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ポリプロピレン樹脂加工品

- プラスチック加工品例 -

ポリプロピレン樹脂加工品

【ポリプロピレン樹脂加工品】

ポリプロピレン樹脂加工品

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ポリプロピレン樹脂加工品

【ポリプロピレン樹脂加工品】

ポリプロピレン樹脂加工品

ポリプロピレン樹脂加工品です。
一製品の寸法は外寸φ58×33mmで、この製品が5つあります。
CNC旋盤にて、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)の丸棒を精密切削加工して製作しました。
製品の両側からオスねじとメスねじが切られていますが、互いに噛み合うことによって、5つが連結できる構造になっています。
また、内側には貫通穴と円周の溝切りも行われています。

(※これまで作ったポリプロピレン加工製品はこちら → ポリプロピレン加工品)
(※詳しい素材情報はこちら → ポリプロピレン(PP,Polypropylene))

 

加工内容と加工方法の詳細解説

本製品はポリプロピレン樹脂(PP樹脂)丸棒材を使用し、CNC旋盤による精密加工で製作された特注部品です。
お客様からの紙図面をもとに、一品一様の受注生産として対応いたしました。
加工工程では、まず外径と内径の寸法出しを行い、その後両端にオス・メスねじ加工を施すことで嵌合構造を実現しました。
さらに直径φ5mmの貫通穴を19箇所に正確に配置し、これらの穴を結ぶ円形溝(幅2mm×深さ1mm)を2本削り出して完成させています。

▶ これまで作ったポリプロピレン加工製品はこちら → ポリプロピレン加工品

加工工程ステップ

  1. 材料準備:ポリプロピレン樹脂丸棒材の切断・前加工準備
  2. 外径加工:CNC旋盤バイトによる外径寸法出し
  3. 内径加工:バイトによる内径切削・寸法精度確保
  4. オスねじ加工:ワーク片側へのオスねじ切り加工
  5. メスねじ加工:ワーク反対側へのメスねじ切り加工(オスとメスの嵌合確保)
  6. 貫通穴加工:ドリルによる直径φ5mm穴19箇所の精密加工
  7. 円形溝加工:幅2mm×深さ1mmの円形溝2本の削り出し
  8. 糸面取り:角部の面取り処理による安全性向上
  9. 最終検査:寸法検査・外観検査・機能確認

加工上の重要ポイント

  • 切削速度の最適化:PP樹脂の熱軟化を防ぐための適正な切削条件設定
  • 刃物選定:ポリプロピレンに適した切れ味の良いバイト・ドリルの使用
  • クランプ圧力調整:樹脂の変形を防ぐ適切なワーク固定力の管理
  • 切りくず処理:連続した切りくずによる表面傷防止対策
  • 寸法精度管理:樹脂特有の線膨張を考慮した精密寸法出し
  • バリ処理:加工後のバリ除去による品質向上

ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)の特性と優位性

ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)は、プロピレンを原料とする熱可塑性プラスチックで、汎用樹脂の中でも特に優秀な特性を持つ素材です。最大の特徴は比重0.90~0.91という軽量性で、主要なプラスチック材料の中で最も軽い部類に属します。融点約160℃の高い耐熱性を誇り、汎用樹脂の中では最高水準の耐熱温度を実現しています。また、優れた耐薬品性により、酸やアルカリ、有機溶媒に対して高い耐性を示し、医療機器や化学機器にも安心して使用できます。機械的強度では引張強さ31~41MPaという高い値を示し、疲労耐性にも優れているため繰り返し応力がかかる部品に最適です。さらに優れた加工性により、射出成形から切削加工まで多様な製造方法に対応でき、大量生産から一品生産まで幅広いニーズに応えられます。環境面ではリサイクル性が高く、燃焼時に有毒ガスを発生しない環境に優しい素材として注目されています。これらの特性により、自動車部品から食品容器、医療機器まで幅広い分野で活用されている信頼性の高い樹脂材料です。

ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)の主要特性(物性値)

物性項目 数値 単位
比重 0.90~0.91
引張強さ 31~41 MPa
曲げ弾性率 1,400 MPa
耐熱温度 100~140
融点 約160
吸水率 <0.01 %
誘電率 2.2~2.6 F/m
体積抵抗率 1016 Ω・cm

※上記数値は代表的な文献値・メーカー技術資料に基づく参考値です。グレードや試験条件により変動するため、設計時には最新のデータシートでご確認ください。

ポリプロピレン・他樹脂材料・金属材料の比較分析

材料 比重 引張強さ
(MPa)
融点/軟化点
(℃)
耐薬品性 加工性
ポリプロピレン(PP) 0.90~0.91 31~41 160
ポリエチレン(PE) 0.92~0.96 20~37 110~130
ポリスチレン(PS) 1.04~1.07 35~50 85~95
ABS樹脂 1.02~1.08 40~55 80~120
アルミニウム 2.70 90~300 660
ステンレス鋼 7.9 520~750 1400~1450

ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)の優位点

  • 最軽量クラス:比重0.90~0.91は主要材料中で最も軽く、軽量化に大きく貢献
  • 優れた耐熱性:汎用樹脂では最高水準の160℃融点を実現
  • 高い耐薬品性:酸・アルカリ・有機溶媒に対する優秀な耐性
  • 優れた加工性:切削から成形まで多様な加工方法に対応
  • 低コスト:アルミニウムや金属材料と比較して材料費・加工費を大幅削減
  • 絶縁性:電気絶縁性に優れ、電子機器部品に適用可能

ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)のバリエーション

ポリプロピレン樹脂は、重合方法とコモノマー組成の違いにより3つの主要タイプに分類され、それぞれ異なる特性と用途を持ちます。

ホモポリマー(単独重合体)

ホモポリマーは、プロピレン単体のみを重合させた最も基本的なタイプです。高い結晶性により優れた剛性と耐熱性を発揮し、融点は約160~165℃に達します。機械的強度が高く、引張強さ35~45MPaという優秀な値を示します。主な用途として、包装フィルム、モノフィラメント、繊維、小型容器、バンドなどに使用されています。ただし、低温衝撃性がやや劣るため、寒冷地での使用には注意が必要です。

ランダムコポリマー(ランダム共重合体)

ランダムコポリマーは、プロピレンに少量のエチレン(通常4.5重量%以下)をランダムに共重合させたタイプです。高い透明性と光沢が特徴で、ホモポリマーより結晶性が低くなるため柔軟性が向上します。融点はホモポリマーより20~30℃低い125~150℃程度となります。優れたヒートシール性により、透明ボトル、食品包装フィルムのシーラント、注射器、医療容器などに広く使用されています。透明性を活かした用途に最適な選択肢です。

ブロックコポリマー(ブロック共重合体)

ブロックコポリマーは、ホモポリマーにエチレン-プロピレンゴム(EPR)成分を均一微細に分散させた構造を持ちます。優れた耐衝撃性と低温特性が最大の特徴で、ホモポリマーの弱点である低温脆性を大幅に改良しています。融点はホモポリマーと同程度の160~165℃を維持しながら、高い靭性と耐寒性を実現します。自動車の内外装部品、家電製品の筐体、コンテナー、冷凍食品用トレーなど、耐衝撃性が求められる用途に広く採用されています。

特殊グレード

これらの基本タイプをベースに、ガラス繊維強化グレード(高強度化)、耐候性向上グレード(紫外線安定剤添加)、帯電防止グレード(帯電防止剤配合)、難燃グレード(難燃剤添加)など、用途に応じた多様な改質グレードが開発されています。

ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)の長所・短所分析

分類 特徴・特性 詳細説明
長所 軽量性
比重0.90~0.91
主要プラスチック中最軽量クラス。水に浮く軽さで輸送コスト削減、軽量化に大きく貢献
優れた耐熱性
融点160℃
汎用樹脂では最高水準。電子レンジ対応、オートクレーブ滅菌可能。100℃近い連続使用に対応
高い耐薬品性
耐酸・耐アルカリ
20%以下の無機酸・アルカリにほぼ影響されず。有機溶媒、油脂類にも高い耐性を発揮
機械的強度
引張強さ31~41MPa
高い引張強度と優れた疲労耐性。繰り返し応力に対する優秀な耐久性を実現
優れた加工性
多様な成形法対応
射出成形、押出成形、ブロー成形、切削加工など幅広い製造方法に対応。低コスト大量生産可能
環境適合性
リサイクル性・安全性
高いリサイクル性。燃焼時に有毒ガス発生せず。食品グレードでは安全性も確認済み
短所 低い耐候性
紫外線劣化
屋外長期使用で分子鎖切断による強度低下・変色が発生。UV安定剤添加により改善可能
接着性の課題
表面エネルギー低
表面改質や専用プライマー処理が必要。機械的結合や超音波溶着での代替手法が有効
寸法安定性
熱膨張係数大
高温環境下で寸法変化が顕著。精密部品では温度変化を考慮した設計が必要
低温脆性
(ホモポリマー)
ホモポリマーは低温で脆くなる傾向。ブロックコポリマーやゴム改質により改善可能

ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)の使用分野・用途例

自動車・輸送機器分野

  • 内装部品:ダッシュボード、ドアトリム、センターコンソール、グローブボックス
  • 外装部品:バンパー、フェンダー、サイドモール、グリル
  • エンジン周辺部品:エアクリーナーボックス、ラジエータータンク、ファンシュラウド
  • 電装部品:コネクター、ヒューズボックス、配線カバー
  • シート部品:シートバック、ヘッドレスト、アームレスト

家電・電子機器分野

  • 白物家電:洗濯機槽、冷蔵庫内装、電子レンジ容器、炊飯器内釜
  • 小型家電:掃除機パーツ、ドライヤーハウジング、扇風機プロペラ
  • 電子機器筐体:プリンター外装、コピー機内部部品、音響機器ケース
  • 配線・接続部品:ケーブルカバー、コネクター、端子台

食品・包装分野

  • 食品容器:タッパーウェア、弁当箱、冷凍食品トレー、ヨーグルトカップ
  • 包装フィルム:食品包装用フィルム、レトルト食品パック、菓子袋
  • ボトル・キャップ:調味料ボトル、薬品ボトル、キャップ・蓋類
  • 使い捨て用品:プラスチックカップ、ストロー、カトラリー

医療・ヘルスケア分野

  • 医療機器:注射器、点滴バッグ、血液バッグ、透析器具
  • 薬品容器:薬瓶、アンプル、検査試薬容器、点眼容器
  • 衛生用品:マスク不織布、医療用ガウン、手術用ドレープ
  • 検査・実験器具:ピペットチップ、試験管、シャーレ、遠心管

産業・工業分野

  • 化学工業:タンク、配管継手、バルブ、ポンプ部品
  • 電気・電子:ケーブル被覆、絶縁材料、コンデンサーフィルム
  • 建築・土木:防湿シート、養生シート、配管保護カバー
  • 農業・園芸:育苗ポット、防虫ネット、温室フィルム、潅水チューブ

日用品・雑貨分野

  • 収納用品:ポリプロピレンケース、クローゼット収納、書類ケース
  • 玩具・レジャー:プラモデル、ボール、アウトドア用品、スポーツ用品
  • 文房具:ファイル、ペンケース、定規、クリアホルダー
  • 生活雑貨:洗面用品、清掃用具、園芸用品、工具ケース

よくある質問(FAQ)

Q1. ポリプロピレン樹脂の最大の特徴は何ですか?

A1. 軽量性と優れた耐熱性が最大の特徴です。比重0.90~0.91という軽さは主要プラスチック中最軽量クラスで、融点160℃の耐熱性は汎用樹脂では最高水準です。さらに優秀な耐薬品性と加工性を兼ね備えているため、幅広い分野で活用されています。

Q2. CNC旋盤加工でポリプロピレンを加工する際の注意点は?

A2. 切削熱による軟化防止が最重要です。適正な切削速度・送り速度の設定、切れ味の良い工具使用、適切なクランプ圧力調整が必要です。また、連続した切りくずによる表面傷を防ぐため、切りくず処理にも注意が必要です。当社では豊富な加工実績に基づく最適条件で加工いたします。

Q3. ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーの使い分けは?

A3. 用途に応じた特性重視で選択します。ホモポリマーは高剛性・耐熱性重視の構造部品、ランダムコポリマーは透明性・柔軟性重視の包装材や容器、ブロックコポリマーは耐衝撃性・耐寒性重視の自動車部品や家電筐体に適しています。

Q4. ポリプロピレンの耐薬品性はどの程度ですか?

A4. 極めて優秀な耐薬品性を発揮します。20%以下の無機酸・アルカリにはほとんど影響されず、多くの有機溶媒、油脂類にも高い耐性を示します。この特性により医療機器や化学工業用部品にも安心してご使用いただけます。

Q5. 金属材料と比較したポリプロピレンのメリットは?

A5. 軽量化とコスト削減が主なメリットです。アルミニウムの約1/3の重量で、材料費・加工費も大幅に削減できます。また錆びることがなく、電気絶縁性に優れ、複雑形状も容易に成形できるため、設計自由度が高いのも特長です。

Q6. 屋外使用でのポリプロピレンの注意点は?

A6. 紫外線による劣化に注意が必要です。長期間の屋外使用では分子鎖切断により強度低下・変色が発生する可能性があります。屋外用途では紫外線安定剤添加グレードの選択や、定期的な交換・メンテナンスをお勧めします。

Q7. ポリプロピレンの接着・塗装は可能ですか?

A7. ポリプロピレンは極めて優秀な耐薬品性があるため、接着・塗装が困難です。確実な結合が必要な場合は、機械的結合(ボルト止めなど)をお勧めします。

Q8. 食品用途でのポリプロピレンの安全性は?

A8. 食品グレードは安全性確認済みです。食品衛生法に適合したグレードを使用することで、食品接触用途にも安心してご利用いただけます。電子レンジ対応やオートクレーブ滅菌も可能で、医療・食品分野で広く採用されています。

Q9. 精密部品加工でのポリプロピレンの寸法精度は?

A9. 適切な加工条件で高精度加工が可能です。熱膨張係数がやや大きいため温度管理が重要ですが、当社の豊富な樹脂加工経験により、±0.05mm程度の精密加工も対応実績があります。図面要求精度に応じて最適な加工方法をご提案いたします。

Q10. ポリプロピレンのリサイクル性について教えてください

A10. 優秀なリサイクル性を持つ環境配慮素材です。熱可塑性樹脂のため再溶融・再成形が可能で、燃焼時に有毒ガスを発生しません。サステナブルな製品開発において、ポリプロピレンは環境負荷軽減に大きく貢献する材料です。

Q11. 少量生産や一品加工にも対応可能ですか?

A11. 1個からの小ロット生産にも対応しております。ポリプロピレンは切削加工性に優れているため、金型不要で試作品や特注部品の製作が可能です。お客様の図面に基づき、品質・納期・コストのご要望にお応えいたします。

Q12. 他の樹脂材料からポリプロピレンへの材料変更メリットは?

A12. 軽量化・耐熱性向上・コスト削減が主なメリットです。特にポリエチレンからの変更では耐熱性が大幅向上し、ABS樹脂からの変更では軽量化とコスト削減を実現できます。用途に応じて最適な材料変更をご提案いたします。

ご注文から納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面支給
    お客様より加工図面をメールまたはFAXでお送りください。CADデータ(DXF、STEP等)も対応可能です。仕様・数量・納期についてもお聞かせください。
  2. 技術検討・見積書作成
    図面を基に加工方法・使用機械・工程を検討し、詳細見積書を作成いたします。材料グレードのご提案や代替案もご提示し、通常2営業日以内に回答いたします。
  3. 見積書提出・内容確認
    見積書をメールでお送りし、価格・納期・仕様についてご確認いただきます。ご不明点やご要望がございましたら、お気軽にお申し付けください。調整・修正も承ります。
  4. 正式注文書受領
    見積内容にご了承いただけましたら、正式注文書をお送りください。受注確認書を発行し、生産準備に入らせていただきます。
  5. 材料調達・加工実施
    指定グレードのポリプロピレン材料を調達し、CNC旋盤による精密加工を実施いたします。加工工程では品質管理を徹底し、図面通りの精度確保に努めます。
  6. 検査・品質確認
    加工完了後、寸法検査・外観検査・機能確認を実施いたします。検査成績書の発行も可能です。品質に問題がないことを確認してから出荷準備を行います。
  7. 梱包・出荷・納品
    適切な梱包を施し、指定の納期・配送方法でお客様にお届けいたします。納品書・請求書等の必要書類も併せてお送りいたします。

まとめ

ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)は、軽量性・耐熱性・耐薬品性・加工性という優れた特性を併せ持つ、現代産業に不可欠な高機能樹脂材料です。

比重0.90~0.91という軽さと融点160℃の耐熱性は、自動車の軽量化から医療機器の滅菌処理まで、幅広い分野で大きなメリットをもたらしています。

当社では、豊富な樹脂加工経験と精密なCNC旋盤技術により、お客様のご要求仕様に応じた高品質なポリプロピレン加工部品を製作いたします。

ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーの材料特性を熟知した技術者が、最適な加工条件で一品一様の特注部品製作に対応いたします。

今後も環境配慮型素材として注目されるポリプロピレンの可能性を最大限に活かし、お客様の製品開発・コスト削減・軽量化に貢献してまいります。

図面支給による受注生産から量産対応まで、樹脂加工のプロフェッショナルとして皆様のものづくりをサポートいたしますので、お気軽にご相談ください

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