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テフロン切削加工|楕円穴・C面取りの精密加工事例

- プラスチック加工品例 -

テフロン切削加工|楕円穴・C面取りの精密加工事例

PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、テフロン)旋盤・マシニングセンター切削加工事例です。外径φ12×長さ8mmの丸棒材に楕円穴4個とC面取りを施した精密部品の製作内容を解説します。

この記事の要点

  1. PTFE(テフロン)切削加工品として、外径φ12×長さ8mmの丸棒材から旋盤とマシニングセンターを組み合わせて精密部品を製作した事例を解説します。
  2. マシニングセンターにより短軸1.65mm×長軸3.4mmの貫通楕円穴を4個加工し、両側にC0.5面取りを施す工程のポイントと注意点を詳しく説明します。
  3. PTFEの連続使用温度260℃引張強度20〜35 MPa摩擦係数0.05〜0.1などの主要物性値と、PCTFE・PVDF・PFAとの比較表を掲載しています。
  4. PTFE加工でよくある寸法精度不良・バリ発生・ワーク変形などのトラブルと、当社の具体的な対策を一覧表で確認できます。
  5. 試作1個からの小ロット対応、よくある質問(12問)、ご依頼から納品までの流れも掲載しています。
PTFE(テフロン)切削加工品、外径φ12×長さ8mm、楕円穴4個・C0.5面取り加工品を8個並べ手前をクローズアップして斜め上から撮影
PTFE(テフロン)切削加工品、外径φ12×長さ8mm旋盤による外径仕上げマシニングセンターによる楕円穴加工(短軸1.65×長軸3.4mm)、C0.5面取りを両側に施した精密部品。完成品8個を並べ、楕円穴とC面取りの形状がわかりやすいよう、手前の製品をクローズアップして斜め上から撮影しています。
表1:PTFE切削加工品の代表仕様
項目内容
素材PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、ポリ四ふっ化エチレン、テフロン)樹脂丸棒
外形寸法外径φ12×長さ8mm
加工内容外径仕上げ、楕円穴4個加工(短軸1.65mm×長軸3.4mm・端部R0.38・貫通)、C0.5面取り(楕円穴両側)、糸面取り・バリ取り
加工設備旋盤マシニングセンター
使用工具バイト、フラットエンドミル、C面取りカッター
仕上げ糸面取り・バリ取り(手作業)、寸法検査
図面支給Fax支給図面をもとに加工計画を作成
ロット1個からの小ロット対応

※ 上記は本事例の代表仕様です。詳細寸法・公差・検査項目は図面指示に応じて個別対応いたします。

当社の加工実績:掲載加工事例543件(2026年5月現在)。PTFEを含む樹脂素材の小ロット加工を多数手がけており、試作1個からご対応しています。

PTFE精密部品の加工内容と加工方法

工程設計の要点

  1. 図面確認と素材準備:Fax支給図面を詳細に検討し、PTFE丸棒材を適切な長さにカットして加工計画を立てる。
  2. 旋盤による外径加工:バイトを用いて外径φ12×長さ8mmに仕上げる(次工程固定のための仕上げ代を確保)。
  3. マシニングセンターへの固定:柔軟なPTFEが変形しないよう、専用治具で適切なクランプ圧力を管理しながら固定する。
  4. 楕円穴加工:フラットエンドミルを用いて、短軸1.65mm×長軸3.4mm(端部R0.38)の貫通楕円穴を4個加工する。
  5. C面取り加工:C面取りカッターにより、楕円穴の両側口元にC0.5の面取りを施す。
  6. 糸面取り・バリ取り:手作業でエッジ部を丁寧に仕上げ、表面品質を確保する。
  7. 寸法検査・梱包・出荷:図面仕様と全寸法を照合確認し、適切に梱包のうえ宅配便で出荷する。

PTFE切削加工で注意すべきポイント

  • 素材固定の工夫:PTFEは弾性変形しやすいため、クランプ圧力が強すぎると変形する。専用治具とバックアップ材を使い、適切な圧力で固定する。
  • 工具選定:刃先の鋭い超硬エンドミル・バイトを使用し、切削抵抗を最小限に抑える。工具摩耗が進むとバリが発生しやすくなるため、定期的な交換が重要。
  • 切削条件の最適化:PTFE特有の粘性と柔軟性から送り量・回転数を適切に設定する。高速すぎると溶融変形、低速すぎるとバリ発生につながる。
  • 温度管理:PTFEは熱膨張率が金属の5〜10倍と高く、加工中の温度上昇が寸法精度に直結する。必要に応じて冷却を行う。
  • 楕円穴精度の確保:小径エンドミルによる工具たわみが楕円穴精度に影響するため、剛性の高い工具選定と送り量の調整が重要。
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電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで

本製品で使用したPTFEについて

本製品にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の丸棒材を使用しています。「テフロン」の商標名でも広く知られるフッ素樹脂の代表格で、連続使用温度260℃の優れた耐熱性と、ほぼすべての化学薬品に対する高い耐性を持ちます。グレードは汎用(バージンPTFE)のほか、ガラス繊維・カーボン・青銅・MoS2を充填した機能グレードがあり、詳細はふっ素樹脂素材解説ページをご覧ください。支給品がどのグレードであっても、追加工にご対応いたします。

PTFEの特性と優位性

  • 超低摩擦性:摩擦係数0.05〜0.1は固体材料中で最小レベル。無潤滑での摺動部品に最適です。
  • 卓越した耐薬品性:強酸・強アルカリ・有機溶剤を含むほぼすべての化学薬品に不活性で、半導体・化学プラント分野での使用実績が豊富です。
  • 広い使用温度範囲-200℃〜+260℃という幅広い温度域で安定した性能を発揮します。
  • 卓越した電気絶縁性:体積抵抗率1018 Ω・cm、誘電率2.1と高周波特性に優れ、電子部品や高電圧機器に適しています。
  • 非粘着性・耐候性・難燃性:表面エネルギーが極めて低く汚れが付着しにくい。紫外線・酸素による劣化もほとんどなく、UL94 V-0の難燃性を持ちます。

PTFEの主要物性値

表2:PTFE樹脂の主要物性値
物性項目数値単位測定規格
密度2.13〜2.20g/cm3JIS K7112
融点327JIS K6935
連続使用温度260JIS K7726
熱膨張係数10〜20×10-5/KASTM D696
引張強度20〜35MPaJIS K7162
伸び200〜400%JIS K7162
摩擦係数(対鋼材)0.05〜0.1JIS K6935
体積抵抗率>1018Ω・cmJIS K6911
誘電率(1MHz)2.1JIS K6935
熱伝導率0.23W/m・KJIS A1412
ショアD硬度50〜65JIS K7215

※ 出典:日本弗素樹脂工業会公表データおよびJIS規格。数値はバージンPTFEの代表値です。

PTFEと他素材との比較

PTFEは「超低摩擦性」「耐薬品性」「高温対応」を同時に求める用途で特に優位性を発揮します。 一方で、機械的強度や寸法安定性を重視する場合は、PCTFE・PEEK・金属材なども候補になります。

■ PTFE(対象樹脂) ■ 他の樹脂素材 ■ 金属素材

表3:PTFE・PCTFE・PVDF・PFA・SUS316・A5052の特性比較
比較項目PTFEPCTFEPVDFPFASUS316A5052
密度(g/cm3 2.13〜2.20 2.10〜2.16 1.75〜1.78 2.12〜2.17 7.93〜8.00 2.68
連続使用温度(℃) 260 120 120 250 800+ 約200
摩擦係数 ◎ 0.05〜0.1 ○ 0.2〜0.3 ○ 0.2〜0.3 ◎ 0.05〜0.1 △ 0.4〜0.6 △ 0.4〜0.5
耐薬品性 ◎ 超優秀 ◎ 優秀 ○ 良好 ◎ 超優秀 △ 限定的 △ 限定的
電気絶縁性(Ω・cm) ◎ 1018 ◎ 1016〜17 ○ 1014 ◎ 1018 × 導電体 × 導電体
引張強度(MPa) 20〜35 30〜40 45〜55 25〜35 480〜650 220
コスト指数 極高 中高 極高
切削加工性 ○(専門技術要) ○(専門技術要) △(困難)
切削加工事例 PTFE切削加工事例 PCTFE切削加工事例 PVDF切削加工事例 PFA切削加工事例

※ ◎優秀・○良好・△やや劣る・×不適。数値は代表値です。連続使用温度は無負荷条件の目安です。

PTFEを選ぶべきケース・再検討すべきケース

表4:PTFEを選ぶべきケース・再検討すべきケース
PTFEが向いているケース他素材も検討すべきケース
強酸・強アルカリに長期間直接接触する用途 弱い薬液に触れる程度(コスト優先ならPVDF・PPも選択肢)
無潤滑・低速での摺動部品(最低摩擦係数が必要) 高荷重・高速摺動が必要な用途(PEEK・金属を検討)
-200℃以下の極低温から+260℃の高温環境 室温近傍での使用(汎用樹脂でも対応可)
電気絶縁・低誘電率が最優先の高周波用途 機械的強度が最優先(PEEK・SUSを検討)
食品・医療・半導体向けのFDA規格対応部品 コスト優先の汎用部品(POM・PPが候補)

※ 素材選定に迷う場合はお気軽にご相談ください。用途に合わせて最適なグレードをご提案いたします。

PTFEの長所・短所

表5:PTFE樹脂の長所・短所
長所(優れた特性)短所(注意すべき特性)
超低摩擦性:摩擦係数0.05〜0.1で固体材料中最小レベル。無潤滑摺動が可能です。 機械的強度の低さ:引張強度20〜35 MPaと低く、衝撃や高荷重に弱い。
卓越した耐薬品性:ほぼすべての化学薬品に不活性。強酸・強アルカリ環境でも安定使用できます。 高い熱膨張率10〜20×10-5/Kと金属の5〜10倍高く、温度変化で寸法が変動します。
広い使用温度範囲:連続使用温度260℃・融点327℃。長期間安定した性能を発揮します。 加工の難しさ:柔軟で弾性があり、切削時にバリが発生しやすく専門技術が必要です。
卓越した電気絶縁性:体積抵抗率1018 Ω・cmの超高絶縁性。高電圧機器に最適です。 接着困難:化学的不活性により、一般的な接着剤では接着できません。
非粘着性・難燃性・耐候性:汚れが付着しにくく、UL94 V-0の難燃性を持ちます。 クリープ変形しやすい:長時間荷重下で変形が進行するため、用途に応じた設計が必要です。

PTFE加工でよくあるトラブルと当社の対策

表6:PTFE切削加工でよくあるトラブルと当社の対策
トラブル主な原因当社の対策
寸法精度不良 熱膨張・クリープ変形 温度管理の徹底と使用環境温度での最終寸法確認
バリの発生 素材の柔軟性・工具摩耗 PTFE専用超硬工具の使用と最適切削条件設定・手作業バリ取り
ワークの変形 過大なクランプ圧力・弾性変形 専用治具とバックアップ材で適切固定・加工順序の最適化
楕円穴の精度不良 エンドミルたわみ・工具パス誤差 剛性の高い専用エンドミル選定と送り量最適化
C面取りのバリ PTFE特有の引きずり現象 専用C面取りカッターの使用と手作業による丁寧な仕上げ

※ PTFE加工でお困りの際は、豊富な実績を持つ当社にお気軽にご相談ください。

PTFE加工が活躍する分野

  • 化学・医薬品製造分野:強酸・強アルカリ環境での反応容器部品、配管継手、バルブシート、ポンプ部品など耐食性が求められる用途。
  • 半導体・電子分野:ウェーハ搬送治具、真空チャンバー内部品、高周波回路基板など、高純度環境と電気絶縁性が求められる用途。
  • 食品・医療機器分野:FDA規格対応の食品接触部品、生体適合性を活かした医療機器部品、滅菌対応部品など。
  • 試作・開発分野1個からの小ロット対応で、新製品の試作品・性能評価部品の製作をサポート。射出成形では対応困難な形状も切削加工なら柔軟に対応できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. PTFEに楕円穴を加工することは技術的に難しいですか?

A1. PTFEは柔らかく弾性変形しやすい素材のため、楕円穴加工には専用のエンドミルと最適な切削条件が必要です。特に小径エンドミルは工具たわみが生じやすいため、送り量の調整と剛性の高い工具選定が重要になります。当社では豊富な実績からノウハウを蓄積しており、精度の高い楕円穴加工を実現しています。

Q2. PTFEの切削加工で最も注意すべき点は何ですか?

A2. 素材の柔軟性による変形対策が最重要です。適切なクランプ圧力での固定、鋭利な工具の使用、最適な切削条件の設定により、寸法精度の確保と表面品質の向上を実現できます。

Q3. C面取り加工の目的は何ですか?

A3. C面取りは楕円穴の口元のバリ除去と、組み付け時のガイドを兼ねています。本事例ではC0.5の面取りを楕円穴の両側に施しており、作業安全性の向上と部品の嵌合性改善に役立てています。

Q4. PTFEの使用温度範囲を教えてください。

A4. -200℃から連続使用温度+260℃まで対応可能です。この広い温度範囲により、液体窒素環境から高温の化学反応槽まで幅広い用途に対応できます。ただし高温環境ではクリープ変形が進みやすくなるため、用途に応じた設計が必要です。

Q5. PTFEの切削加工で達成できる寸法精度はどの程度ですか?

A5. PTFEは柔らかい素材のため精度が出しにくい面がありますが、適切な加工条件下では一般公差±0.1mm、精密部位では±0.05mm程度の精度が可能です。熱膨張率が高いため、使用環境温度を考慮した公差設計をお勧めします。

Q6. PTFEは接着できますか?

A6. PTFEはほとんどの化学物質に不活性なため、通常の接着剤での接着は困難です。機械的結合(ネジ・ボルト締結・圧入など)での組み立てが一般的です。特殊な表面処理を施すことで接着が可能になる場合もありますが、処理後の性能変化に注意が必要です。

Q7. PTFEとPCTFE・PVDF・PFAの違いを教えてください。

A7. PTFEは耐薬品性・耐熱性・低摩擦性が最も優れています。PCTFEは機械的強度がやや高く、低ガス透過性が必要な用途に向きます。PVDFは機械的強度が高め(引張強度45〜55 MPa)ですが強酸には弱い面があります。PFAはPTFEと同等の耐薬品性・耐熱性を持ちながら溶融成形が可能ですが、コストが極めて高くなります。

Q8. PTFEは食品・医療分野でも使用できますか?

A8. はい、FDA規格に適合した純PTFEを使用した食品グレード・医療グレードの加工に対応しています。非粘着性・耐薬品性・生体適合性を活かし、食品加工機械部品や医療機器部品の製作実績があります。必要に応じて材料証明書(ミルシート)の提供も可能です。

Q9. 小ロット(数個程度)の加工は対応していますか?

A9. はい、1個からの小ロット加工に対応しています。図面をご提供いただければ1〜2営業日でお見積りをご提示いたします。試作品から小ロット生産まで、柔軟に対応いたします。

Q10. 図面がなくても加工依頼できますか?

A10. はい、概略図やスケッチからでもご相談いただけます。使用用途や要求性能をお聞きして、最適な形状・寸法・材質をご提案いたします。必要に応じて図面作成も承ります(別途お見積り)。

Q11. PTFEの長期使用で注意すべき点は何ですか?

A11. クリープ変形(長時間の荷重で徐々に変形する現象)と熱膨張による寸法変化が主な注意点です。高荷重・高温環境での長期使用にはガラス繊維充填グレードの採用をご検討ください。外部からの衝撃や高い機械的応力がかかる用途では、機械的強度の低さにも注意が必要です。

Q12. 納期の目安を教えてください。

A12. 加工内容や数量により異なりますが、標準的な部品で5〜7日程度です。お急ぎの場合は特急対応も可能ですので、まずはご相談ください。正確な納期はお見積り時にご提示いたします。

ご依頼から納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面提供お問い合わせメールフォームまたはFax(0553-32-1502)にて、加工希望内容と図面データ(PDF・DXF・STEP等)をご提供ください。概略図やスケッチからでもご相談可能です。
  2. 技術検討・お見積り作成:図面をもとに加工方法・材質・精度を検討し、1〜2営業日でお見積書を提出いたします。
  3. 正式ご注文・素材手配:お見積内容にご納得いただけましたら注文書をご発行ください。指定グレードのPTFE素材を手配します。
  4. 精密切削加工・品質管理:旋盤・マシニングセンターによる精密加工と各工程での寸法測定・外観検査を実施します。
  5. 最終検査・梱包・納品:図面指定の全項目を最終検査し、梱包のうえお客様へ出荷いたします。

まとめ

PTFE(テフロン)は優れた耐薬品性・超低摩擦性・電気絶縁性を持つ一方、柔らかく専門技術が求められる素材です。当社では豊富な実績と専用ノウハウにより、楕円穴・C面取りなど複雑な形状の精密部品を試作1個から小ロットで製作いたします。設計段階からのご相談も歓迎していますので、お気軽にお問い合わせください。

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