
ポリカーボネート切削加工品
- プラスチック加工品例 -
ポリカーボネート切削加工品



ポリカーボネート切削加工です。
外寸はφ10×25.6mm。
テーパー、リブ、止まり穴、段などが特徴的なチャック部品です。
ポリカーボネート丸棒から旋盤で切削加工し、仕上げはマシニングセンターで2箇所の平らな面を削りました。
切削後の磨き加工は行っておらず、切削したままの表面状態です。
(※これまで作ったポリカーボネート加工製品はこちら → ポリカーボネート切削加工品)
(※詳しい素材情報はこちら → ポリカーボネート(PC))
ポリカーボネート切削加工の詳細解説
この製品はポリカーボネート樹脂(PC樹脂)丸棒材を使用し、旋盤とマシニングセンターによる精密切削加工によって製作されています。お客様からの紙図面に基づく受注生産品として、高精度な寸法管理と優れた表面品質を実現しています。
加工においては、旋盤での外径加工により複数の段差形状とテーパー加工を行い、マシニングセンターでの平面加工により2箇所の平らな面を精密に仕上げています。切削後の磨き加工は行わず、精密切削加工そのままの表面状態で完成品として納品しており、機械加工による優れた寸法精度と表面品質を保持しています。
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加工工程ステップ
- 材料準備:ポリカーボネート丸棒材の切断と前処理
- 旋盤による外径加工:バイトを用いた段付き形状の削り出し
- テーパー加工:所定角度のテーパー形状の精密加工
- センター穴あけ:ドリルによる中心穴の加工
- マシニング加工:フラットエンドミルによる平面加工(2箇所)
- 糸面取り加工:エッジ部の面取り処理
- 寸法検査:図面仕様との照合確認
- 最終検査・梱包:品質確認後の出荷準備
加工上の重要ポイント
- 切削速度の最適化:ポリカーボネートの熱特性を考慮した加工条件設定
- 工具選定:樹脂専用工具による切削品質の向上
- クランプ方法:変形を防ぐ適切な固定方法の採用
- 切削油の使用:摩擦熱による樹脂の軟化防止
- 送り速度管理:表面粗さと寸法精度のバランス調整
- バリ処理:切削時に発生するバリの適切な除去
- 温度管理:加工中の熱蓄積による変形防止
ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)の特性と優位性
ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)は、優れた透明性と卓越した耐衝撃性を併せ持つエンジニアリングプラスチックです。ガラスの約250倍という驚異的な耐衝撃性を有しながら、高い透明度を維持できる特性は、他の樹脂材料では実現困難な独特の特徴といえます。
また、-40℃から+120℃という広い使用温度範囲を持ち、寸法安定性にも優れているため、精密部品への適用が可能です。電気的特性も良好で、絶縁性能と難燃性を兼ね備えており、電気・電子機器部品への採用実績が豊富です。
機械加工性においても切削加工、穴あけ、タッピングなどの各種加工に対応でき、溶接や接着による組み立ても可能な汎用性の高い材料です。これらの特性により、自動車部品、電気機器部品、医療機器部品、光学部品など幅広い分野で採用されています。
さらに、リサイクル性にも優れており、環境負荷軽減への貢献も期待できる持続可能な材料として注目されています。UV安定剤を添加したグレードでは屋外使用にも対応でき、用途に応じた材料選択が可能な点も大きな優位性です。
ポリカーボネート樹脂の主要特性(物性値)
| 物性項目 | 数値 | 単位 |
|---|---|---|
| 密度 | 1.20 | g/cm3 |
| 引張強度 | 65 | MPa |
| 曲げ強度 | 110 | MPa |
| 引張弾性率 | 2,300 | MPa |
| シャルピー衝撃強度 | 750 | J/m |
| 熱変形温度 | 135 | ℃ |
| 線膨張係数 | 6.8×10-5 | /℃ |
| 吸水率 | 0.25 | % |
| 光線透過率 | 90 | % |
材料比較表(ポリカーボネート vs 他素材)
| 材料特性 | PC樹脂 | アクリル | ABS樹脂 | アルミニウム |
|---|---|---|---|---|
| 密度 (g/cm3) | 1.20 | 1.19 | 1.05 | 2.70 |
| 衝撃強度 (J/m) | 750 | 25 | 250 | – |
| 引張強度 (MPa) | 65 | 70 | 45 | 310 |
| 透明性 | ◎ | ◎ | × | × |
| 耐熱性 (℃) | 135 | 90 | 80 | 300+ |
| 加工性 | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
ポリカーボネート樹脂の優位点:
- 最高クラスの耐衝撃性:アクリルの30倍、ABS樹脂の3倍の衝撃強度
- 軽量性:アルミニウムの1/2以下の軽量化を実現
- 透明性と強度の両立:高透明度を保ちながら優れた機械的強度
- 優れた加工性:切削加工から成形まで幅広い加工方法に対応
- 高い耐熱性:汎用樹脂より優れた耐熱特性
ポリカーボネート樹脂のバリエーション
汎用グレード
透明グレード(クリア)
最も標準的なグレードで、優れた透明性と機械的強度を兼ね備えています。光学部品、透明カバー、レンズ類に適用され、光線透過率90%以上を実現します。
半透明グレード(ミルキーホワイト、フロスト)
光を適度に拡散させる特性を持ち、照明カバーやディフューザーに最適です。透明度を調整した乳白色から半透明まで複数の選択肢があります。
不透明グレード(ブラック、ホワイト、グレー)
着色剤を添加した不透明タイプで、外装部品や構造部品に使用されます。ブラック、ホワイト、グレーが標準色として供給されています。
特殊機能グレード
難燃グレード(V-0、V-1、V-2)
UL94規格に適合した難燃性能を持つグレードで、電気・電子機器部品に必須の材料です。ハロゲン系とノンハロゲン系の選択が可能です。
ガラス繊維強化グレード(GF10、GF20、GF30)
ガラス繊維を10%〜30%添加し、機械的強度と剛性を大幅に向上させたグレードです。自動車部品や精密機械部品に採用されています。
導電性グレード
カーボンブラックやカーボンファイバーを添加し、静電気対策を施したグレードです。電子機器の筐体や半導体関連部品に使用されます。
医療用グレード(USP Class VI)
生体適合性を確保した医療機器専用グレードで、FDA承認やUSP Class VI適合の認証を取得しています。医療機器部品や実験器具に採用されています。
ポリカーボネート樹脂の長所・短所分析
| 長所(優れた特性) | 短所(注意点) |
|---|---|
| 卓越した耐衝撃性 シャルピー衝撃強度750J/m、ガラスの250倍 |
傷つきやすい表面 硬質物との接触で表面に傷が付きやすい |
| 優れた透明性 光線透過率90%、光学用途に適用可能 |
環境ストレスクラック 特定の溶剤や応力で亀裂が発生する可能性 |
| 広い使用温度範囲 -40℃〜+120℃での安定した性能 |
UV劣化 長期間の紫外線曝露で劣化が進行 |
| 優れた寸法安定性 線膨張係数6.8×10-5/℃と小さい |
加水分解 高温・高湿度環境での長期使用で分解 |
| 良好な電気特性 絶縁性能と誘電特性に優れる |
比較的高い材料コスト 汎用樹脂比で高価格 |
| 優れた加工性 切削、穴あけ、タッピング加工が容易 |
熱加工時の注意 過度な加熱で分解や変色が発生 |
ポリカーボネート樹脂の使用分野・用途例
- 自動車部品:ヘッドライトレンズ、インストルメントパネル、ドアハンドル、ミラーハウジング
- 電気・電子機器:パソコン筐体、携帯電話ケース、コネクター、スイッチカバー
- 光学部品:カメラレンズ、プリズム、光ファイバーコネクター、液晶ディスプレイ導光板
- 医療機器:注射器、血液バッグ、人工呼吸器部品、歯科器具
- 建築・建材:採光パネル、防音壁、温室パネル、エスカレーターカバー
- 安全用品:防護面、ヘルメットバイザー、防弾ガラス、安全眼鏡
- 家電製品:冷蔵庫棚板、電子レンジ扉、照明カバー、掃除機部品
- スポーツ用品:ヘルメット、ゴーグル、スキーブーツ、テニスラケット部品
- 航空宇宙:航空機窓、計器カバー、内装パネル、電子機器筐体
- 食品容器:哺乳瓶、ウォーターボトル、電子レンジ対応容器、業務用食器
- 玩具・雑貨:プラモデル、フィギュア、文房具、収納ケース
- 産業機器:機械カバー、操作パネル、計測器筐体、制御盤部品
よくある質問(FAQ)
Q1. ポリカーボネート樹脂の切削加工で最も重要な点は何ですか?
A1. 切削速度と送り速度の最適化が最も重要です。ポリカーボネートは熱に敏感な材料のため、過度な切削速度は摩擦熱により樹脂の軟化や溶融を引き起こします。適切な切削油の使用と、樹脂専用工具の選定により、優れた表面品質と寸法精度を実現できます。
Q2. 図面支給による特注加工の納期はどの程度かかりますか?
A2. 通常、図面確認から5〜7日が標準納期となります。ただし、加工の複雑さや数量、材料の在庫状況により変動いたします。お急ぎの場合は短納期対応も可能ですので、お見積り時にご相談ください。
Q3. 小ロット(1個〜10個程度)での加工も対応していますか?
A3. はい、1個からの小ロット加工にも対応しております。試作品や補修部品など、少量生産のニーズにもお応えいたします。小ロットでもコストパフォーマンスを重視したお見積りを提供いたします。
Q4. ポリカーボネート以外の樹脂材料での加工も可能ですか?
A4. もちろん可能です。アクリル(PMMA)、ABS樹脂、POM、ナイロン、PEEKなど、各種エンジニアリングプラスチックの加工実績があります。材料の特性に応じた最適な加工条件で対応いたします。
Q5. 透明度を保ったまま加工することは可能ですか?
A5. 可能です。精密切削加工により透明度を保持できます。ただし、より高い透明度が必要な場合は、切削後に磨き加工(ポリッシング加工)を追加することで、ある程度の透明度を実現できます。
Q6. 加工精度はどの程度まで対応できますか?
A6. 一般公差±0.1mmから、精密公差±0.05mmまで対応可能です。特に重要な寸法については±0.02mmの精密加工の実現実績もあります。加工方法と測定機器を駆使して、要求精度を満たす製品を提供いたします。
Q7. 樹脂加工で発生するバリの処理はどのように行いますか?
A7. 切削条件の最適化によりバリの発生を最小限に抑制し、発生したバリは手作業による丁寧な除去を行います。糸面取り加工により、エッジ部を滑らかに仕上げ、安全性と美観を確保いたします。
Q8. 材料証明書や検査成績書の発行は可能ですか?
A8. 材料メーカーからの材料証明書および、当社での寸法検査成績書の発行が可能です。これらのような必要書類がある場合は、注文書にお書き添えください。
Q9. 複雑な3D形状の加工にも対応していますか?
A9. 3軸・5軸マシニングセンターにより複雑な3D形状加工に対応しております。CAM(Computer Aided Manufacturing)システムを活用し、効率的かつ高精度な加工を実現いたします。
Q10. 加工後の表面処理オプションはありますか?
A10. ポリッシング、サンドブラストなどの表面処理に対応しております。用途に応じて最適な表面仕上げをご提案いたします。
加工依頼から納品までの流れ
- お問い合わせ・図面支給:加工図面、仕様書、数量、納期をお知らせください
- 図面検討・加工方法検討:技術的な検討と最適な加工プロセスの立案
- お見積書作成・提出:詳細な見積書を提出いたします
- ご注文書受領・製作開始:注文書を受領後、材料手配と加工準備を開始
- 材料調達・前加工準備:指定材料の調達と加工プログラム作成
- 切削加工・品質管理:精密加工と工程内品質チェックの実施
- 最終検査・梱包:寸法検査、外観検査後の適切な梱包処理
- 納品・アフターサポート:指定場所への納品とアフターフォロー
まとめ
ポリカーボネート樹脂の精密切削加工は、優れた透明性と卓越した耐衝撃性を活かした高品質部品の製作を可能にします。当社では旋盤とマシニングセンターを駆使し、お客様の図面仕様に基づく精密加工を実現しております。
適切な切削条件の設定と樹脂専用工具の使用により、寸法精度±0.05mmの高精度加工を実現し、表面品質にも優れた製品を提供いたします。1個などの試作から小ロット生産まで、幅広いニーズにお応えできる体制を整えております。
ポリカーボネート樹脂の持つ軽量性、透明性、耐衝撃性という独特の特性を最大限に活かし、自動車、電子機器、医療機器、光学部品など多様な分野への適用が可能です。環境対応材料やリサイクル材料での加工にも対応し、持続可能なものづくりにも貢献いたします。
経験豊富な技術者による設計段階からのVE提案や、コスト最適化のアドバイスも承っております。材料選定から加工方法、表面処理まで、トータルソリューションとしてお客様の製品開発をサポートいたします。
樹脂加工のエキスパートとして、お客様のご要望に最適な加工ソリューションを提供いたします。まずはお気軽にご相談ください。
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