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PEEK切削加工品|φ8×30L・微細穴φ0.8事例

- プラスチック加工品例 -

PEEK切削加工品|φ8×30L・微細穴φ0.8事例

PEEK(スーパーエンジニアリングプラスチック)NC旋盤で精密切削した事例です。外形φ8×30L段・テーパー形状と、センターの段付きザグリ+貫通穴φ0.8を高精度に加工しています。

この記事の要点

  1. PEEK(スーパーエンプラ)NC旋盤による精密切削加工の事例です。
  2. 外形φ8×30L段・テーパーを組み合わせた複合形状です。
  3. センターの段付きザグリ貫通穴φ0.8微細穴加工に対応しています。
  4. 発熱を抑える条件最適化により、寸法精度面品位を両立しています。
  5. 関連情報としてPEEK切削加工事例一覧PEEK旋盤加工事例一覧テーパー加工事例一覧微細穴加工事例一覧があります。
PEEK|丸棒|旋盤加工|φ8×30L 段・テーパー|全体外観
PEEK φ8×30L。旋盤で段・テーパー形状を高精度に切削した全体外観。寸法精度と面品位を両立した仕上がり。

PEEK|丸棒|旋盤加工|段付きザグリ+貫通穴φ0.8|拡大
センターに段付きザグリ+貫通穴φ0.8を加工。発熱を抑制した条件最適化により、穴精度・真円度を確保。
PEEK切削加工品の代表仕様
項目 内容
素材 PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)
外形寸法 φ8×30L(途中φ6、先端φ1.5テーパー)
加工内容 段・テーパー外形/センター段付きザグリ貫通穴φ0.8
加工設備 NC旋盤
仕上げ 糸面取り(エッジ処理)
図面支給 PDF図面に対応
ロット 1個から対応可能

▶ 過去のPEEK切削加工事例は、PEEK切削加工品一覧ページをご覧ください。

PEEKの特性・物性・用途は、PEEK素材解説ページで詳しく紹介しています。


PEEK切削加工の詳細解説

本製品は、PEEK樹脂(ポリエーテルエーテルケトン)を素材とし、NC旋盤による精密切削加工で製作した特注部品です。お客様からご支給いただいたPDF図面に基づき、外径φ8×30Lの素材から途中φ6mmを経て先端φ1.5mmへとテーパー形状を持たせた精密部品を、表面粗さRa0.8~1.6μm相当(目安)の高品質仕上げで実現しました。

PEEK樹脂は、エンジニアリングプラスチックの中でも最高クラスの機械的特性と耐熱性を誇る素材です。金属に匹敵する強度と剛性を持ちながら、軽量で耐薬品性にも優れているため、医療機器・航空宇宙・半導体製造装置など、高い信頼性が求められる分野で広く採用されています。

PEEK加工工程ステップ

  1. 図面確認・加工条件設計寸法公差・表面粗さ・形状要件を整理し、加工経路と干渉を確認します。
  2. 材料準備・固定PEEK丸棒を準備し、チャック固定と振れ管理で精度を確保します。
  3. 端面・長さ加工(基準出し):指定長さに合わせて端面を仕上げ、基準面を作ります。
  4. 外形加工(段・テーパー):外径を仕上げ、テーパー形状を条件最適化で加工します。
  5. 穴あけ(段付きザグリ+φ0.8貫通):センターに段付きザグリを加工し、貫通穴φ0.8を高精度に仕上げます。
  6. 糸面取り:エッジを整え、外観品質と取り扱い性を向上します。
  7. 最終検査:寸法測定・外観確認を行い、図面要求との整合を確認して出荷します。

PEEK樹脂切削加工で注意すべきポイント

  • 切削条件の管理:切削速度・送りを最適化し、発熱による寸法変化を抑制します。
  • 工具選定と刃先状態超硬工具を基本とし、刃先摩耗は早期交換で品質を維持します。
  • 切削油の適切な使用:切削熱と切りくず排出を安定させ、表面粗さを確保します。
  • ワーク固定と加工順:過度な締付けを避け、細径部は後工程で加工します。
  • 小径穴加工の管理:ペック加工(ペックドリリング)と条件調整により、φ1mm以下の穴精度を安定させます。
  • 検査と寸法安定性:熱影響を考慮し、測定タイミングを含めて精度を確認します。

本製品で使用したPEEK樹脂について

本製品には、PEEK樹脂(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)の丸棒材を使用しています。PEEKは、スーパーエンジニアリングプラスチックの代表格として、卓越した機械的強度・耐熱性・耐薬品性を兼ね備えた高機能樹脂です。

PEEK樹脂には、純粋なPEEK(アンフィルド)のほか、ガラス繊維強化グレードカーボン繊維強化グレードなど、用途に応じた複数のバリエーションがあります。また、色についてもナチュラル(ベージュ系)ブラックなどが選択可能です。

PEEK樹脂の詳しい特性や種類、加工事例については、樹脂加工ドットコムのPEEK素材解説ページをご覧ください。

PEEK樹脂の特性と優位性

  • 卓越した耐熱性連続使用温度250℃で、高温環境下でも機械的特性を維持します。
  • 樹脂最高クラスの機械的強度引張強度約100MPaと高剛性を持ち、金属代替材料として使用可能です。
  • 軽量で高強度:密度約1.3g/cm³と軽量で、アルミの約半分、ステンレスの約1/6の重量です。
  • 優れた耐薬品性:有機溶剤や多くの薬品に耐性があり、化学・半導体分野に適しています。
  • 低吸水・高寸法安定性:吸水率が低く、湿度変化による寸法変動が小さい素材です。
  • 電気絶縁性・非磁性:電気を通さず、半導体製造装置や精密機器に適しています。
  • 生体適合性・低アウトガス:医療機器やクリーン環境用途にも対応可能です。
  • 難燃性UL94 V-0相当の難燃性を持ち、安全性が求められる用途で採用されています。

PEEK樹脂の主要特性(物性値)

特性項目 単位 代表値
密度 g/cm3 1.30~1.32
引張強度 MPa 90~110
引張弾性率 GPa 3.5~4.0
曲げ強度 MPa 140~170
曲げ弾性率 GPa 3.6~4.0
圧縮強度 MPa 120~130
シャルピー衝撃強度 kJ/m2 7~9
融点 343
ガラス転移温度 143
連続使用温度 250
線膨張係数 ×10-5/℃ 4.7~5.0
熱伝導率 W/(m·K) 0.25
吸水率(24時間) 0.1
体積抵抗率 Ω·cm 1016
誘電率(1MHz) 3.2
難燃性 UL94 V-0

※ 強度・弾性率に関する項目は、PEEKの高剛性・高強度特性を示す代表値であり、グレードや試験条件により変動する場合があります。

PEEK・他樹脂素材・金属素材との比較表と優位性分析

PEEK・他樹脂・金属の比較(代表値・目安)
特性項目 PEEK PTFE POM PPS A6061 SUS304
密度 (g/cm3) ≈1.32 ≈2.20 ≈1.41 ≈1.35 ≈2.70 ≈7.93
引張強度 (MPa) ≈90-110 ≈20-30 * ≈60-70 ≈70-90 * ≈310 ≈520
引張弾性率 (GPa) ≈3.6-4.0 低い * ≈2.7 ≈3.0-3.5 * ≈69 ≈193
連続使用温度 (℃) ≈250-260 ≈250-260 ≈85-105 ≈220 ≈150-200 ~870
吸水率(24h) (%) ≈0.1% 非常に低い * ≈0.2% 非常に低い *
耐薬品性 非常に高
電気絶縁性 × ×
加工性 やや低い *
加工事例 PEEK切削加工事例 PTFE切削加工事例 POM切削加工事例 PPS切削加工事例

※ 数値は無強化材の代表値(目安)です。
※ 樹脂物性はメーカー・グレード・試験条件により変動するため、一部の項目は数値ではなく傾向(高・中・低)で示しています。
※ 「≈」は代表的な目安値、「*」はグレードや評価条件により幅が出やすい項目を示します。

比較表から見るPEEK樹脂の優位点

  • 高温域での信頼性連続使用温度が約250〜260℃と高く、POMはもちろん、耐熱樹脂のPPS(約220℃)よりも高温側で安定します。
  • 耐熱と強度のバランス:PTFEと同等レベルの耐熱域を持ちながら、機械的強度は大きく上回る(目安:引張強度で約3〜5倍程度)ため、荷重のかかる部品に適します。
  • 軽量化に有利:樹脂として十分な剛性を持ちつつ、金属より軽量で、装置の軽量化・取り回し改善に寄与します。
  • 耐薬品性+電気絶縁性を同時に満たす:腐食環境や電気絶縁が必要な条件で、金属が使いにくい場面の代替材料として有効です。
  • 低吸水による寸法安定:吸水が小さく、環境変化による寸法影響を受けにくいため、精密部品の再現性を確保しやすい素材です。

PEEK樹脂の長所と短所

長所(メリット) 短所(デメリット)
◎ 卓越した耐熱性
連続使用温度250℃で高温環境に対応
△ 材料コストが高い
エンプラの中でも高価格帯
◎ 高い機械的強度
樹脂最高クラスで金属代替が可能
△ 加工条件の管理が必要
熱管理・工具選定が重要
◎ 軽量
金属の1/2〜1/6の重量
△ 熱膨張が金属より大きい
温度変化時は設計配慮が必要
◎ 耐薬品性・低吸水
寸法安定性に優れる
△ 溶剤接着が困難
機械的固定が基本
◎ 電気絶縁性・生体適合性
医療・半導体用途に対応
△ 透明性がない
光学用途には不向き

PEEK加工でよくあるトラブルと当社の対策

PEEK樹脂は高性能素材ですが、加工条件を誤ると品質トラブルにつながります。 当社では実績に基づく条件設計により、下記のような課題を未然に防いでいます。

よくあるトラブル 主な原因 当社の対策
寸法精度が出ない 切削熱による膨張・残留応力 切削条件の最適化粗・仕上げ工程分離で精度を安定化
表面粗さの悪化 工具摩耗・条件不適合 工具状態の管理仕上げ条件専用設定で面品位を維持
切りくずの絡み 排出不足・切削条件不良 切りくず処理を考慮した条件設計で安定加工
加工中の変形 固定圧過多・加工順序不良 適正チャック圧加工順序最適化で変形を防止
小径穴の不良・折損 熱集中・切りくず詰まり ペック加工切削油管理でφ1mm以下も安定対応
バリの発生 刃先鈍化・出口側支持不足 刃先管理仕上げ工程追加で外観品質を確保

※ 赤系:加工時に起こりやすいトラブル / 緑系:当社で実施している対策

当社のPEEK加工が活躍する分野

株式会社三森製作所では、PEEK樹脂の特性を活かした精密切削加工により、高い信頼性・耐熱性・寸法安定性が求められる分野向けの特注部品を製作しています。

  • 半導体製造装置:真空チャンバー内部品、絶縁部品、耐薬品性部品
  • 医療機器:滅菌対応部品、生体適合部品、試作・評価用部品
  • 航空宇宙分野:軽量化部品、耐熱・難燃部品、電気絶縁部品
  • 分析・計測機器:耐薬品性流路部品、精密機構部品
  • 自動車・EV関連:耐熱部品、電動化向け絶縁部品、軽量化部品
  • その他:化学プラント、食品機械、研究開発用途、小ロット試作など

PDF図面からの製作1個からの小ロット対応も可能です。PEEK加工の用途選定にお悩みの場合も、お気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. PEEKの加工は難しいですか?

A1. はい、難易度は高い素材です。耐熱性が高く工具摩耗が進みやすいため、専用工具や切削条件の最適化が重要です。

Q2. φ0.8の微細穴はどのように加工しますか?

A2. 微細ドリルを使用し、回転数・送り・切削油を最適化しながら慎重に加工します。折損防止のため段階加工を行うこともあります。

Q3. PEEKはどのような用途に使われますか?

A3. 半導体装置部品、医療機器、航空宇宙、電気絶縁部品など、高耐熱・高性能が求められる用途に使用されます。

Q4. PEEKとPOMの違いは何ですか?

A4. PEEKは耐熱性・強度に優れますが高価です。POMは加工性・コストに優れ、一般用途に広く使用されます。

Q5. 小ロットや試作にも対応できますか?

A5. はい、1個からの試作や小ロットにも対応可能です。図面・3Dデータをご支給いただければ柔軟に対応します。

Q6. どのくらいの精度で加工できますか?

A6. 内容によりますが、一般的に±0.01〜0.05mm程度の精度で加工可能です。微細加工ではさらに注意が必要です。

Q7. ネジ加工も対応できますか?

A7. はい、内ネジ・外ネジともに対応可能です。タップやスレッドミルを使用して精密に加工します。

Q8. 表面仕上げはどの程度ですか?

A8. 通常は切削仕上げですが、用途に応じて面粗さの調整や追加仕上げも対応可能です。

Q9. 支給材での加工は可能ですか?

A9. はい、可能です。ただし材料状態により加工難易度が変わるため、事前に確認させていただきます。

Q10. PEEKは薬品に強いですか?

A10. はい、多くの薬品に対して高い耐性を持ちます。ただし強酸・強アルカリ条件では注意が必要です。

Q11. 加工時の注意点は何ですか?

A11. 熱のこもりによる変形やバリの発生に注意が必要です。切削条件と工具選定が重要になります。

Q12. 見積もりはどのように依頼すればよいですか?

A12. 図面(PDF・CADデータ)をご用意のうえ、お問い合わせフォームよりご依頼ください。迅速に対応いたします。

ご注文から納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面支給お問い合わせメールフォーム、FAX(0553-32-1502)にて、図面支給の上ご相談ください。
  2. 図面確認・お見積り:図面内容を確認し、加工方法・材料・納期を検討のうえ、1〜2営業日以内にお見積りをご案内します。
  3. ご発注:お見積り内容をご確認いただき、注文書をメールまたはFAXでお送りください。
  4. 加工作業:CAD/CAMによるプログラム作成後、NC旋盤・マシニングで精密切削加工を行います。
  5. 最終検査:寸法測定・外観確認を行い、図面要求を満たしていることを確認します。
  6. 梱包・納品:検査合格後、適切に梱包し、指定の納品先へ発送します。

まとめ

PEEK樹脂は、耐熱性・機械的強度・耐薬品性に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックで、高い信頼性が求められる分野で金属代替材料として採用されています。

株式会社三森製作所では、NC旋盤による精密切削加工により、段・テーパー形状やφ0.8の微細穴を含むPEEK加工品を、PDF図面から1個単位で安定して製作しています。

PEEK加工でお困りの際は、図面を拝見したうえで最適な加工方法とお見積りをご提案いたします。どうぞお気軽にご相談ください。

電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで


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