樹脂加工ドットコム|
プラスチック精密切削加工専門メーカーの三森製作所

プライバシーポリシーお見積もり・ご注文お問い合わせ

樹脂加工ドットコム

  • プラスチック精密切削加工 ・プラスチック彫刻加工
  • プラスチック接着加工 ・プラスチック溶接加工 ・プラスチック曲げ加工

お問い合わせはこちら

樹脂加工ドットコム > プラスチック加工品 > ポリカーボネート精密切削加工|テーパー・段付き・穴あけ対応

ポリカーボネート精密切削加工|テーパー・段付き・穴あけ対応

- プラスチック加工品例 -

ポリカーボネート精密切削加工|テーパー・段付き・穴あけ対応

透明ポリカーボネート精密切削加工事例です。NC旋盤3軸マシニングセンターを組み合わせ、外径φ10×長さ25.6mmのテーパー・段付き・止まり穴を持つチャック部品を製作した工程と素材特性を解説します。

この記事の要点

  1. 外径φ10×長さ25.6mmの透明ポリカーボネート製チャック部品について、テーパー・段付き・止まり穴を持つ複合形状の精密切削加工事例を解説します。
  2. NC旋盤による角度80度のテーパー・段付き加工と、マシニングセンターによる2平面加工(φ10→7.9mm)を含む全8工程の詳細を掲載しています。
  3. 透明アクリル(PMMA)・透明PVC・透明PETとの素材比較表を掲載し、ポリカーボネートの耐衝撃性・耐熱性・加工性の優位点を数値で確認できます。
  4. よくあるトラブル(熱変形・バリ・透明度低下など)に対する当社の具体的な対策を掲載しており、加工品質の確保方法を把握できます。
  5. 1個からの小ロット加工に対応しており、FAQ12問と発注から納品までの5ステップの流れを掲載しています。
透明ポリカーボネート精密切削加工品(φ10×25.6mm)11個をランダムな向きに配置し、テーパー・段付き・止まり穴の全体形状を斜め上から撮影
透明ポリカーボネート精密切削加工品(φ10×25.6mm)11個。テーパー・段付き・止まり穴を持つチャック部品を様々な向きに並べ、NC旋盤とマシニングセンターによる加工品の全体形状を斜め上から撮影。
透明ポリカーボネート精密切削加工品(φ10×25.6mm)のテーパー形状部分をクローズアップ。NC旋盤で加工した80度テーパーと段付き形状の切削面を確認できる
同加工品のテーパー形状部分をクローズアップ。NC旋盤(バイト)で加工した角度80度のテーパーと段付き形状の表面状態。切削後の磨き加工なし、切削したままの仕上げ面。
透明ポリカーボネート精密切削加工品(φ10×25.6mm)の止まり穴(φ2.4×深さ18mm)とマシニングセンターで加工した2箇所の平面部分をクローズアップ
同加工品の止まり穴(φ2.4×深さ18mm)平面加工部分(2箇所)をクローズアップ。マシニングセンターによるフラットエンドミル加工でφ10を7.9mmに削り出した平面の仕上げ状態。
表1:ポリカーボネート精密切削加工品の代表仕様(φ10×25.6mm チャック部品)
項目内容
素材透明ポリカーボネート(PC)丸棒
外形寸法外径φ10×長さ25.6mm
加工内容テーパー加工(80度)・段付き加工・止まり穴加工(φ2.4×深さ18mm)・平面加工(2箇所)
加工設備NC旋盤3軸マシニングセンター
使用工具バイト・ドリル・フラットエンドミル
仕上げ切削加工のまま(磨き加工なし)
図面支給お客様CADデータ支給
対応ロット1個からの小ロット生産対応

▶ これまで製作したポリカーボネート切削加工事例は、ポリカーボネート切削加工事例一覧をご覧ください。

当社の加工実績:掲載加工事例543件(2026年5月現在)。ポリカーボネートをはじめとする樹脂素材の小ロット加工を多数手がけており、試作1個からご対応しています。

ポリカーボネート精密部品の加工内容と加工方法

加工工程(全8ステップ)

  1. 図面確認と加工プログラム作成:お客様支給のCADデータを詳細に検討し、最適な加工順序と切削条件を決定します。
  2. 素材準備・固定:透明ポリカーボネート丸棒材を必要長さにカットし、NC旋盤のチャックに確実に固定します。
  3. 外径・段付き加工:バイトを用いて複数段の外径形状を削り出します。
  4. テーパー加工角度80度のテーパー形状を精密加工します。
  5. 止まり穴加工:ドリルで径φ2.4×深さ18mmの中心穴を加工します。
  6. 平面加工(マシニング):フラットエンドミルによりφ10を7.9mmに2平面加工します。
  7. 糸面取り・バリ取り:エッジ部を滑らかに仕上げ、切削バリを除去します。
  8. 寸法検査・梱包・出荷:全数寸法検査ののち、適切に梱包して出荷します。

切削加工で注意すべきポイント

  • 切削熱の管理:ポリカーボネートは熱感受性が高く、過度な切削速度は摩擦熱による軟化・変形を招きます。適切な切削速度と切削油の使用が不可欠です。
  • 工具の切れ味:刃先が鋭利な樹脂専用工具(正すくい角)を使用し、切削抵抗を最小化します。
  • クランプ圧力の管理:過度な固定力は外径変形を招くため、変形を防ぐ適切なチャッキング方法を採用します。
  • テーパー角度精度:80度のテーパー加工は加工プログラムの精度が仕上がりを左右します。事前の加工シミュレーションで確認します。
  • 細穴の切りくず排出:φ2.4×深さ18mmの止まり穴では切りくず詰まりのリスクがあるため、送り速度と排出管理に注意します。
  • 段取り替え時の位置精度:旋盤からマシニングセンターへの段取り替えで基準面の位置精度を確保します。
  • バリの発生抑制:切削条件の最適化でバリを最小化し、残留バリは手作業で丁寧に除去します。
この部品の加工について相談する

電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで

本製品で使用した透明ポリカーボネートについて

本製品には透明グレードのポリカーボネート(PC)丸棒材を使用しています。透明性と耐衝撃性のバランスが優れており、旋盤・マシニングセンターによる精密切削加工において高い寸法精度を確保しやすい素材です。グレードは透明・難燃・ガラス繊維強化・導電・医療用など用途に応じた品種があり、支給品がどのグレードであっても追加工に対応しています。

ポリカーボネート樹脂の特性と優位性

  • 卓越した耐衝撃性:アイゾット衝撃強度650 J/mは透明アクリル(PMMA)の約26倍。落下・衝撃リスクのある部品に最適です。
  • 高い透明性:光線透過率88%で光学部品・透明カバーにも対応できます。
  • 広い使用温度範囲-40℃〜+120℃で安定した性能を発揮し、精密部品への適用が可能です。
  • 優れた電気特性:絶縁性能と難燃性を兼ね備え、電気・電子機器部品への採用実績が豊富です。
  • 加工性の良さ:切削・穴あけ・タッピング・接着など多様な加工に対応でき、形状自由度が高いです。

ポリカーボネート樹脂の主要物性値

表2:ポリカーボネート主要物性値(透明グレード・汎用品の代表値)
物性項目数値単位
密度1.20g/cm3
引張強度60MPa
曲げ強度90MPa
引張弾性率2,300MPa
アイゾット衝撃強度(ノッチあり)650J/m
熱変形温度(荷重1.8MPa)130
線膨張係数6.8×10-5/℃
吸水率(23℃・24h)0.15%
光線透過率88%

※ 上記は透明グレード汎用品の代表値です。グレード・メーカーにより数値は異なります。設計・選定にあたっては各メーカーのデータシートをご確認ください。

他素材との比較(透明樹脂・金属)

表3:ポリカーボネートと他素材の比較
特性項目 透明PC(本素材) 透明PMMA 透明PVC 透明PET Al(A5052) SUS304
密度(g/cm3 1.20 1.19 1.38 1.33 2.70 7.93
引張強度(MPa) 60 70 50 55 195 520
耐衝撃性 ×
透明性 × ×
耐熱性(℃/HDT) 130 90 65 70 300+ 800+
耐薬品性
加工性(切削)
コスト指数 ×
汎用性
加工事例 PC樹脂加工事例 PMMA加工事例 PVC加工事例 PET加工事例

※ 凡例:◎優秀・○良好・△やや劣る・×不適。数値は代表値であり、グレード・規格により異なります。耐熱性はHDT(熱変形温度)の目安値。本素材(透明PC) 透明樹脂 金属

素材選定ガイド:ポリカーボネートを選ぶべきケース・再検討すべきケース

表4:透明ポリカーボネートを選ぶべきケースと他素材を検討すべきケース
この素材が向いているケース 他素材も検討すべきケース
衝撃・落下リスクのある透明カバー・保護部品
耐衝撃性◎で割れにくい透明部品を求める場合
有機溶剤(アセトン・トルエン等)に接触する環境
耐薬品性が不十分なため溶剤接触用途には不向き
-40℃〜+120℃の広い温度範囲での使用
他の透明樹脂(PMMA・PVC・PET)より高い耐熱性が必要な場合
表面傷つきやすさが問題になる精密光学部品
高度な表面硬度が必要な場合はハードコート処理も検討
電気絶縁性と透明性を同時に必要とする部品
電気・電子機器の透明カバーや絶縁部品に最適
コスト優先で耐衝撃性が不要な用途
単純な透明カバーなら低コストのアクリル(PMMA)も選択肢
試作・少量生産で形状変更の可能性がある段階
切削加工性◎で試作対応が容易、1個から対応可
屋外での長期UV照射が避けられない用途
標準グレードはUV劣化リスクあり。UV安定化グレードを検討
軽量化と耐衝撃性を両立したい精密機械部品
アルミニウムの約1/2の密度で同等の耐衝撃性を実現
使用温度が120℃を超える高温環境
PEEK・PPS等の高耐熱樹脂を検討してください

※ 判断に迷う場合はお気軽にご相談ください。用途・環境条件を伺ったうえで最適な素材をご提案します。

ポリカーボネート樹脂の長所・短所

表5:透明ポリカーボネートの長所と短所(加工・使用上の注意点)
長所(優れた特性) 短所(注意点)
卓越した耐衝撃性
アイゾット衝撃強度650 J/m、透明アクリルの約26倍
傷つきやすい表面
硬質物との接触で表面に傷が付きやすい
優れた透明性
光線透過率88%、光学用途に対応可能
環境ストレスクラック
特定の溶剤や応力で亀裂が発生する可能性がある
広い使用温度範囲
-40℃〜+120℃で安定した性能を発揮
UV劣化
長期間の屋外紫外線曝露で透明性・強度が低下
優れた寸法安定性
線膨張係数6.8×10-5/℃と小さく精密部品に適する
加水分解リスク
高温・高湿環境での長期使用で劣化が進む場合がある
良好な電気特性
絶縁性能と難燃性を兼ね備え、電子部品に適する
比較的高い材料コスト
アクリル・ABSなど汎用樹脂と比較して高価格
優れた加工性
切削・穴あけ・タッピング加工が容易で形状自由度が高い
熱加工時の注意
過度な切削熱で変色・分解が発生する場合がある

よくあるトラブルと当社の対策

表6:ポリカーボネート切削加工のよくあるトラブルと対策
トラブル 主な原因 当社の対策
熱変形・寸法狂い 切削熱の蓄積による樹脂の軟化 切削速度・送り速度の最適化と切削油の適切な使用
表面の白化・溶融 過度な摩擦熱による局所加熱 刃先が鋭利な樹脂専用工具(正すくい角)の使用
バリの過多発生 切削条件の不適合・工具摩耗 切削条件の最適化と手作業による丁寧なバリ取り・糸面取り
環境ストレスクラック 残留応力と薬剤・溶剤の接触 適切なクランプ力の管理と加工後の洗浄・乾燥確認
透明度の低下 切削面の微細傷・熱影響 最適切削条件での加工。必要に応じて磨き加工(ポリッシング加工)に対応

※ トラブルの原因や対策は部品形状・加工条件によって異なります。詳しくはお問い合わせください。

ポリカーボネート精密切削加工が活躍する分野

  • 光学・精密機器部品:透明性を活かしたカバー・レンズ・プリズムなど光学部品の試作・小ロット生産。透明性と耐衝撃性が同時に求められる用途に最適です。
  • 電気・電子機器部品:絶縁性・難燃性を活かしたコネクター・スイッチカバー・計器カバーの精密切削加工。試作から小ロット量まで対応します。
  • 自動車・産業機器部品:耐衝撃性を活かしたカバー・ガード・検査窓など。補修部品の単品加工にも対応します。
  • 医療・研究機器部品:医療用グレードの透明ポリカーボネートを用いた精密部品の試作加工。生体適合性が求められる部品も対応可能です。

よくある質問(FAQ)

Q1. ポリカーボネートの切削加工で最も重要な点は何ですか?

A1. 切削速度と送り速度の最適化が最も重要です。ポリカーボネートは熱に敏感なため、過度な切削速度は摩擦熱による軟化や変形を招きます。樹脂専用工具と適切な切削油の使用により、高い寸法精度と表面品質を実現しています。

Q2. 図面支給による特注加工の納期はどの程度かかりますか?

A2. 加工内容や数量により異なりますが、標準的な部品で5〜7日程度が目安です。お急ぎの場合は短納期対応もご相談ください。

Q3. 小ロット(1個〜数個程度)での加工も対応していますか?

A3. はい、1個からの小ロット加工に対応しています。試作品・補修部品・少量生産のニーズにお応えします。小ロットでもコストパフォーマンスを重視したお見積りをご提供します。

Q4. ポリカーボネート以外の樹脂材料での加工も可能ですか?

A4. もちろん可能です。アクリル(PMMA)、ABS樹脂、POM、ナイロン、PEEKなど各種エンジニアリングプラスチックの加工実績があります。材料の特性に応じた最適な加工条件で対応します。

Q5. 透明度を保ったまま加工することは可能ですか?

A5. 可能です。精密切削加工により透明度を保持できます。より高い透明度が必要な場合は、切削後の磨き加工(ポリッシング加工)も対応しています。

Q6. 加工精度はどの程度まで対応できますか?

A6. 一般公差±0.1mmから、精密公差±0.05mmまで対応可能です。特に重要な寸法については±0.02mmの加工実績もあります。

Q7. 樹脂加工で発生するバリの処理はどのように行いますか?

A7. 切削条件の最適化によりバリの発生を最小限に抑制し、残留バリは手作業で丁寧に除去します。糸面取り加工によりエッジ部を滑らかに仕上げています。

Q8. 材料証明書や検査成績書の発行は可能ですか?

A8. 材料メーカーからの材料証明書および当社での寸法検査成績書の発行が可能です。ご注文の際にお申し付けください。

Q9. 複雑な3D形状の加工にも対応していますか?

A9. 3軸・5軸マシニングセンターにより複雑な3D形状加工に対応しています。CAMシステムを活用し、効率的かつ高精度な加工を実現しています。

Q10. 加工後の表面処理オプションはありますか?

A10. 磨き加工(ポリッシング加工)サンドブラスト加工などの表面処理に対応しています。用途に応じた最適な仕上げをご提案します。

Q11. ポリカーボネートと他の透明樹脂はどう選び分ければよいですか?

A11. 耐衝撃性が最優先であればポリカーボネートが最適です。コスト重視で衝撃が少ない用途は透明アクリル(PMMA)、耐薬品性が必要な場合は透明塩化ビニル(PVC)も選択肢に入ります。素材選定でお悩みの場合はお気軽にご相談ください。

Q12. お客様支給の材料(支給品)への追加工も対応していますか?

A12. はい、ご支給いただいた素材への追加工にも対応しています。穴あけ・溝加工・面取りなど、図面やご指示に基づいて加工します。まずはお気軽にご相談ください。

ご依頼から納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面支給:加工図面(PDF等)・数量・納期をご連絡ください。
  2. 図面検討・お見積書提出:最適な加工方法を検討し、詳細な見積書をご提出します。
  3. ご注文・製作開始:注文書受領後、材料の手配と加工プログラムの作成を開始します。
  4. 精密加工・工程内検査:NC旋盤・マシニングセンターで加工し、工程ごとに寸法を確認します。
  5. 最終検査・梱包・納品:全数寸法検査ののち、適切に梱包して宅配便でお届けします。

まとめ

透明ポリカーボネートの精密切削加工は、卓越した耐衝撃性と高い透明性を両立した部品製作に最適な選択です。当社では、NC旋盤とマシニングセンターを組み合わせ、テーパー・段付き・止まり穴といった複合形状を高精度に仕上げています。試作1個からの小ロット生産に対応し、素材選定や加工方法でお悩みの場合も設計段階からご相談いただけます。

お問い合わせメールフォーム

電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで

[ ]