
塩化ビニル(PVC)多穴84穴加工品|φ35×45・NPT3/4
- プラスチック加工品例 -
塩化ビニル(PVC)多穴84穴加工品|φ35×45・NPT3/4
塩化ビニル(PVC)丸棒から、φ35×45mm(外径×長さ)/内径φ22のパイプ形状を旋盤で仕上げ、NPT3/4ねじ切りとφ3穴×84個の放射状多穴加工を実施。旋盤+3軸マシニングで高精度に製作した加工事例です。
この記事の要点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 素材 | 塩化ビニル(PVC)(グレー)丸棒 |
| 外形寸法 | φ35×φ22×45mm(外径×内径×長さ) |
| 加工内容 | φ3穴×84個(放射状の貫通穴)+NPT3/4ねじ切り |
| 加工設備 | 旋盤+3軸マシニングセンター |
| 仕上げ/検査 | バリ取り・糸面取り/ねじゲージ確認 |
| 図面支給 | Fax図面(支給図面ベース) |
▶ これまで作った塩化ビニル加工製品は、塩化ビニル加工品の事例一覧ページをご覧ください。
▶ 詳しい素材情報は、ポリ塩化ビニル(塩ビ,エンビ,PVC)の素材詳細ページでご確認いただけます。
塩化ビニル(PVC)多穴84穴加工品(φ35×45・NPT3/4)の加工内容
本製品は、グレー色の塩化ビニル樹脂(PVC)丸棒材を使用した高精度多穴加工品です。お客様から支給された図面に基づき、外径φ35×内径φ22×長さ45mmのパイプ形状に仕上げ、さらに84個のφ3貫通穴を放射状に配置した特注部品です。
加工には旋盤と3軸マシニングセンターを使用し、複数の工程を経て高精度な仕上がりを実現しています。まず、旋盤でバイトを用いて外形とパイプ形状を加工し、片側内径にNPT3/4(米国規格の管用テーパーねじ)のねじ切り加工を施します。その後、3軸マシニングセンターで正確な位置決めのもと、84箇所のφ3貫通穴をドリル加工します。最終工程では、全体のバリ取り・糸面取りを行い、各種測定機とねじゲージで品質を確認した後、出荷しています。
加工工程の要点(旋盤+3軸マシニング)
- 支給図面の確認:Fax図面の寸法・ねじ規格・穴ピッチを確認し、割り出し条件を決定。
- 旋盤で外径・内径を仕上げ:φ35×内径φ22×L45のパイプ形状を精密加工。
- NPT3/4 ねじ切り:旋盤でテーパーねじを加工し、ねじゲージで適合を確認。
- φ3穴×84個の割り出し加工:3軸マシニングで放射状に加工し、位置精度と真円度を管理。
- バリ取り・糸面取り→最終検査:外観・寸法・ねじを確認し、確実に出荷。
多穴84穴・NPTねじで品質を出すための加工ポイント
- 発熱(溶け・焼け)の抑制:PVCは熱に弱いため、切削条件を抑えめに設定し、エアブロー/水溶性切削油で冷却・切り粉付着を防止します。
- 工具の切れ味管理:鋭利な超硬工具(またはハイス)を使用し、摩耗管理を徹底。切削抵抗を下げて仕上げ面と寸法を安定させます。
- クランプ最適化:締め付け過多による変形を避けつつ、割り出し時にズレない適正クランプ圧で確実に固定します。
- 多穴の切り粉排出とバリ対策:穴あけは適切な送りに加え、定期的な引き抜きで切り粉を排出。仕上げは丁寧なバリ取り・糸面取りで外観と安全性を確保します。
使用素材:硬質塩化ビニル(PVC)丸棒(グレー)
本製品では、グレー色の硬質塩化ビニル樹脂(PVC)丸棒材を使用しています。PVCは優れた耐薬品性と電気絶縁性を持ち、コストパフォーマンスに優れた汎用熱可塑性プラスチックとして、配管部品、電気絶縁部品、化学装置部品など幅広い用途で活用されています。
塩化ビニル樹脂には、硬質PVCと軟質PVCがあり、さらに色のバリエーション(透明、グレー、白など)や、耐候性・耐熱性を向上させた改質グレードなど、多様な種類が存在します。
PVCの詳しい特性や種類については、塩化ビニル樹脂(PVC)の素材解説ページをご覧ください。
この多穴加工でPVCが選ばれる理由(耐薬品・絶縁・難燃)
優れた耐薬品性と電気絶縁性を兼ね備え、酸・アルカリ・塩類に対する耐性が高く、化学装置や配管部品として広く使用されています。
難燃性が高いことも大きな特徴で、自己消火性を持つため、電気・電子部品の絶縁材料としても重宝されています。また、電気絶縁性に優れ、体積抵抗率が1014~1016 Ω・cmと非常に高い値を示します。
加工性が良好で、切削加工、接着、溶接が比較的容易に行えます。さらに、コストパフォーマンスに優れ、他の汎用プラスチックと比較して安価であるため、大量生産から小ロット生産まで幅広く対応できます。
ただし、耐熱性は比較的低く、連続使用温度は60~80℃程度です。また、耐衝撃性も限定的であるため、高い衝撃が加わる用途には不向きです。これらの特性を理解した上で、適切な用途に使用することが重要です。
参考:塩化ビニル樹脂(PVC)の主要特性(物性値)
| 特性項目 | 単位 | 標準値 |
|---|---|---|
| 比重 | – | 1.38~1.55 |
| 引張強さ | MPa | 41~52 |
| 曲げ強さ | MPa | 69~110 |
| 圧縮強さ | MPa | 55~89 |
| 引張弾性率 | GPa | 2.4~4.1 |
| アイゾット衝撃強さ(ノッチ付) | kJ/m2 | 0.02~1.1 |
| 熱変形温度(1.8MPa) | ℃ | 60~77 |
| 連続使用温度 | ℃ | 60~80 |
| 線膨張係数 | ×10-5/K | 5~10 |
| 吸水率(24時間) | % | 0.04~0.4 |
| 体積抵抗率 | Ω・cm | 1014~1016 |
| 絶縁破壊強さ | kV/mm | 14~20 |
※上記は硬質PVCの代表値です。グレード・試験条件により変動します(設計値は各メーカーのデータシートをご確認ください)。
参考:塩化ビニル樹脂(PVC)・他樹脂素材・金属素材との比較表と優位性分析
| 特性項目 | PVC | PE(HDPE) | PP | PMMA | PC | アルミ | SUS304 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 比重 | 1.38~1.55 | 0.91~0.96 | 0.91~0.96 | 1.18~1.20 | 1.20~1.22 | 2.70 | 7.93 |
| 引張強さ(MPa) | 41~52 | 26〜33 | 29~38 | 60~75 | 60~70 | 170~290 | 520~670 |
| 曲げ強さ(MPa) | 69~110 | 24〜28 | 41~55 | 90~120 | 90~110 | – | – |
| 熱変形温度(1.8MPa, ℃) | 60~77 | 40~50 | 57~65 | 90~105 | 125~135 | – | – |
| 耐薬品性 | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ○ | △ | ◎ |
| 電気絶縁性 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | × | × |
| 難燃性 | ◎ | × | × | △ | ○ | ◎ | ◎ |
| 加工性 | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
| コスト(指数) | 1.0 | 0.8 | 0.9 | 2.5 | 3.5 | 2.0 | 4.0 |
| 汎用性 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
| 加工事例 | PVC加工事例 | PE加工事例 | PP加工事例 | PMMA加工事例 | PC加工事例 | – | – |
※ ◎:優れる、○:良好、△:やや劣る、×:不適 コスト指数はPVCを1.0とした場合の相対値
比較表から見るPVCの優位点
塩化ビニル樹脂(PVC)は、耐薬品性・電気絶縁性・難燃性のバランスが優れている点が大きな優位性です。特に、酸・アルカリに対する耐性が高く、化学装置部品や配管部品として他の汎用樹脂(PE、PP)よりも適しています。
自己消火性を持つ難燃性は、電気・電子部品の絶縁材料として重要な特性であり、PMMAやPCと比較しても優位です。また、加工性が良好で、切削加工・接着・溶接が容易に行えるため、複雑形状の部品製作にも対応できます。
コストパフォーマンスに優れている点も見逃せません。PMMAやPCと比較して約1/2.5~1/3.5のコストで、金属材料(アルミ、SUS304)と比較しても約1/2~1/4のコストで調達可能です。このため、小ロット生産から大量生産まで幅広く対応でき、試作段階から量産まで同一材料で進められる利点があります。
塩化ビニル樹脂(PVC)の長所と短所の分析
| 長所(メリット) | 短所(デメリット) |
|---|---|
| 優れた耐薬品性 酸・アルカリ・塩類に対して高い耐性を持ち、化学装置部品に最適 |
耐熱性が比較的低い 連続使用温度が60~80℃程度で、高温環境には不向き |
| 優れた電気絶縁性 体積抵抗率1014~1016 Ω・cmで、電気部品の絶縁材料として有効 |
耐衝撃性が限定的 衝撃強さが比較的低く、強い衝撃を受ける用途には不適 |
| 自己消火性を持つ難燃性 燃えにくく、火源を離すと消火するため、安全性が高い |
耐候性がやや劣る 長期屋外使用では紫外線により劣化する可能性(耐候グレードは改善) |
| 優れた加工性 切削加工・接着・溶接が容易で、複雑形状の加工にも対応可能 |
有機溶剤に弱い 一部の有機溶剤(ケトン類、芳香族炭化水素)に侵されやすい |
| コストパフォーマンスが高い 他のプラスチックや金属と比較して安価 |
寸法安定性がやや低い 温度変化により寸法変化が生じやすい(線膨張係数5~10×10-5/K) |
塩化ビニル樹脂(PVC)加工でよくあるトラブルと当社の対策
| トラブル | 主な原因 | 当社の対策 |
|---|---|---|
| 切削面の溶融・焼け | 切削条件過多/工具摩耗による発熱 | 条件最適化+エアブロー/水溶性切削油で冷却。工具の切れ味管理を徹底 |
| バリの発生 | 刃先の鈍り/条件不適 | 鋭利工具を使用し、加工後はバリ取り・糸面取りを標準化して外観と安全性を確保 |
| 穴加工の欠け・詰まり | 送り過多/切り粉排出不良 | 送り条件を最適化し、定期的な引き抜きで切り粉排出。多穴でも安定した穴品質を維持 |
| 寸法・ねじ精度のばらつき | 熱影響/固定ズレ/ゲージ管理不足 | クランプ最適化+温度影響の抑制。ねじ部はねじゲージで適合を確認し、再現性を確保 |
PVC加工でお困りのことがございましたら、当社の豊富な加工実績と技術力で解決いたします。お気軽にご相談ください。
電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで
当社の塩化ビニル樹脂(PVC)加工が活躍する分野
塩化ビニル樹脂(PVC)は、耐薬品性・電気絶縁性・難燃性を活かし、配管・装置・電装分野の部品に多く採用されます。当社では、旋盤+マシニングによる特注形状や多穴加工・ねじ切りまで一貫して対応し、小ロット(1個から)の試作・検証用部品にも柔軟に対応します。
主な加工実績分野
- 化学装置・配管部品:継手、バルブ部品、フィルターハウジング
- 電気・電子部品(絶縁):スペーサー、端子台、治具
- 水処理・環境設備:フィルター部品、計量・流体関連部品
- 試作・開発:機能検証用サンプル、量産前評価部品、治工具
塩化ビニル樹脂(PVC)加工に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 塩化ビニル樹脂(PVC)の切削加工は可能ですか?
はい、PVCは切削加工性に優れた素材で、旋盤・フライス・マシニングセンターなど各種工作機械による精密加工が可能です。当社では、外径加工・内径加工・穴あけ・ねじ切りなど、多様な加工に対応しています。
Q2. 本製品のような多穴加工は、どのような工作機械で行いますか?
3軸マシニングセンターを使用します。ワークを正確に位置決めし、プログラムに基づいて84個のφ3貫通穴を放射状に配置します。位置精度と穴の真円度を高精度に管理できるのが強みです。
Q3. NPT3/4のねじ切り加工は対応できますか?
はい、対応可能です。米国規格の管用テーパーねじ(NPT)の加工実績が豊富にあり、専用タップとねじゲージを使用して精度を確保します。NPT以外の各種ねじ規格にも対応いたします。
Q4. グレー色以外のPVCでも加工できますか?
はい、透明PVC、白色PVC、黒色PVCなど、各色のPVC材料での加工が可能です。また、耐候性・耐熱性を向上させた改質グレードや、食品衛生法適合グレードなど、用途に応じた材料選定もサポートいたします。
Q5. PVCとPE、PPの違いは何ですか?
PVCは耐薬品性・難燃性・電気絶縁性に優れ、特に酸・アルカリに強いのが特徴です。PEやPPも耐薬品性は良好ですが、難燃性はPVCに劣ります。用途に応じて最適な素材をご提案いたします。
Q6. 小ロット(1個から)でも対応できますか?
はい、1個からの小ロット生産に対応しています。試作・開発段階の部品や、特注の精密加工部品など、少量生産でもお気軽にご相談ください。当社の強みは小ロット対応力です。
Q7. 納期はどのくらいかかりますか?
加工内容や数量により異なりますが、標準的な部品で5~7日程度です。お急ぎの場合は短納期対応も可能ですので、まずはご相談ください。図面受領後、正確な納期をお知らせいたします。
Q8. Faxで図面を送っても大丈夫ですか?
はい、Faxでも形状が分かり数値が読めれば対応可能です。また、メールでのPDFやCADデータ(DXF、DWG等)の送付も歓迎いたします。お客様のご都合に合わせた方法で図面をお送りください。
Q9. PVC加工で注意すべき点は何ですか?
PVCは熱に弱いため、切削時の発熱管理が重要です。当社では適切な切削速度と工具選定により、溶融や焼けを防止しています。また、バリが発生しやすいため、丁寧なバリ取り作業も徹底しています。
Q10. 食品に接触する部品のPVC加工は可能ですか?
はい、食品衛生法適合グレードのPVCを使用することで対応可能です。食品・飲料設備の配管継手やノズルなど、多数の実績がございます。用途をお知らせいただければ、適切な材料をご提案いたします。
Q11. 見積もりは無料ですか?
はい、お見積もりは無料です。図面をお送りいただければ、加工内容を確認の上、迅速にお見積書を作成いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
Q12. バリ取りや糸面取りも依頼できますか?
はい、バリ取り・糸面取りは標準作業として実施しています。精密なバリ取りにより、安全性と美観を向上させ、品質の高い製品をお届けいたします。
ご注文から納品までの流れ
- お問い合わせ・図面支給:メール、Fax、またはお問い合わせフォームより図面をお送りください。CADデータ(DXF、DWG等)やPDFに対応しています。
- お見積書の作成と提出:図面を確認後、加工内容・数量・納期を含めた詳細なお見積書を迅速に作成し、ご提出いたします。
- ご注文書の受領・加工開始:お見積内容にご納得いただけましたら、ご注文書を受領後、直ちに材料手配と加工を開始いたします。
- 精密加工・品質検査:旋盤・マシニングセンターによる高精度加工を実施。各種測定機による寸法検査と外観検査で品質を確保します。
- 梱包・納品:品質基準をクリアした製品を丁寧に梱包し、指定の納期・納入先へ確実にお届けいたします。
まとめ
塩化ビニル樹脂(PVC)は、優れた耐薬品性・電気絶縁性・難燃性を兼ね備え、化学装置部品、電気・電子機器部品、医療・分析機器部品など、幅広い分野で活躍する汎用プラスチックです。
当社は、旋盤と3軸マシニングセンターを駆使し、本製品のような高精度多穴加工や、NPT規格のねじ切り加工など、複雑な特注部品の製作に対応しています。1個からの小ロット生産に強みを持ち、試作・開発段階から量産前の検証用部品まで、お客様のニーズに柔軟にお応えします。
お客様支給の図面に基づく完全オーダーメイド生産で、既製品では対応できない特殊な形状や寸法要求を実現いたします。PVC加工に関するご相談・お見積もりは無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで
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