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アクリル精密微細穴加工事例|PMMA板厚15mm・φ0.53深穴120個

- プラスチック加工品例 -

アクリル精密微細穴加工事例|PMMA板厚15mm・φ0.53深穴120個

黒アクリル板(PMMA)への精密微細穴あけ加工事例です。3軸マシニングセンター15t×42×200mmの板にφ0.53×深さ10mmの微細丸穴を直列120個加工した内容を解説します。

この記事の要点

  1. 黒アクリル板15t直径φ0.53×深さ10mmの微細穴を直列120個あけた切削加工事例の詳細を紹介します。
  2. 3軸マシニングセンターを用いた外形加工→微細穴加工→糸面取りの工程と、微細深穴加工で重要な工具選定・切削条件・熱管理の要点を解説します。
  3. アクリル樹脂(PMMA)の主要物性値と、塩化ビニール・ポリカーボネート・PETおよび金属2種との性能比較を掲載しています。
  4. アクリル加工で発生しやすい応力亀裂・バリ・寸法ずれのトラブルと、当社の具体的な対策を表にまとめています。
  5. 微細穴加工の最小径、深さの目安、納期、図面支給方法など、発注前の判断材料になるFAQを12問掲載しています。
黒アクリル板(PMMA)への精密微細穴加工事例。15t×42×200mmの板に直径φ0.53×深さ10mmの微細丸穴を直列120個加工した完成品3本を正面から撮影。
黒アクリル板(PMMA)への精密微細穴加工事例。15t×42×200mmの板へφ0.53×深さ10mmの微細丸穴を直列120個加工した完成品3本を正面から撮影しました。
黒アクリル板(PMMA)への精密微細穴加工事例。15t×42×200mmの板に直径φ0.53×深さ10mmの微細丸穴を直列120個加工した完成品3本を斜めから撮影。
黒アクリル板(PMMA)への精密微細穴加工事例。15t×42×200mmの板へφ0.53×深さ10mmの微細丸穴を直列120個加工した完成品3本を斜めから撮影しました。
表1:黒アクリル板(PMMA)φ0.53深穴120個加工事例の代表仕様
項目内容
素材黒アクリル板(PMMA、ポリメタクリル樹脂)
外形寸法15t×42mm×200mm
加工内容外形切削加工+φ0.53×深さ10mmの微細丸穴を直列120個あけ加工
加工設備3軸マシニングセンター
切削工具フラットエンドミル・ドリル
仕上げ糸面取り(バリ除去)
ロット1個からの試作・小ロット生産に対応
図面支給方法PDF・DXF・IGES・紙図面などに対応
当社の加工実績:掲載加工事例543件(2026年5月現在)。アクリル樹脂(PMMA)を含む樹脂素材の小ロット加工を多数手がけており、試作1個からご対応しています。

アクリル精密部品の加工内容と加工方法

本製品は、黒アクリル板(PMMA)15t×42×200mmに対し、3軸マシニングセンターで外形を切削した後、φ0.53mm×深さ10mmのドリル穴を直列に120個あけたものです。アスペクト比(穴深さ÷穴径)が約19に達する微細深穴を、ピッチ誤差なく安定して連続加工する点が本案件の技術的なポイントです。

工程設計の要点

  1. 図面確認と素材準備:客先からのPDF図面を確認し、黒アクリル板15tを必要寸法にカットします。
  2. 機械セットアップ:マシニングセンターにバイス固定し、ワーク基準を厳密に出します。
  3. 外形加工:フラットエンドミルで外寸を42×200mmに仕上げます(板厚15tはそのまま活かす)。
  4. 微細穴あけ加工φ0.53×深10mmのドリルで直列120穴を順次加工します。
  5. 糸面取り加工:外周エッジと穴入り口のバリを除去します。
  6. 寸法検査:外形・穴位置・穴径・穴深さを測定し、図面公差内であることを確認します。
  7. 梱包・出荷:傷防止を施した上で梱包し、宅配便にて出荷します。

マシニング加工で注意すべきポイント

  • 切削速度と送りの最適化:アクリルは切削熱で溶融・白化しやすいため、回転数と送りのバランスを材料温度上昇が起きない領域に設定します。
  • クーラント・エアブローによる冷却:微細深穴は熱がこもりやすく、切粉の再溶着を起こすため、適切な冷却と切粉排出が不可欠です。
  • 工具選定:微細深穴にはアクリル専用の超硬ドリルを使用し、切れ刃のチッピングを防ぎます。摩耗した工具は早めに交換します。
  • ステップフィード(断続切削):深さ方向に何度も切粉を抜く動作を入れ、ドリル折損と穴壁の溶融を回避します。
  • クランプ圧力の管理:過大な締付けは応力亀裂(クレージング)の原因となるため、必要最小限の保持力に調整します。
  • バリ処理:穴入り口にバリやマイクロクラックが残らないよう、糸面取りと最終洗浄で仕上げます。
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電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで

本製品で使用した黒アクリル(PMMA)について

本製品では、黒色のアクリル樹脂板(PMMA、ポリメタクリル酸メチル)板厚15mmを使用しました。透明アクリルが光を透過する用途に多用されるのに対し、黒アクリルは遮光性・意匠性・反射防止性が求められる用途(光学治具、計測機器カバー、表示パネルなど)に選ばれます。本案件のような微細深穴の配列加工では、加工面の見えやすさや切粉の視認性の点で黒色グレードに利点があります。

アクリル板には押出板・キャスト板・耐衝撃グレード・帯電防止グレード・UVカットグレード・着色グレードなどの品種があり、グレード問わず当社で追加工に対応しています。詳細はアクリル樹脂(PMMA)の素材解説ページをご覧ください。

アクリル樹脂(PMMA)の特性と優位性

  • 優れた機械加工性:マシニングセンターでの切削で±0.05mmクラスの寸法精度を実現できます。
  • 高い透明度(透明グレード):3mm厚で全光線透過率約92%、ガラスを上回る光学特性を持ちます。
  • 良好な耐候性:屋外環境でも長期にわたり黄変や劣化が少ないことから、屋外用途で多用されます。
  • 軽量性:密度1.18g/cm3とガラスの約半分の重さで、軽量化に貢献します。
  • 豊富な色調バリエーション:透明・黒・乳白・着色など、意匠性の要求に応じた選択が可能です。

アクリル樹脂(PMMA)の主要物性値

表2:アクリル樹脂(PMMA)の主要物性値
特性項目数値単位測定条件
密度1.18g/cm323℃
引張強度72MPaISO 527
曲げ強度110MPaISO 178
引張弾性率3.2GPaISO 527
ガラス転移温度105DSC測定
熱変形温度931.8MPa負荷
線膨張係数80×10-6/K-30〜80℃
全光線透過率(透明グレード)92%3mm厚板
屈折率1.491589nm、20℃
吸水率0.3%24時間浸漬

※ 数値は一般的なキャストPMMAの代表値であり、グレード・メーカー・測定条件により幅があります。

アクリル樹脂と他素材との比較

表3:アクリル(PMMA)と塩ビ・PC・PET・アルミ・SUSの性能比較
特性項目アクリル(PMMA)塩化ビニール(PVC)ポリカーボネート(PC)ポリエチレンテレフタレート(PET)アルミニウム(A6061)ステンレス(SUS304)
密度(g/cm31.181.401.201.392.708.00
引張強度(MPa)72526585270520
引張弾性率(GPa)3.23.02.43.169200
耐熱温度(℃)937013085
透明性(92%)○(85%)○(87%)××
耐衝撃性
切削加工性
耐候性
コスト指数中-高
汎用性
精密切削加工事例アクリル精密切削加工事例塩化ビニール精密切削加工事例ポリカーボネート精密切削加工事例ポリエチレンテレフタレート精密切削加工事例

※ 評価記号:◎優秀・○良好・△やや劣る・×不適。色分け:青系=アクリル(対象樹脂)、黄系=他樹脂、白=金属。数値は一般的な代表値であり、グレード・規格・測定条件により幅があります。

アクリル(PMMA)を選ぶべきケース・再検討すべきケース

表4:アクリル(PMMA)を選ぶべきケース・他素材を検討すべきケース
この素材が向いているケース他素材も検討すべきケース
透明度・意匠性が必要な表示・展示用途使用温度が90℃を超える環境(PC・PEEK等を検討)
屋外で長期耐候性が求められる用途繰り返しの衝撃・落下を受ける部品(PC・ABS等を検討)
マシニングセンターでの精密切削が必要な部品アルコール系・有機溶剤との接触環境(POM・PP等を検討)
軽量で意匠面の質感が要求される筐体・カバー高い耐摩耗性・しゅう動性が必要な部位(MCナイロン・POM等を検討)
本案件のような微細穴の多数加工を伴う治具・パネル表面に傷が付きやすい用途で耐傷性が必須の場合(PC等を検討)

※ 判断に迷う場合はご相談ください。用途条件をうかがった上で最適な素材をご提案いたします。

アクリル樹脂(PMMA)の長所・短所

表5:アクリル樹脂の長所と短所
長所(優位性)短所(制約)
全光線透過率92%でガラスを上回る透明度熱変形温度93℃高温用途は不可
マシニング加工性が優秀で精密部品に適する表面硬度が低く傷が付きやすい
屋外でも黄変・劣化が少なく長期耐候性が高いアルコール等で応力亀裂(クレージング)が発生する
密度1.18g/cm3でガラスの約半分の軽さ線膨張係数が大きく寸法変化に注意が必要
透明・黒・着色など多彩なカラー展開耐衝撃性がPC・ABSより低い(割れやすい)

よくあるトラブルと当社の対策

表6:アクリル加工で発生しやすいトラブルと当社の対策
トラブル主な原因当社の対策
応力亀裂(クレージング)過大なクランプ圧、急激な切削、有機溶剤接触クランプ圧を適正化し、段階的切削と冷却を徹底
切粉の再溶着・白化切削熱の蓄積、切粉排出不良クーラント・エアブローステップフィードで熱と切粉を制御
微細穴のドリル折損切粉詰まり、過大送り、工具摩耗アクリル専用超硬ドリル段階送りで安定加工
穴入り口のバリ・カケ切れ刃摩耗、送り過大工具を早めに更新し、最終工程で糸面取りを実施
寸法・穴位置のずれ熱膨張、ワーク反り温度管理した加工環境で±0.05mm級の精度を確保

※ 図面段階での懸念事項もご相談いただければ、加工性を踏まえたご提案をいたします。

アクリル切削加工が活躍する分野

  • 試作・開発分野:1個からの試作対応で、意匠検証・機構検討に最適です。
  • 計測・光学治具分野:微細穴配列・透明窓・反射防止用の黒色グレードを使い分けた治具製作
  • ディスプレイ・サイン分野:透明度と意匠性を活かした展示パネル・什器・サンプルケース
  • 装置カバー・パネル分野:内部視認性が求められる機器カバー・操作パネル

アクリル切削加工に関するよくある質問

Q1. アクリル切削加工で実現できる寸法精度はどの程度ですか?

A1. マシニングセンター加工で標準的に±0.05mm、要求に応じて±0.02mmクラスまで対応可能です。アクリルは熱膨張が大きいため、加工環境の温度管理と段階的切削で精度を安定させています。

Q2. 微細穴加工の最小径はどこまで対応できますか?

A2. 当社ではφ0.3mm程度まで微細穴加工の実績があります。穴深さは穴径の10倍程度を目安としていますが、本案件のように工具・条件を最適化することでアスペクト比約20の深穴にも対応可能です。

Q3. 黒アクリルと透明アクリルでは加工難度に違いはありますか?

A3. 物性面では大きな差はありませんが、黒アクリルは切粉・加工面の状態が視認しやすい利点があります。一方、透明アクリルは透明度を保つために研磨仕上げが必要になる場合があり、その分工程が増えます。

Q4. 加工可能なアクリル板の厚みはどの範囲ですか?

A4. 1mm〜100mm厚程度まで実績があります。薄板は反り対策、厚板は内部応力除去のための段階的切削を実施し、板厚に応じた条件設定で安定した品質を確保しています。

Q5. アクリル特有の応力亀裂(クレージング)はどう防いでいますか?

A5. クランプ圧力の適正化切削速度・送りの最適化十分な冷却段階的切削の4点を組み合わせて応力を分散させています。薄肉部品では特に慎重な加工計画で対応しています。

Q6. 透明アクリルの透明感を保ったまま切削できますか?

A6. 可能です。切削面を極力滑らかに加工した上で、磨き加工(研磨)を施すことで透明感のある仕上がりになります。ただし形状によって磨きの容易さは変わるため、図面段階でご相談ください。

Q7. 複雑な3次元形状の加工にも対応できますか?

A7. 5軸マシニングセンターCAD/CAMを活用し、複雑形状の試作から小ロット生産まで対応可能です。図面データ(DXF・IGES・STEP等)をご支給いただければ、最適な工具パスを生成します。

Q8. 試作1個からでも依頼できますか?

A8. 1個からの試作製作に対応しています。数百個までの小ロット生産もご相談ください。生産数量に応じて最適な製造方法をご提案いたします。

Q9. 図面がない場合でも加工を依頼できますか?

A9. 可能です。現物からの図面起こしや、手書きスケッチからの図面化にも対応しています。ご要望をお聞きした上で図面作成から加工まで一貫してサポートいたします。

Q10. 納期はどの程度を目安に考えれば良いですか?

A10. 加工内容や数量により異なりますが、標準的な部品で5〜7日程度です。複雑形状や材料調達が必要な案件はもう少しかかります。お急ぎの場合もご相談ください。

Q11. アクリル以外の樹脂材料でも加工を依頼できますか?

A11. 対応可能です。ポリカーボネート・POM・PEEK・PTFE・MCナイロンなど、各種エンジニアリングプラスチックの切削加工に対応しています。材料選定のご相談も承ります。

Q12. 図面の見積依頼はどのようにすれば良いですか?

A12. PDF・DXF・IGES・STEP・紙図面のいずれもメールでお送りいただければ、内容を確認して見積書をご提示いたします。寸法と数量、希望納期をご記載ください。

ご依頼から納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面ご支給:メールまたはお電話でご連絡後、加工図面をお送りください。
  2. 図面確認・お見積:内容を確認し、加工方法・納期と合わせて見積書をご提示します。
  3. ご注文・生産準備:ご発注を受けて材料を手配し、加工スケジュールを確定します。
  4. 加工・検査:マシニングセンターで精密切削を行い、寸法・外観を全数確認します。
  5. 納品:適切に梱包し、ご指定の場所へ宅配便にて出荷いたします。

まとめ

本事例は、黒アクリル板(PMMA)15tにφ0.53×深さ10mmの微細丸穴を直列120個あけた、アスペクト比約19の難度の高い微細深穴加工です。マシニングセンターと工具・切削条件の最適化により、ピッチ精度と穴品質を安定して確保しました。

アクリル加工は、透明度・意匠性・耐候性・加工性のバランスに優れた素材を扱う技術領域です。当社では試作1個から小ロット生産まで柔軟に対応し、図面のご相談段階から最適な加工方法をご提案します。

アクリル(PMMA)の微細穴加工・精密切削加工は、株式会社三森製作所にお気軽にご相談ください。

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