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紙ベークライト切削加工品|穴あけ・皿ザグリ・ねじ加工

- プラスチック加工品例 -

紙ベークライト切削加工品|穴あけ・皿ザグリ・ねじ加工

紙ベークライト(茶紙フェノール樹脂)5tを、25×35mmの小物部品として精密切削した事例です。穴あけ・皿ザグリ・M4メスねじ加工を一貫対応し、電気絶縁部品や治具向けの特注製作に対応しています。

この記事の要点

  1. 紙ベークライト(茶紙フェノール樹脂)5t25×35mmの小物部品に精密切削した事例です。
  2. 穴あけ・皿ザグリ・M4メスねじの3種加工を一貫対応。電気絶縁部品・治具向けの特注製作です。
  3. 加工設備は3軸マシニング・ボール盤・タッピング盤を組み合わせ、FAX図面をもとに製作しています。
  4. 紙ベークライトは層状構造のため、送り・切削方向・工具状態の最適化が仕上がりのカギです。
  5. 関連情報:ベークライト加工品一覧ボール盤加工事例ねじ切り加工事例タップ加工事例フェノール樹脂素材解説
紙ベークライト(PF)5t 25×35×t5mm 小物切削加工品 皿ザグリ穴・M4メスねじ・貫通穴(3点)
【紙ベークライト切削加工品】小物部品でも座面の安定性ねじ品質を重視(完成品3点の全体写真)

紙ベークライト5tの穴あけ・ねじ加工(M4メスねじ)拡大/皿ザグリ詳細
皿ザグリ穴M4メスねじ】紙ベークライト5tの加工部拡大(穴位置・仕上がり確認)

紙ベークライト切削加工品の代表仕様
項目 内容
素材 紙ベークライト(茶紙フェノール樹脂)5t板材
外形寸法 35×25×厚み5t
加工内容 外形切削穴あけφ6.4皿ザグリM4メスねじ加工
加工設備 3軸マシニングセンターボール盤タッピング盤
仕上げ バリ取り糸面取り
図面支給 FAX図面をもとに製作

▶ これまで作った紙ベークライト加工製品は、紙ベークライト加工の一覧ページをご覧ください。

▶ 詳しい素材情報は、フェノール樹脂(ベークライト,PF)素材詳細ページで確認できます。


紙ベークライトの切削加工(穴あけ・ねじ加工)の詳細解説

紙ベークライト(茶紙フェノール樹脂)の切削加工は、優れた電気絶縁性と機械的強度を活かした精密部品製造において重要な加工技術です。本製品は、客先からFaxで届いた紙図面に基づき、当社が特注部品として受注生産いたしました。

使用した素材は茶紙ベークライト樹脂5t板材で、3軸マシニングセンター、ボール盤、タッピング盤を組み合わせた加工を実施しております。完成品の外形寸法は横35mm×縦25mm×厚み5tで、フラットエンドミル、ドリル、C面取りカッター、タップといった専用工具を使い分け、各工程で最適な切削条件を設定しています。

紙ベークライトは層状構造を持つため、切削方向と送り速度の調整が仕上がり品質に大きく影響します。当社では長年の加工経験により、材料特性を熟知した精密加工を実現しております。

これまで作ったベークライト加工製品事例は、ベークライト加工品の一覧ページからご覧いただけます。

本事例の穴あけ加工について

本事例における穴あけ加工は、単なる丸穴加工ではなく、用途に応じた3種類の穴加工で構成されています。

  • 貫通穴:部品固定や位置決めを目的としたφ3.4mmの貫通穴
  • ねじ下穴M4メスねじ加工に先立ち、適正径で加工した下穴
  • 皿ザグリ穴:ねじ頭を沈めるためのφ6.4mm皿ザグリ加工

これらを「穴あけ・ねじ加工」として一連で管理することで、ねじ精度・座面の安定性・外観品質を同時に確保しています。

紙ベークライト加工工程ステップ

  1. 図面の読み取り:Faxで支給された紙図面を確認し、加工順序・基準面を決定
  2. 材料準備:茶紙ベークライト(PF)5t板材を切断し、加工基準面を整える
  3. 外形加工:3軸マシニングセンターで外形を切削(フラットエンドミル)
  4. 穴あけ加工(貫通穴):φ3.4の貫通穴を加工(位置精度を重視)
  5. 穴あけ加工(皿ザグリ):φ6.4の皿ザグリで座面を形成
  6. 穴あけ加工(ねじ下穴):M4メスねじ用の下穴を適正径で加工
  7. ねじ加工(M4メスねじ):タップ加工でねじ精度を確保(2カ所)
  8. バリ取り・糸面取り:欠け・層間剥離を抑える条件で仕上げ
  9. 最終検査:寸法・外観(欠け/バリ/座面)を確認して出荷

紙ベークライト切削加工で注意すべきポイント

  • 切削速度の最適化:樹脂の熱変形を防ぐため適切な回転数設定が必要
  • 送り速度の調整:層間剥離を防止する慎重な送り制御を実施
  • 工具選定:超硬エンドミルによる長寿命と高精度の両立
  • エアブローの使用:摩擦熱による樹脂変質を防止
  • クランプ方法:変形を最小限に抑える適切な固定が重要
  • 切り屑処理:連続的な排出による加工精度維持と作業環境保全
  • 層方向の考慮:積層方向に配慮した加工計画の立案

本製品で使用した紙ベークライト樹脂について

本製品には茶紙ベークライト(紙基材フェノール樹脂)5t板材を使用しております。紙ベークライトは、クラフト紙を基材とした積層品で、優れた電気絶縁性と機械的強度を併せ持つ熱硬化性樹脂です。

ベークライト樹脂には、基材や特性により紙ベークライト、布ベークライト、ガラス布ベークライトなどの種類があり、用途によって最適な素材がチョイスされます。紙ベークライトは、コストパフォーマンスに優れ、電気絶縁用途に最も広く使用されるグレードです。

詳しい特性や種類については、フェノール樹脂(ベークライト,PF)の素材解説ページをご覧ください。

紙ベークライト樹脂の特性と優位性

  • 世界初の完全人工合成樹脂:1907年にレオ・ベークランドが開発。フェノールとホルムアルデヒドの重縮合で生成される熱硬化性樹脂です。
  • 優秀な電気絶縁性:体積抵抗率1012~1016 Ω・cmで、電気・電子部品の絶縁材料として広く採用されています。
  • 高い機械的強度:クラフト紙基材の積層構造により、曲げ強度150~200 MPa・圧縮強度180~250 MPaを実現。一般プラスチックを大きく上回ります。
  • 優れた耐熱性と寸法安定性:連続使用温度130~150℃。熱硬化性の特性により加熱でさらに硬化が進み、精密部品にも対応できます。
  • 高い切削加工適性:従来の金属加工機械で精密加工が可能。穴あけ・ねじ切り・外形加工など多様な機械加工に対応します。
  • 良好な耐薬品性:多くの有機溶剤や弱酸・弱アルカリに対して安定した性能を維持します。

紙ベークライト樹脂の主要特性

紙ベークライト(茶紙フェノール樹脂)の主要物性データ
特性項目 数値 単位
密度 1.35~1.45 g/cm3
曲げ強度 150~200 MPa
圧縮強度 180~250 MPa
引張強度 40~70 MPa
衝撃強度(アイゾット) 0.2~0.4 J/cm
連続使用温度 130~150
体積抵抗率 1012~1016 Ω・cm
絶縁破壊強度 10~20 kV/mm
線膨張係数 20~30 ×10-6/K
吸水率(24h) 0.3~1.2 重量%

※ 上記数値は測定値であり、保証値ではありません。設計時には各材料メーカーのデータをご確認ください。

紙ベークライト・他樹脂素材・金属素材との比較表と優位性分析

紙ベークライトと主要樹脂・金属素材の特性比較
特性 紙ベークライト ガラスエポキシ樹脂 ABS樹脂 高密度ポリエチレン アルミ 鋼材
密度(g/cm3 1.40 1.80 1.05 0.96 2.70 7.85
曲げ強度(MPa) 175 425 60 35
引張強度(MPa) 55 290 45 28 240 400
体積抵抗率(Ω・cm) 1014 1014 1015 1016 10-6 10-4
連続使用温度(℃) 140 155 80 85 200 500
コスト指数 3 5 2 1 4 6
切削加工性
汎用性
加工事例 紙ベークライト加工事例 ガラスエポキシ樹脂加工事例 ABS樹脂加工事例 ポリエチレン加工事例

凡例:■紙ベークライト ■他の樹脂素材 ■金属素材

紙ベークライト樹脂の優位点

上記比較表から読み取れる紙ベークライトの優位性は以下の通りです:

  • 優秀な電気絶縁性:金属材料と比べて圧倒的に高い絶縁性能(体積抵抗率1014 Ω・cm)
  • 高い機械的強度:ABS樹脂の約3倍、高密度PEの5倍の曲げ強度
  • 優れた耐熱性:ABS樹脂より60℃、高密度PEより55℃高い連続使用温度
  • 軽量性:アルミニウムの約半分、ステンレス鋼の約1/6の重量
  • コストバランス:ガラスエポキシの6割程度のコストで良好な性能
  • 切削加工性:金属加工機械で高精度加工が可能
  • 寸法安定性:熱変形が少なく精密部品に適用可能
  • 汎用性:電気・機械の両分野で幅広く使用可能

ベークライト樹脂のバリエーション

  • 紙ベークライト(紙フェノール)
    クラフト紙を基材とした最も一般的なグレードです。優れたパンチング性と加工性を持ち、電気絶縁部品や機械部品に広く使用されます。コストパフォーマンスに優れ、量産品にも適しています。色調は茶色系で、電気絶縁用途に最適です。
  • 布ベークライト(布フェノール)
    綿布を基材とした高強度グレードです。紙ベークライトより機械的強度が高く、特に衝撃強度に優れているため、歯車や軸受など高負荷部品に使用されることもあります。ただし、価格は紙ベークライトの約2倍です。
  • ガラス布ベークライト
    ガラス繊維布を基材とした最高強度グレードです。優れた寸法安定性と耐熱性を持ち、航空宇宙や精密機械分野で採用されます。透明感のある外観で、最も高い性能を発揮しますが、コストも最も高価です。
  • 難燃ベークライト
    UL94 V-0グレードの難燃性を持つ特殊グレードです。自己消火性があり、高い防火性能が要求される電気機器や建築材料に使用されます。通常の紙ベークライトはHBグレードですが、難燃グレードはより厳しい防火基準に対応します。

紙ベークライト樹脂の長所・短所分析

紙ベークライト樹脂の長所・短所まとめ
区分 項目 詳細説明
長所 優秀な電気絶縁性 体積抵抗率1014 Ω・cmの高絶縁性能で、配電盤や変圧器の絶縁材として最適
高い機械的強度 曲げ強度175MPa、圧縮強度200MPaで、構造材料としても使用可能
優れた耐熱性 連続使用温度140℃、熱硬化性による高い寸法安定性
良好な加工性 切削、穴あけ、ねじ切り等の機械加工が容易で、精密加工が可能
寸法安定性 線膨張係数25×10-6/K、精密部品に適用可能
耐薬品性 多くの有機溶剤や弱酸・弱アルカリに耐性あり
短所 脆性材料 衝撃に対して脆く、急激な力で割れやすい(衝撃強度0.2~0.4 J/cm)
吸湿性 吸水率0.3~1.2%で、湿度変化により寸法変化が生じる場合がある
色調の制約 茶色系と黒色系の色調に限定され、他の着色が困難
リサイクル困難 熱硬化性樹脂のため再成形が不可能、廃棄時の処理が必要

紙ベークライト加工でよくあるトラブルと当社の対策

紙ベークライト切削加工のトラブルと対策一覧
トラブル 主な原因 当社の対策
層間剥離の発生 送り速度が速すぎる、工具の摩耗 適切な送り速度の設定、定期的な工具交換
切削面の焼け 切削速度過多、摩擦熱の蓄積 最適回転数の選定、適切なクーラント使用
タップ時の割れ 下穴径不適切、タップ進入速度過大 適正下穴径の選定、手送りによる慎重な加工
エッジ部の欠け 工具の切れ味不足、クランプ不良 鋭利な工具使用、適切な固定方法の選択
寸法精度の低下 材料の吸湿による変形、熱変形 材料の前処理、加工環境の温湿度管理

紙ベークライト切削加工でお困りのことがございましたら、豊富な加工経験を持つ当社にお気軽にご相談ください。

当社の紙ベークライト加工が活躍する分野

紙ベークライト切削加工は、その優れた電気絶縁性と機械的特性を活かし、多岐にわたる分野で活用されています。当社では、小ロット対応から量産まで、お客様のニーズに合わせた柔軟な製造体制で対応いたします。

  • 電気・電子分野
    配電盤絶縁板変圧器絶縁部品遮断器絶縁材端子台コネクタハウジング電気計器筐体などの電気絶縁用途に最適です。体積抵抗率1014 Ω・cmの高い絶縁性能を活かし、安全性が要求される電気機器部品として広く採用されています。
  • 機械・産業分野
    治具固定具スペーサー絶縁スペーサー座金工作機械部品製造装置部品など、機械的強度と寸法安定性が求められる部品加工に対応します。特に、本製品のような特注精密加工部品の製造を得意としております。
  • 自動車・輸送機器分野
    電装品ケースECUハウジングエンジン周辺絶縁部品などに使用されます。耐熱性と耐薬品性を活かし、過酷な使用環境下でも安定した性能を発揮します。
  • 試作・開発分野
    1個からの小ロット対応が可能なため、新製品開発や試作品製造にも最適です。図面段階からのご相談も承り、最適な加工方法をご提案いたします。当社の強みである小ロット・短納期対応で、お客様の開発スピードをサポートします。
主な加工実績分野
  • 電気絶縁部品(配電盤、変圧器、遮断器、制御器)
  • 機械部品(治具、スペーサー、固定具、座金)
  • 電子機器部品(端子台、コネクタ、筐体)
  • 自動車電装部品(ECUハウジング、絶縁材)
  • 製造装置部品(工作機械、検査装置)
  • 試作品・開発品(1個~小ロット対応)

よくある質問(FAQ)

Q1. 紙ベークライトの最大板厚はどのくらいまで対応できますか?

A1. 通常は0.4mm~60mmまで対応可能です。厚物は段階加工で精度を確保し、60mm超もご相談いただけます。

Q2. 紙ベークライトの切削加工で注意すべき点は何ですか?

A2. 切削速度と送りの最適化が重要です。層状構造のため条件を誤ると剥離や焼けが発生しやすく、適切な工具とクーラント管理が品質を左右します。

Q3. ねじ加工時に割れが発生することはありませんか?

A3. 適正な下穴径と低負荷加工で割れを防止できます。当社では手送りによる慎重なねじ加工を行い、M4などの細ねじでも安定した品質を確保しています。

Q4. 紙ベークライトの公差はどの程度まで対応可能ですか?

A4. 一般公差は±0.1mm、精密加工では±0.025~±0.05mmに対応可能です。吸湿による変化も考慮し、使用環境に応じた公差設計をご提案します。

Q5. 小ロット生産や試作品の対応は可能でしょうか?

A5. 1個からの小ロット対応が可能です。試作品や特注品も、図面確認から最適な加工方法をご提案いたします。

Q6. 紙ベークライトの耐薬品性はどの程度ですか?

A6. 有機溶剤や弱酸・弱アルカリに対して良好な耐性があります。ただし強酸・強アルカリなどの条件では注意が必要なため、用途に応じて判断します。

Q7. 表面処理や後加工は可能ですか?

A7. 研磨加工サンドブラスト加工、さらにインサート加工にも対応可能です。用途に応じて最適な後加工をご提案します。

Q8. 納期はどの程度見込めばよいでしょうか?

A8. 標準的な部品で5~7日程度です。複雑形状や特殊仕様の場合は2~3週間となることがあります。

Q9. 材料の在庫状況や調達期間はいかがですか?

A9. 一般的な板材は在庫対応可能です。特殊サイズや厚物は1~2週間程度で調達します。

Q10. 図面がない場合でも対応してもらえますか?

A10. 現物やスケッチからの図面化にも対応しています。FAX図面のような簡易図面からでも製作可能です。

Q11. 他の樹脂材料との使い分けについて教えてください

A11. 電気絶縁用途なら紙ベークライト、より高強度なら布ベーク、さらに高性能用途ではガラスエポキシ樹脂を選定します。

Q12. 紙ベークライトは屋外使用に適していますか?

A12. 屋外長期使用には不向きです。紫外線や吸湿の影響があるため、用途によっては他材料の選定をご提案します。

加工依頼から納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面送付:メール/電話でご相談ください。図面はPDF・CAD・FAXに対応(図面なしはスケッチ・現物でも相談可)。
  2. 仕様確認・加工方法のご提案:用途・公差・数量・納期を確認し、最適な工程/材質/代替案をご提案します。
  3. お見積り提出:加工費・材料費・納期を明記した見積書を迅速にご提出します。
  4. ご注文・製作開始:ご注文確定後、材料手配と加工プログラム作成を進め、製作に入ります。
  5. 加工・検査:加工後に寸法/外観を確認し、必要に応じて工程内チェックを行います。
  6. 梱包・出荷:輸送中の破損を防ぐ丁寧な梱包で出荷します。

まとめ

本事例は、紙ベークライト(茶紙フェノール樹脂)5t25×35×t5mmで精密切削し、貫通穴皿ザグリM4メスねじ(下穴?タップ)を一連工程で仕上げた小物加工例です。

紙ベークライトは層状構造のため、条件次第で欠け・剥離・割れが起きやすい素材ですが、当社では切削方向・送り・工具状態を最適化し、穴位置・座面・ねじ品質を安定させます。

紙ベークライトの穴あけ・皿ザグリ・タップ(M4など)で「欠け・剥離・割れ」が気になる場合は、図面(FAX/PDF)をお送りください。加工条件も含めて最適工程でご提案します。

お問い合わせメールフォーム

電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで


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