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ポリブチレンテレフタレート精密切削加工|小ロット・高精度部品

- プラスチック加工品例 -

ポリブチレンテレフタレート精密切削加工|小ロット・高精度部品

ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂の精密切削加工事例です。3軸マシニングセンターで外寸90mm×31.5mm×37mmのPBT板材から、φ8.2・φ6の貫通穴を含む複合形状部品を製作した内容を解説します。

この記事の要点

  1. 3軸マシニングセンターで製作した外寸90mm×31.5mm×37mmのPBT樹脂精密切削加工品の仕様・加工手順(φ8.2・φ6貫通穴含む)を確認できます。
  2. PBT切削加工の工程設計と、割れ・バリを防ぐための加工条件・工具選定・固定方法のポイントを解説しています。
  3. PBT樹脂の主要物性値(引張強さ・耐熱温度・絶縁破壊電圧など)を一覧表で確認できます。
  4. ナイロン6・POM・PET・変性PPE・アルミニウム合金・SUS304との特性比較表と、PBTを選ぶべきケース・再検討すべきケースを整理した選定ガイドを掲載しています。
  5. PBT切削加工のよくある質問12件(素材特性・加工可否・納期・対応ロットなど)と試作・小ロット対応のご依頼フローを案内しています。

製品写真

ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂 精密切削加工品 外寸90×31.5×37mm 3個 斜め上方から撮影
ポリブチレンテレフタレート(PBT)精密切削加工品、外寸90mm×31.5mm×37mm。3個を角度を変えて配置し、製品の形状・溝・穴位置が確認できるよう斜め上方から撮影。3軸マシニングセンターで加工した小ロット品です。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂 精密切削加工品 外寸90×31.5×37mm 3個 真上近くから撮影
PBT精密切削加工品、上方からの撮影。フラットエンドミルによる面仕上げ・φ8.2・φ6貫通穴の位置と仕上げ状態を確認できます。
表1:ポリブチレンテレフタレート(PBT)精密切削加工品の代表仕様
項目 内容
素材ポリブチレンテレフタレート(PBT)板材
外形寸法90mm × 31.5mm × 37mm
加工内容外形切削・内部形状加工・溝加工・穴あけ加工
加工設備3軸マシニングセンター
使用工具フルバックカッター(フェイスミル)フラットエンドミルドリル
穴加工φ8.2貫通穴×2個、φ6貫通穴×2個
仕上げ手仕上げバリ取り・糸面取り、寸法・外観検査済み

※ 掲載仕様は本事例の代表値です。寸法・形状はご要望に応じた設計が可能です。

▶ これまで製作したポリブチレンテレフタレート加工事例は、ポリブチレンテレフタレート加工事例一覧をご覧ください。

当社の加工実績:掲載加工事例543件(2026年4月現在)。ポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む樹脂素材の小ロット加工を多数手がけており、試作1個からご対応しています。

ポリブチレンテレフタレート(PBT)精密部品の加工内容と加工方法

工程設計の要点

  1. 図面・CADデータの確認:DWG図面を検証し、穴位置・溝寸法を含む加工順序を設計します。
  2. CAMプログラム作成:3軸マシニングセンター用NCプログラムを作成し、工具経路と切削条件を最適化します。
  3. 素材準備・固定:PBT板材を所定寸法に切断し、加工精度を確保するために3軸マシニングセンターへ確実に固定します。
  4. 外形加工:フルバックカッター(フェイスミル)とフラットエンドミルで外形を切削し、平面度・直角度を整えます。
  5. 内部形状・溝加工:フラットエンドミルで内部形状を切削し、穴周りの溝を加工します。
  6. 穴あけ加工:ドリルでφ8.2×2個・φ6×2個の貫通穴をあけます。
  7. バリ取り・糸面取り・検査:手仕上げでバリ・ケバを除去後、測定器具で寸法・外観を確認して出荷します。

PBT切削加工で注意すべきポイント

  • 切削速度の管理:PBTは切削性が良好ですが、速度過大では摩擦熱が生じ、溶融・バリが発生しやすくなります。
  • シャープな工具の使用:刃先が鋭利なエンドミル・ドリルを使用することで、切削面の品質と寸法精度が向上します。
  • 固定方法の適切化:PBTは剛性が比較的高い素材ですが、固定が不十分だとビビリや寸法ずれが生じるため、確実な固定治具を使用します。
  • 小径穴の誘い穴加工:φ6などの小径穴はセンタードリルで誘い穴を先につけることで、穴位置精度が向上します。
  • 切りくずの除去:PBTは切りくずが長くなりやすいため、エアブロー等で適切に除去し、再切削による面荒れを防ぎます。
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電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで

本製品で使用したポリブチレンテレフタレート(PBT)について

本製品にはポリブチレンテレフタレート(PBT)板材を使用しています。PBTはポリエステル系のエンジニアリングプラスチックで、非強化の汎用グレードから、ガラス繊維(GF)を30〜50%配合した強化グレードまで幅広いバリエーションがあります。切削加工に使用する板材は一般に非強化グレードですが、用途に応じて難燃グレード・耐候グレードなども選択可能です。

▶ 詳しい素材情報はポリブチレンテレフタレート(PBT)素材解説ページをご参照ください。

ポリブチレンテレフタレート(PBT)の特性と優位性

  • 高い寸法安定性:吸水率が極めて低く(0.08〜0.10%)、温湿度変化による寸法変化が小さいため、精密部品への適用に優れています。
  • 優れた電気絶縁性:体積抵抗率・絶縁破壊電圧ともに高水準で、電子・電気部品の絶縁体として広く採用されています。
  • 良好な耐熱性と機械的強度:連続使用温度は約120〜140℃で、耐疲労性・耐摩耗性も安定しています。
  • 耐薬品性(酸・油系):有機溶剤・潤滑油・燃料油などに対して良好な耐性を示します(ただし強アルカリには注意が必要です)。
  • 加工性とコストバランス:切削性に優れており、マシニングセンターによる精密加工が容易なうえ、スーパーエンプラと比べてコストを抑えられます。

PBT樹脂の主要物性値

表2:PBT(非強化一般グレード)主要物性値
性質 単位 数値(一般グレード)
比重1.31
吸水率(23℃、24h)%0.08〜0.10
引張強さMPa約52〜65
曲げ弾性率MPa約2,400〜2,600
荷重たわみ温度(1.82MPa)約58〜65
連続使用温度約120〜140
線膨張係数×10-5/K6〜8
絶縁破壊電圧kV/mm約15〜20

※ 数値はISO/JIS規格に基づく非強化一般グレードの参考値です。グレードや試験条件により異なります。設計・材料選定には各素材メーカーのデータシートをご参照ください。

他素材との比較(PBT・樹脂・金属)

以下の比較表では、PBTとよく比較される樹脂素材4種・金属素材2種を対比しています。

■ PBT(本素材) ■ 他樹脂素材 ■ 金属素材
表3:PBT・樹脂4種・金属2種の特性比較
項目 PBT PA6(ナイロン6) POM(ポリアセタール) PET 変性PPE(m-PPE) Al合金(A2017系) SUS304
比重 1.31 1.14 1.41 1.38 1.06〜1.10 約2.70 約7.93
引張強さ(MPa) 52〜65 70〜85 60〜70 55〜70 55〜65 270〜320 520〜620
吸水率(%) 0.08〜0.10 1.5〜2.0 0.20〜0.30 0.10〜0.30 0.06〜0.07
連続使用温度(℃) 120〜140 80〜100 90〜110 120〜130 100〜120 150以上 400以上
寸法安定性
電気絶縁性 × ×
耐薬品性
(強アルカリ注意)

(強酸・強アルカリ弱)

(酸・塩水弱)
切削加工性
コスト指数 低-中
汎用性
加工事例 PBT切削加工事例 PA6切削加工事例 POM切削加工事例 PET切削加工事例 変性PPE切削加工事例

※ 数値は非強化一般グレードの参考値。◎優秀・○良好・△やや劣る・×不適。変性PPE(m-PPE)はPS系ブレンドグレード。金属素材のコスト指数は素材費のみの目安です。

PBTの比較優位点

  • 吸水性が低くPA6(ナイロン)より寸法安定性が高い:湿度変化の大きい環境でも寸法を維持します。
  • POMに次ぐ良好な切削加工性:工具寿命を損ないにくく、精密形状の仕上げが容易です。
  • 電気絶縁性・耐熱性・耐薬品性のバランスが優れている:PETと同等以上の電気特性を持ちながら、加工性が高い点が特長です。
  • 変性PPEより密度が高く剛性がある:部品強度が必要な用途では有利です。
  • 金属比で大幅な軽量化が可能:アルミと比べ比重が約半分、SUSと比べ約6分の1で、軽量化と電気絶縁性を同時に実現します。

ポリブチレンテレフタレート(PBT)を選ぶべきケース・再検討すべきケース

表4:PBT素材選定ガイド
この素材が向いているケース 他素材も検討すべきケース
高い寸法安定性が必要(吸水・湿度変化による寸法変化を嫌う部品) 連続高温・高負荷環境(200℃以上)が想定される場合はPPS・PEEKを検討
電気絶縁性が求められる精密部品(コネクタ・絶縁ホルダー等) 強アルカリ環境での長期使用が前提の場合は耐アルカリ性樹脂を検討
耐薬品性(酸・油・有機溶剤)と加工性を両立したい場合 摺動専用で最高の耐摩耗性が必要な場合はPOMが第一選択になることが多い
軽量化と絶縁性を同時に実現したい(金属代替を検討中) 屋外長期使用でUV耐性が必須な場合は耐候グレードまたは他素材を検討
試作・小ロットで形状自由度が高い切削加工品が必要な場合 超高強度・高剛性が必要でコスト制約がない場合は金属加工品を検討

※ 素材選定に迷う場合はお気軽にご相談ください。用途・環境に応じて最適な素材をご提案します。

PBT樹脂の長所・短所

表5:PBT樹脂の長所・短所
長所 短所・注意点
吸水率が低く、寸法安定性に優れる 荷重たわみ温度が低い(非強化品、1.82MPa条件で約58-65℃
電気絶縁性・耐熱性・耐薬品性のバランスが良い 強アルカリへの耐性が低い(強アルカリ環境での使用は注意が必要)
切削加工性に優れ、高精度な形状再現が可能 紫外線(UV)耐性が低く、屋外長期使用で表面劣化が生じやすい
結晶性樹脂のため機械的強度・耐疲労性が安定 低温での衝撃強さ(非強化品)はPCなどと比べてやや低い
スーパーエンプラと比べてコストパフォーマンスが高い 熱水・蒸気環境での長期使用は加水分解による劣化に注意

よくあるトラブルと当社の対策

表6:PBT切削加工のよくあるトラブルと当社の対策
トラブル 主な原因 当社の対策
エッジ・穴口のバリ発生 切削速度過大・工具摩耗・切りくずの再切削 適切な切削条件設定・工具の定期交換・手仕上げによるバリ除去
寸法精度のばらつき 固定力不足・切削熱による微小変形 適切な固定治具の使用・切削熱管理・加工後の寸法全数確認
切削面の荒れ・光沢不均一 工具切れ刃の鈍化・送り速度の不適切な設定 シャープな刃先の工具使用・仕上げ用の切削条件に切り替え
小径穴の位置ずれ・穴径不良 工具のたわみ・センタリング不足 センタードリルによる誘い穴加工・加工後のピンゲージ確認

※ 上記以外のトラブルや仕様に関するご不明点も、お気軽にお問い合わせください。

PBT切削加工が活躍する分野

  • 電子・電気機器分野:コネクタ・ソケット・スイッチ部品・絶縁ホルダーなど、絶縁性と寸法精度が求められる部品。
  • 自動車・輸送機器分野:センサーケース・リレー部品・電装コネクタなど、耐熱性・耐油性・電気特性を同時に必要とする部品。
  • 産業機器・制御機器分野:制御筐体の内部パーツ・ガイドブロック・摺動部品など、安定した機械的性能が求められる部品。
  • 試作・開発分野:射出成形品の試作評価・少量生産品。当社は試作1個からの小ロット対応で、開発スピードをサポートします。

PBT切削加工に関するよくある質問

Q1. ポリブチレンテレフタレート(PBT)とはどのような樹脂素材ですか?

A1. PBT(ポリブチレンテレフタレート)はポリエステル系のエンジニアリングプラスチックです。吸水率が低く寸法安定性に優れ、電気絶縁性・耐熱性・耐薬品性(酸・油系)のバランスが高い素材として、電子・電気部品や自動車部品に広く採用されています。

Q2. PBT樹脂の切削加工は難しいですか?

A2. PBTは切削性に優れた素材で、適切な工具と加工条件を用いれば高精度な仕上がりが得られます。ただし、工具が鈍化していたり切削速度が不適切だとバリが発生しやすいため、経験ある加工業者への依頼をおすすめします。

Q3. 試作1個からでも対応してもらえますか?

A3. はい、試作1個からご対応しています。小ロット・多品種の切削加工を得意としており、試作・開発段階のご依頼にも柔軟に対応しています。

Q4. 図面がない場合でも加工できますか?

A4. 現物からの再現(リバースエンジニアリング)に極力対応しています。現物サンプルや参考資料をご提供いただければ、可能な範囲でご相談に応じますので、まずはお問い合わせください。

Q5. PBTはナイロン(PA6)と比べてどう違いますか?

A5. 最大の違いは吸水性です。PA6は吸水しやすく湿度によって寸法が変化しますが、PBTは吸水率が低く(0.08-0.10%)寸法安定性に優れています。精度が求められる部品や多湿環境での使用にはPBTが有利です。

Q6. PBTは電気絶縁部品に使用できますか?

A6. はい、PBTは電気絶縁性に優れており、コネクタ・スイッチ部品・絶縁ホルダーなど電気・電子部品への使用実績が多い素材です。当社でも絶縁部品の精密切削加工に対応しています。

Q7. 加工の納期はどのくらいかかりますか?

A7. 加工内容や数量により異なりますが、標準的な部品で5〜7日程度を目安としています。お急ぎの場合はご相談ください。

Q8. PBTは屋外での使用に向いていますか?

A8. 一般グレードのPBTは紫外線(UV)耐性が低く、長期屋外使用では表面劣化が生じやすいです。屋外環境では耐候グレードのPBTをご検討いただくか、素材選定をご相談ください。

Q9. PBT樹脂の耐熱性はどのくらいですか?

A9. 連続使用温度は約120〜140℃です。ただし、高荷重条件での荷重たわみ温度(1.82MPa)は約58〜65℃と低いため、高温・高負荷環境ではガラス繊維強化グレードのご使用をご検討ください。

Q10. PBTとPOM(ポリアセタール)はどちらが摺動用途に向いていますか?

A10. 摺動特性はPOMが特に優れており、自己潤滑性・低摩擦係数の高さから摺動部品に広く使われています。PBTも低摩擦係数を持ちますが、摺動専用部品ではPOMが第一選択になることが多いです。電気絶縁性も必要な摺動部品ではPBTが有利な場合もあります。

Q11. PBTは強アルカリ環境で使用できますか?

A11. PBTは酸・油・有機溶剤への耐性は良好ですが、強アルカリ溶液に対しては耐性が低く、機械的強度の低下を招く場合があります。強アルカリ環境での使用を想定される場合は、素材選定をご相談ください。

Q12. 加工後の表面処理は対応していますか?

A12. 当社では切削加工・バリ取り・糸面取り標準工程として実施しています。その他の表面処理としては磨き加工(バフ研磨)も行っています。

ご依頼から納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面のご共有:メールフォームまたはお電話にて、図面・仕様書をお送りください(DWG・PDFなど対応)。
  2. 加工内容の確認・お見積り:内容を確認のうえ、加工方法・納期・価格をご案内します。
  3. ご注文・素材手配:ご注文確定後、PBT板材を調達し加工準備を進めます。
  4. 加工・検査:NCプログラムに基づき加工を実施し、寸法・外観検査で品質基準を確認します。
  5. 梱包・発送・納品:検査合格品を適切に梱包してお届けします。

まとめ

PBT(ポリブチレンテレフタレート)は、寸法安定性・電気絶縁性・耐薬品性・加工性を高い水準でバランスよく備えたエンジニアリングプラスチックです。当社では3軸マシニングセンターによる精密切削加工で、試作1個から小ロットまで柔軟に対応しています。素材選定でお悩みの方も、図面がない場合でも、まずはお気軽にご相談ください。

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