加工性の良さ: 切削・接着・溶接に対応でき、吸水率が低いため寸法安定性にも優れます。

硬質塩化ビニール(PVC)の主要特性(物性値)

硬質塩化ビニール(PVC)の代表的な物性値
項目 単位
比重 1.35~1.45
引張強さ 41~55 MPa
曲げ強さ 69~110 MPa
曲げ弾性率 2,400~4,200 MPa
アイゾット衝撃強さ(ノッチ付) 2~8 kJ/m2
連続使用温度 66~79
吸水率(24時間) 0.04~0.40 %
体積固有抵抗 1013以上 Ω・cm
線膨張係数 5~10×10-5 /℃
ショアD硬度 70~90

※ 数値は代表値です。グレードやメーカーにより異なります。設計時は各材料メーカーのデータシートをご確認ください。

PVC樹脂・他樹脂素材・金属素材との比較表と優位性分析

PVC・他の樹脂素材・金属素材との比較表(切削加工向け)
素材 比重 引張強さ
(MPa)
連続使用
温度 (℃)
耐薬品性 電気
絶縁性
コスト
(指数)
汎用性 加工性 加工事例
PVC(硬質)
本事例素材
1.35~1.45 41~55 66~79 1.0 PVC切削加工事例
ABS樹脂 1.02~1.08 28~55 70~100 1.0~1.3 ABS樹脂切削加工事例
ポリプロピレン(PP) 0.90~0.91 30~40 100~140 0.8~1.0 PP切削加工事例
6ナイロン(PA6) 1.13~1.15 60~80 80~100 1.3~1.8 6ナイロン切削加工事例
高密度ポリエチレン(HDPE) 0.94~0.97 23~38 80~100 0.7~1.0 HDPE切削加工事例
A5052(アルミ) 2.68 170~270 ~150 × 3.0~4.0
SUS304(ステンレス) 7.93 520以上 ~900 × 5.0~8.0

※ 数値は代表値です。◎:優秀 ○:良好 △:普通 ×:要注意。コスト指数はPVC硬質を1.0とした相対値です。

比較表から見えるPVC切削加工品の優位点

  • 耐薬品性とコストの両立: ステンレス並みの耐酸・耐アルカリ性を持ちながら、材料コストは金属の1/5~1/8程度と経済的です。
  • 他樹脂にはない電気絶縁性: ABS・PP・HDPEより高い体積固有抵抗を持ち、絶縁部品・制御機器部品に多く採用されています。
  • 軽量かつ加工しやすい: アルミ・ステンレスに比べて大幅に軽量で、NC旋盤・マシニングセンターによる複雑形状加工でも安定した切削性を示します。
  • 難燃性が求められる用途に有利: ABS・PP・HDPEが可燃性であるのに対し、PVCは自己消火性を持ちます。
  • 豊富なバリエーションと入手性: 硬質・軟質・透明・特殊グレードが揃い、入手性・汎用性ともに最高レベルの素材です。

塩化ビニール(PVC)の長所と短所

硬質塩化ビニール(PVC)の長所と短所
長所(メリット) 短所(デメリット)
  • 耐薬品性に優れ、酸・アルカリ・塩類に強い
  • 電気絶縁性が高く(1013Ω・cm以上)、絶縁部品に最適
  • 自己消火性があり、難燃が求められる用途にも対応
  • 加工性が良く、切削・接着・溶接に対応可能
  • 価格が安価で試作・量産ともコストメリットが大きい
  • 吸水率が低く、寸法安定性に優れる
  • 連続使用温度が66~79℃と中程度で、高温用途には不向き
  • 紫外線に弱く、屋外長期使用で劣化・変色しやすい
  • 有機溶剤(ケトン・エステル・芳香族炭化水素系)には注意が必要
  • 衝撃に対して脆性破壊を起こしやすい場合がある
  • 燃焼時に塩化水素ガスが発生するため、焼却条件に注意
  • 加工時に切削熱がこもりやすく、熱管理が品質の鍵になる

塩化ビニール切削加工でよくあるトラブルと当社の対策

塩化ビニール(PVC)切削加工でよくあるトラブルと当社の対策
トラブル 主な原因 当社の対策
熱変形・溶着 切削速度・切り込みが大きく、発熱過多 適正切削条件の設定、エアブロー・潤滑剤での熱管理
バリ・ケバ立ち 工具摩耗、不適切な工具経路 鋭利な工具の採用、仕上げカットの追加、手仕上げでのバリ取り
寸法不良 加工熱・チャッキング変形による寸法変動 温度安定後の精寸法測定、チャック圧の最適化・治具設計
ねじ精度不良 タップ・ダイスの食いつき不良、潤滑不足 下穴径の管理、適切な潤滑剤の使用、ねじゲージによる全数確認
割れ・クラック 過大な切り込み、衝撃的な加工条件 段階的な切削、工具切れ味の管理、振動を抑えた加工条件の採用

※ トラブルの傾向はグレード・形状・ロット数により異なります。加工前にご相談いただくことで事前対策を講じることが可能です。

PVC切削加工でお困りの点があれば、当社へお気軽にご相談ください。

当社のPVC切削加工が活躍する分野

PVCの耐薬品性・電気絶縁性・難燃性・コストメリットを活かした切削加工品は、以下の分野で活用されています。1個からの試作・小ロット対応も当社の強みです。

主な加工実績分野

  • 化学・薬品・水処理プラント: 薬液配管の継手・ホースニップル・バルブ周辺部品・ろ過装置部品など、耐薬品性が求められる特注精密加工部品
  • 電気・電子・制御機器: 絶縁スペーサー・端子台部品・絶縁ケース・カバー類など、電気絶縁性と難燃性を活かした加工品。
  • 研究・試験装置・ラボ設備: 研究用治具・流体実験用パーツ・ラボ向け配管部品など、少量かつ高精度が求められる用途。
  • 試作・開発・機能検証: 量産前の形状確認・機能検証用パーツとして1個からの試作に対応。素材検討段階からのご相談も歓迎しています。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. PVC樹脂は高温環境で使用できますか?

硬質PVCの連続使用温度は66~79℃程度です。それ以上の環境ではPEEKPPSMCナイロンなどの耐熱樹脂への変更をお勧めします。

Q2. PVCはすべての薬品に耐えますか?

多くの酸・アルカリ・塩類には良好な耐性がありますが、ケトン類・エステル類・芳香族炭化水素などの有機溶剤には弱い場合があります。使用予定の薬品をお知らせいただければ確認いたします。

Q3. 管用テーパーネジ(R・Rc)の加工はできますか?

はい、R(PT)・Rc(PT)などの管用テーパーネジ加工に対応しています。本ページの事例でもR1オスねじ・Rc1/8メスねじを一体加工しています。メートルねじ・その他規格もご相談ください。

Q4. PVC部品の接着・溶接加工も依頼できますか?

はい、専用接着剤による接着熱風溶接にも対応しています。部品設計の段階からご相談ください。

Q5. 1個からの試作や形状確認でも対応してもらえますか?

はい、1個からの試作に対応しています。量産前の形状確認・機能検証用のPVC試作加工も多くご依頼いただいています。

Q6. 図面がなくても見積りはできますか?

おおまかなスケッチや現物サンプルからでもご相談いただけます。当社で簡易図面を作成し、確認いただいたうえで加工を進めることも可能です。

Q7. PVC切削加工の標準的な納期はどれくらいですか?

加工内容や数量により異なりますが、標準的な部品で5~7日程度が目安です。お急ぎの場合はご相談ください。

Q8. グレー以外のPVC素材でも加工できますか?

グレーのほか、白・黒・透明など各色のPVC丸棒・板材を取り扱っています。ご希望の色やサイズ・グレードをお知らせください。

Q9. PVC加工品の寸法精度はどの程度まで対応できますか?

NC旋盤・マシニングセンターにより、一般的な公差から±0.025~±0.05mm程度の精密加工に対応しています。厳しい公差が必要な部品はご相談ください。詳細は公差データページもご参照ください。

Q10. PVCとPOMはどちらが向いていますか?

耐薬品性・電気絶縁性・コストを重視するならPVC、耐摩耗性・機械的強度・耐熱性(~100℃)を重視するならPOMが適しています。使用条件をお知らせいただければご提案します。

Q11. PVC加工品の表面処理や後加工は対応していますか?

バリ取り・糸面取りのほか、接着・溶接・彫刻・色入れなどの後加工にも対応しています。複合加工もまとめてご相談ください。

Q12. ロット数はどこから対応していますか?

1個からの試作品から小ロット・中ロットの量産まで対応しています。数量に応じた最適な加工方法・コストをご提案しますので、まずはお問い合わせください。

ご依頼から納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面送付: お問い合わせフォームまたはメール・FAXで図面をお送りください。スケッチや現物サンプルでも対応します。
  2. 見積書の作成と提出: 形状・数量・納期条件に応じた加工方法と見積金額をご提示します。素材選定のご提案も可能です。
  3. 注文書受領・加工開始: お見積り内容にご了承いただいた後、注文書をお送りください。確認後、速やかに加工に着手します。
  4. 加工・寸法検査: NC旋盤・マシニングセンター等で加工し、ねじゲージ・ノギス・マイクロメータによる寸法検査と外観検査を実施します。
  5. 梱包・発送: 破損防止に配慮した梱包で、宅配便・チャーター便などご指定の方法で出荷します。

まとめ(塩化ビニール切削加工品|PVC加工事例)

本ページでご紹介したPVCホースニップルは、硬質塩化ビニールの耐薬品性・電気絶縁性・加工性・コストメリットを活かした配管部品加工の典型例です。NC旋盤とマシニングセンターを組み合わせることで、テーパーネジ・六角形状・貫通穴を高精度で一体加工しています。

当社・株式会社三森製作所(樹脂加工ドットコム)では、配管継手・電装部品・治具部品など多様な塩化ビニール切削加工品を1個からの試作・小ロット量産まで対応しています。「この形状は塩ビで作れる?」「PVCとPOMどちらが良い?」といった段階からでも、素材選定・加工方法を含めて具体的にご提案いたします。

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