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ABS樹脂切削加工品|3次元形状の精密切削事例

- プラスチック加工品例 -

ABS樹脂切削加工品|3次元形状の精密切削事例

ABS樹脂板材から、9t×80×80mmの部品を製作し、マシニングセンター3次元形状と穴加工を高精度に仕上げた切削事例です。

この記事の要点

  1. ABSの3次元切削事例:9t×80×80mm、ナチュラル色ABSをマシニング+ボールエンドミルで精密3D加工。
  2. 工程の見える化:図面確認→CAD/CAM→外形→平面→穴→3D→バリ取り→検査までを明示。
  3. 加工上の注意:切削速度・送り・冷却・固定・残留応力・切り屑排出・環境管理。
  4. 素材特性:靭性/寸法安定/表面性/コスト/電気絶縁/難燃グレード選択可。
  5. 関連リンクABS樹脂切削加工事例一覧ABS樹脂マシニング加工事例一覧公差データ主要設備一覧見積依頼メール(図面アップロード可)
ABS樹脂の3次元切削加工品 9t×80×80mm|マシニングセンター・ボールエンドミル仕上げ(ナチュラル色・全体写真)
ABS樹脂の3次元切削加工品|9t×80×80mm・MC加工・ボールエンドミル仕上げ

ABS樹脂の3次元切削加工品 9t×80×80mm|ボールエンドミルによる表面仕上げ拡大(ナチュラル色)
ABS樹脂の3次元切削加工品|9t×80×80mm・MC加工・ボールエンドミル仕上げ

ABS樹脂切削加工品の代表仕様
項目 内容
素材 ABS樹脂(ナチュラル色板材)
外形寸法 9t×80×80mm
加工内容 3次元形状加工、穴あけ加工、外形加工、平面加工
加工設備 マシニングセンター
仕上げ ボールエンドミル仕上げ、バリ取り
図面支給 PDF図面支給に対応

ABS樹脂切削加工の詳細解説

本製品は、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)のナチュラル色板材を使用し、マシニングセンターによる3次元精密切削加工で製作した特注部品です。お客様支給のPDF図面をもとに、CAD/CAMで3次元NCプログラムを作成し、高精度な加工を実現しています。

ABS樹脂切削加工工程ステップ

  1. 図面確認とプログラム作成:PDF図面を確認し、CAD/CAMで加工経路・工具選定・切削条件を最適化した3次元NCプログラムを作成します。
  2. 材料準備:ナチュラル色ABS板材を必要サイズにカットし、反りや歪みがないか確認します。
  3. マシニングセンターへのセッティング:変形を防ぐため、適切な固定方法でABS板材をテーブルに固定します。
  4. 外形加工:フラットエンドミルで外形寸法を高精度に仕上げます。
  5. 表面加工:フルバックカッター(正面フライス)で平面部を滑らかに仕上げます。
  6. 穴あけ加工:ドリルで貫通丸穴を加工し、穴位置精度と真円度を確保します。
  7. 3次元切削加工:ボールエンドミルで内側・底面の斜め形状を3次元的に仕上げます。複雑な斜面や曲面にも対応します。
  8. 仕上げ・バリ取り:バリを除去しエッジ部を整え、品質を最終確認します。
  9. 検査・梱包:寸法測定器で各部を検査し、図面通りに仕上がっていることを確認後、梱包して納品します。

ABS樹脂切削加工で注意すべきポイント

  • 切削速度の管理:熱可塑性のため速すぎると摩擦熱で溶融します。100-200m/min程度を維持し発熱を抑えます。
  • 工具選定:超硬合金製の鋭利な刃先を使用。すくい角5-10°、逃げ角10-15°程度が適切です。摩耗した工具はバリや表面粗さ悪化の原因となるため定期交換が必要です。
  • 送り速度の設定:遅すぎると摩擦熱が蓄積し、速すぎると切削抵抗で変形します。0.1-0.3mm/刃程度に設定します。
  • 切削油の使用:エアブローによる冷却が一般的です。油性切削油はABS樹脂を劣化させる可能性があるため、必要時は水溶性を使用します。
  • 固定方法の工夫:比較的柔らかいため、締め付け過ぎで変形します。樹脂製当て板などで均等に力を分散させます。
  • 残留応力への配慮:加工後に反りが生じることがあります。粗加工と仕上げ加工を分け、応力解放の時間を設けます。
  • 切り屑の除去:切り屑の付着は表面粗さの悪化や寸法精度低下を招くため、エアブローで確実に除去します。
  • 加工環境の管理:吸湿性があり温度変化で寸法変化が起こりやすいため、加工室の温湿度を安定させます。

本製品で使用したABS樹脂について

本製品にはABS樹脂のナチュラル色板材を使用しています。ABS樹脂は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンの3つのモノマーを共重合させた熱可塑性樹脂で、それぞれの長所を活かした汎用エンジニアリングプラスチックです。

一般グレード、難燃グレード、耐熱グレード、ガラス繊維強化グレードなど用途に応じた選択が可能で、色はナチュラル色(アイボリー色)や黒色などがあります。

▶ ABS樹脂の詳しい特性や種類については、樹脂加工ドットコムのABS樹脂素材解説ページをご覧ください。

ABS樹脂の特性と優位性

  • 機械的強度と靭性のバランスが優秀:衝撃に強く割れにくいため、落下や衝撃が想定される部品に適しています。
  • 寸法安定性に優れる:成形収縮率が小さく、切削加工後の反りや変形が少ないため、精密部品の製作に向いています。
  • 表面光沢が良好:塗装性・メッキ性にも優れ、外観部品として広く使用されています。
  • 加工性が良好:切削加工、接着、溶接など多様な加工方法に対応でき、適切な条件設定で高品質な製品を製造できます。
  • コストパフォーマンスが高い:比較的安価で入手しやすく、試作から量産まで幅広い用途に採用されています。
  • 耐薬品性:酸・アルカリ・アルコール類に安定。ただしケトン類や芳香族溶剤には侵されるため使用環境に注意が必要です。
  • 電気絶縁性:電気・電子部品の筐体や絶縁部品に使用可能。難燃グレード選択でUL規格にも対応できます。

ABS樹脂の主要特性(物性値)

特性項目 単位 数値
密度 g/cm3 1.04-1.06
引張強度 MPa 40-50
引張弾性率 GPa 2.0-2.5
曲げ強度 MPa 60-80
アイゾット衝撃強度(ノッチ付) kJ/m2 15-25
ロックウェル硬度 Rスケール 105-115
熱変形温度(0.45MPa) 90-105
線膨張係数 10-5/K 7-9
吸水率(24時間) % 0.2-0.4
連続使用温度 70-90

ABS樹脂・他樹脂素材・金属素材との比較表

特性項目 ABS樹脂 ポリカーボネート
(PC)
アクリル
(PMMA)
アルミニウム
合金
ステンレス
密度(g/cm3 1.05 1.20 1.18 2.70 7.93
引張強度(MPa) 45 60-65 70-75 240-310 520-750
引張弾性率(GPa) 2.3 2.4 3.2 69 193
衝撃強度(kJ/m2 20 60-70 2-3
熱変形温度(℃) 95 130-140 90-100
切削加工性 優良 良好 良好 優良 普通
コスト(指数) 100 150-180 130-150 200-250 300-400
汎用性 非常に高い 高い 高い 高い 高い
電気絶縁性 優良 優良 優良 導電 導電
耐候性 普通 優良 優良 良好 優良
加工品事例 ABS樹脂加工品事例 ポリカーボネート加工品事例 アクリル加工品事例

比較表から見るABS樹脂の優位点

  • 最軽量クラスの密度:金属比約1/3-1/8の軽さで、軽量化ニーズや輸送コスト削減に貢献します。
  • 優れた切削加工性:マシニングセンターでの精密加工が容易で、高い寸法精度と良好な表面仕上げを安定して得られます。
  • 最も低いコスト指数:他の樹脂・金属素材と比較して1.3-4倍のコストメリットがあります。
  • 衝撃強度のバランス:アクリル比約7-10倍の衝撃強度を持ち、実用部品として信頼性が高いです。
  • 電気絶縁性:金属のような導電性がなく、電気・電子機器の筐体や部品に適しています。
  • 高い汎用性:入手性が良く、板材・丸棒など形状バリエーションも豊富。小ロットから柔軟に対応可能です。

ABS樹脂の長所と短所

分類 内容
長所 機械的強度と靭性のバランスが優秀。剛性と衝撃吸収性を両立し、実用部品として信頼性が高い。
長所 切削加工性が良好で、マシニングセンターによる精密加工に適している。
長所 表面光沢と塗装性に優れる。外観部品としての適性が高く、メッキ処理も可能。
長所 コストパフォーマンスが高い。他の樹脂・金属素材と比較して材料費が安価。
長所 電気絶縁性を持つ。電気・電子機器の部品に適しており、難燃グレードも選択可能。
短所 耐熱温度が比較的低い(連続使用温度70-90℃)。高温環境では変形の恐れがある。
短所 耐候性がやや劣る。長期屋外使用では紫外線により黄変・強度低下の可能性がある。
短所 ケトン類や芳香族溶剤に侵される。特定の化学薬品との接触には注意が必要。
短所 吸湿性があり寸法変化が起こりやすい。高精度加工では加工環境の管理が重要。

ABS樹脂加工でよくあるトラブルと当社の対策

トラブル 主な原因 当社の対策
加工面の溶融・焼け 切削速度過大、工具摩耗、切り屑滞留による発熱 適切な切削速度設定、鋭利な工具使用、エアブローによる冷却・切り屑除去
寸法精度の低下 固定不良、切削抵抗による変形、温湿度変化 均等な固定力分散、切削条件最適化、加工環境の温湿度管理
表面粗さの悪化 工具の摩耗・欠損、送り速度不適切、ビビリ振動 定期的な工具交換、送り速度微調整、剛性の高い固定方法
バリの発生 工具の切れ味低下、切削条件不適切、材料軟化 鋭利な工具使用、切削速度・送り速度最適化、丁寧なバリ取り
加工後の反り・変形 残留応力の解放、固定時の過大な締め付け、発熱 粗加工と仕上げ加工の分離、応力解放時間確保、適切な固定方法
割れ・欠け 切削抵抗過大、工具鈍化、低温環境での加工 切削条件の適正化、鋭利な工具使用、常温環境での加工

ABS樹脂の切削加工でお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。

当社のABS樹脂加工が活躍する分野

当社では、ABS樹脂切削加工による特注精密部品を多様な産業分野に提供しています。1個からの小ロット対応や試作開発から量産まで、柔軟に対応いたします。

試作・開発分野では、1個から数個の小ロットで試作部品を迅速に製作し、設計検証や機能確認を効率的に進められます。図面変更にも柔軟に対応します。

本製品のような特注精密加工部品は、マシニングセンターによる3次元切削加工で、標準品では対応できない特殊形状や厳しい公差指定にも対応します。

主な加工実績分野

  • 電気・電子機器分野:絶縁部品、筐体、カバー、コネクタ部品、基板固定部品など
  • 自動車関連分野:内装部品、試作部品、治具、検査具など
  • 産業機械分野:機械部品、カバー、ガイド部品、ハウジングなど
  • 医療機器分野:非金属部品、試作部品、ケース類など
  • 検査・測定機器分野:治具、固定具、ゲージ部品など
  • 研究開発分野:実験装置部品、試験治具、試作モデルなど

図面をお持ちであれば、まずはお気軽にお問い合わせください。

よくある質問(FAQ)

Q1. ABS樹脂の切削加工は1個から対応できますか?

A1. はい、1個からの小ロット対応が可能です。試作から量産まで柔軟に対応いたします。

Q2. ABS樹脂の切削加工で達成できる寸法精度はどの程度ですか?

A2. 当社のマシニングセンターでは、一般公差±0.1mm、厳しい箇所では±0.05mm-±0.02mm程度の精度を実現しています。図面の公差指定に応じて対応いたします。

Q3. PDF図面だけで見積もりは可能ですか?

A3. はい、PDF図面をご支給いただければ見積もり作成が可能です。材料費・加工費・納期を含めた詳細なお見積書を作成いたします。

Q4. 納期はどのくらいかかりますか?

A4. 形状や数量により異なりますが、一般的な小ロット品(1-10個程度)で5-7日程度が目安です。短納期対応も可能ですのでご相談ください。

Q5. ABS樹脂以外の樹脂素材の切削加工もできますか?

A5. はい、対応可能です。ポリカーボネートPC)、アクリルPMMA)、ポリアセタールPOM)、6ナイロン(6PA)、66ナイロン(66PA)、PEEKテフロンPTFE)など、各種エンジニアリングプラスチックに対応しております。素材選定からご相談いただけます。

Q6. 加工後の表面仕上げや追加工は可能ですか?

A6. 可能です。バリ取り、面取り、研磨仕上げのほか、タップ加工、インサート埋め込み、接着組立などの追加工も承ります。

Q7. ABS樹脂の色は選べますか?

A7. はい、選択可能です。ナチュラル色(アイボリー)、黒色などの板材を在庫しています。お気軽にご相談ください。

Q8. 図面がなくても加工できますか?

A8. 基本的には図面が必要ですが、サンプル品や手書きスケッチからの製作も可能です。当社でCAD図面を作成し、確認いただいた上で加工を進めます。

Q9. ABS樹脂は屋外で使用できますか?

A9. ABS樹脂は屋外での長期使用にはあまり適していません。紫外線により黄変や強度低下が生じます。屋外使用には、耐候性に優れたポリカーボネートアクリルなどをご提案いたします。

Q10. 加工中に材料が割れることはありますか?

A10. ABS樹脂は靭性が高く、適切な加工条件であれば割れにくい素材です。当社では切削速度・送り速度・工具選定を最適化し、材料への負担を最小限に抑えています。

Q11. マシニングセンター加工以外の方法も対応できますか?

A11. はい、旋盤加工、フライス加工、穴あけ加工、タッピング加工など、さまざまな加工方法に対応しております。製品形状に応じて最適な方法をご提案いたします。

Q12. 遠方からでも依頼できますか?

A12. はい、北海道から沖縄まで全国からのご依頼実績がございます。図面はメールやFAXで受付可能で、製品は宅配便にて安全に梱包してお届けいたします。

ご注文から納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面支給お問い合わせメールフォーム、メール、FAX(0553-32-1502)にて図面やCADデータをご支給ください。
  2. 図面確認と見積書作成:加工内容・材料・数量・納期を検討し、詳細なお見積書を作成いたします。
  3. 見積書のご提出:メールまたはFAXにてお見積書をお送りします。
  4. ご検討・注文書のご発行:内容をご確認後、注文書をご発行ください。正式受注後、加工準備を開始します。
  5. 材料手配とプログラム作成:材料手配とCAD/CAMによるNCプログラム作成を行います。
  6. 加工・製作:マシニングセンターなどで精密切削加工を行います。
  7. 検査・品質確認:寸法測定器で各部を検査し、図面通りの仕上がりを確認します。
  8. 梱包・出荷:検査合格後、丁寧に梱包しご指定の納品先へ発送いたします。
  9. 納品完了:不具合がございましたら速やかに対応いたします。

まとめ

当社のABS樹脂切削加工サービスは、お客様支給のPDF図面をもとに、高精度な特注部品を1個から製作いたします。マシニングセンターを活用した3次元切削加工により、複雑な形状や厳しい公差要求にも対応可能です。

ABS樹脂は、機械的強度・靭性・加工性・コストのバランスに優れたエンジニアリングプラスチックです。当社は長年の樹脂加工実績により、ABS特有の加工課題を熟知し、安定した高品質製品を製造いたします。

小ロットの試作から量産まで柔軟に対応し、お客様の開発スピード向上とコスト削減に貢献いたします。ABS樹脂の切削加工でお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。

お問い合わせメールフォーム

電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで



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