
ガラスエポキシ樹脂G-10切削加工|φ6×55 段溝・スリット
- プラスチック加工品例 -
ガラスエポキシ樹脂G-10切削加工|φ6×55 段溝・スリット
ガラスエポキシ樹脂(GFRP / G-10)の丸棒から、外形φ6×55mmの部品を切削加工した事例です。段溝とスリットを旋盤+マシニングセンターで仕上げています。
この記事の要点
- ガラスエポキシ樹脂(GFRP / G-10)の精密切削加工事例です(外形φ6×55mm)。
- 旋盤で外径仕上げと段溝(幅6.2mm・深さ1mm)を加工しています。
- マシニングセンターでスリット(幅1mm・深さ12mm)を加工し、細幅深溝の品質を確保しています。
- φ6細径部品の溝・スリット加工のため、工具管理・集塵による防塵対策・バリ取り/糸面取りを徹底しています。
- 関連情報:ガラスエポキシ樹脂切削加工事例一覧、ガラス入りプラスチック加工事例一覧、溝加工事例一覧、スリット加工事例一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 素材 | ガラスエポキシ樹脂(GFRP / G-10) 丸棒材 |
| 外形寸法 | φ6.0×55.0mm |
| 加工内容 | 段溝(段付きの溝)・スリットを含む精密切削(旋盤+MCの複合) |
| 加工設備 | 旋盤/マシニングセンター |
| 仕上げ | バリ取り・糸面取り・最終検査 |
| 図面支給 | メールでPDF図面を支給いただき、内容を精読して工程設計 |
▶ これまでのガラスエポキシ樹脂切削加工製品は、ガラスエポキシ樹脂切削加工品の事例一覧ページをご覧ください。
▶ 詳しい素材情報は、エポキシ樹脂(ガラスエポキシ樹脂・ガラエポ樹脂)でご確認いただけます。
ガラスエポキシ樹脂(G-10)の切削加工内容(段溝・スリット)
ガラスエポキシ樹脂(GFRP / G-10)は高強度・高絶縁性を誇る一方、ガラス繊維が工具を激しく摩耗させる難削材です。加工条件の最適化と工具管理が品質安定の要となります。
加工工程の要点(φ6×55 段溝・スリット事例)
- 図面データ解析:メールで支給いただいたPDF図面を精読し、寸法・公差・形状を確認。旋盤とマシニングセンターの加工順序を計画しました。
- 材料準備:G-10丸棒材を調達・切断。集塵機を使用した防塵対策を徹底しました。
- 旋盤加工(バイト):チャックで丸棒を保持し、外径φ6.0mmへの切削と幅6.2mm・深さ1mmの段溝(横方向2箇所)を仕上げました。
- マシニングセンター加工(フラットエンドミル):幅1mm・深さ12mmのスリット加工(縦方向1箇所)を実施。細幅の深溝は工具剛性の管理が重要です。
- バリ取り・糸面取り・最終検査:全体を精密に仕上げ、各種測定機で寸法・外観を検査。基準をクリアした製品のみ出荷しました。
ガラスエポキシ樹脂(G-10)切削の注意点(工具摩耗・粉塵)
- 切削速度の管理:ガラス繊維による工具摩耗を抑えるため、超硬工具の条件に合わせて切削速度を最適化します。
- 工具の選定:超硬(WC-Co)工具が基本。ハイス工具は不向きです。
- ワーク固定:硬くても脆い性質があるため、過大なチャック圧をかけず割れを防ぐ固定方法が必要です。
- 切削粉塵対策:微細なガラス繊維粉塵が発生するため、集塵機を使用した防塵対策を行います。
- クーラントの適用:必要な場合により、エアーブローまたは水溶性クーラントで切削熱を抑制し、仕上げ面の品質向上を図ります。
ガラスエポキシ樹脂(G-10)とは(GFRP・FR-4との関係)
ガラスエポキシ樹脂(G-10)は、ガラス繊維で強化したエポキシ樹脂(GFRP)の代表的なグレードです。高い機械的強度・電気絶縁性・耐熱性・低吸水性を兼ね備え、電気・電子機器部品や産業機械部品などに広く使用されています。
同系材料には難燃性(自己消火性)を付与したFR-4や、高耐熱のG-11 / FR-5などのグレードがあります。FR-4はプリント基板(PCB)の主流素材として知られています。
なおG-10にはFR-4の自己消火性がないため、FR-4指定用途への代用は一般に推奨されていません。
→ エポキシ樹脂(ガラスエポキシ樹脂・ガラエポ樹脂)素材解説ページ
ガラスエポキシ樹脂(G-10)の特性(高強度・高絶縁・低吸水)
- 高い機械的強度:ガラス繊維補強により引張・曲げ強度ともに優れ、小断面部品にも十分な強度を確保できます。
- 優れた電気絶縁性:体積抵抗率が高く、高電圧環境下でも安定した絶縁性能を維持します。
- 耐熱性と寸法安定性:荷重たわみ温度130~140℃程度で、高温下でも形状・寸法が安定。線膨張係数も小さく精密部品向きです。
- 低吸水性:吸水率0.10~0.20%(24h浸漬)と非常に低く、湿潤環境でも特性の変化が小さいのが特長です。
- 優れた耐薬品性:アルコール・油・軽度の酸やアルカリに化学的に安定しており、過酷な環境でも性能が劣化しにくい素材です。
ガラスエポキシ樹脂(G-10)の主要物性値(代表値)
| 物性項目 | 代表値/範囲 | 単位 | 参考規格 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 比重 | 1.75 ~ 1.90 | – | NEMA LI-1 / JIS K7112 | 代表値 1.85。ガラス含有率により変動 |
| 引張強度 | 260 ~ 310 | MPa | NEMA LI-1 / JIS K7164 | 繊維配向(経/緯方向)により異なる |
| 曲げ強度 | 300 ~ 420 | MPa | NEMA LI-1 / JIS K7171 | G-10最小300、FR-4最小415 MPa(NEMA) |
| 圧縮強度 | 350 ~ 460 | MPa | JIS K7181 / ASTM D695 | 製品実測:約455 MPa(66,000 psi) |
| 曲げ弾性率 | 18 ~ 24 | GPa | JIS K7171 / ASTM D790 | 面内方向の値 |
| 荷重たわみ温度 | 130 ~ 140 | ℃ | JIS K7191 / ASTM D648 | G-11・FR-5はより高温(150℃以上) |
| 線膨張係数(面内XY方向) | 14 ~ 18 | ×10-6/K | JIS K7197 / ASTM D696 | Z方向(厚み方向)は50~70 ppm/K程度 |
| 体積抵抗率 | 1012 ~ 1014 | Ω・cm | JIS K6911 / ASTM D257 | 優れた電気絶縁性 |
| 絶縁破壊強度 | 18 以上 | kV/mm | JIS K6911 / IEC 60243 | 試験方向・厚さにより異なる |
| 吸水率(24時間浸漬) | 0.10 ~ 0.20 | % | JIS K7209 / ASTM D570 | 低吸水性。湿潤環境でも安定した性能を維持 |
| 燃焼性 | HB(G-10) V-0相当(FR-4) |
– | UL94 | G-10は自己消火性なし。FR-4はUL94 V-0適合品が多い(試験・製品による) |
※NEMA LI-1・JIS・ASTM規格の代表値および主要メーカーデータシートに基づく。グレード・試験条件により変動します。
ガラスエポキシ樹脂(G-10)と他素材の比較(樹脂・金属)
| 素材名 | 比重 | 引張強度 (MPa) |
曲げ強度 (MPa) |
耐熱性 (荷重たわみ℃) |
電気 絶縁性 |
切削 加工性 |
コスト 指数 |
汎用性 | 加工事例 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ガラスエポキシ樹脂 (GFRP / G-10 / FR-4) |
1.75 ~1.90 |
260 ~310 |
300 ~420 |
130 ~140 |
◎ | △ (難削材) |
中 | ◎ | ガラスエポキシ樹脂加工事例 |
| 紙フェノール樹脂 (紙ベークライト / PF-P) |
1.30 ~1.40 |
60 ~100 |
90 ~150 |
105 程度 |
○ | ○ | 低 | ○ | 紙ベークライト加工事例 |
| 布フェノール樹脂 (布ベークライト / PF-C) |
1.35 ~1.45 |
80 ~130 |
110 ~160 |
120 程度 |
○ | ○ | 低 | ○ | 布ベークライト加工事例 |
| ポリフェニレンサルファイド (PPS / 非充填品) |
1.34 ~1.37 |
70 ~90 |
120 ~160 |
200 以上 |
○ | ○ | 中高 | ○ | PPS加工事例 |
| ポリエーテルエーテルケトン (PEEK / 非充填品) |
1.30 ~1.32 |
95 ~100 |
160 ~170 |
152 以上 |
○ | ○ | 高 | △ | PEEK加工事例 |
| アルミニウム合金 (A5052相当) |
2.68 | 210 ~275 |
– | 150 程度 |
× (導電性) |
◎ | 中 | ◎ | – |
| ステンレス鋼 (SUS304) |
7.93 | 520 以上 |
– | 高温まで 使用可 |
× (導電性) |
△ | 高 | ◎ | – |
※各素材代表グレード・非充填品の公称値。参考:NEMA LI-1、JIS C 6484、JIS K7164/7171、ASTM D638/D790、各素材メーカーデータシート。
比較から見るガラスエポキシ樹脂(GFRP)の優位点
- 強度と絶縁性の両立:紙・布フェノール樹脂の2倍以上の引張強度をもちながら、同等以上の電気絶縁性を確保できます。
- 軽量性:アルミ(比重2.68)やSUS(7.93)と比べ大幅に軽量(1.75~1.90)。絶縁性が必要な電気部品で特に有利です。
- コストパフォーマンス:PEEKより材料コストが大幅に低く、電気絶縁性が必要な精密部品への経済的な選択肢です。
- 低吸水・寸法安定:吸水率0.10~0.20%と非常に低く、丸棒・板材など多様な形状で入手しやすいため設計の自由度も高いです。
- 耐薬品性:紙・布フェノール樹脂より湿潤環境での性能劣化が少なく、精密・高信頼性が求められる部品への適合性に優れます。
ガラスエポキシ樹脂(GFRP)の長所・短所
| 分類 | 項目 | 詳細 |
|---|---|---|
| 長所 | 高い機械的強度・剛性 | 引張260~310 MPa、曲げ300~420 MPa(NEMA LI-1)の優れた機械特性 |
| 長所 | 優れた電気絶縁性 | 体積抵抗率1012~1014 Ω・cm、絶縁破壊強度18 kV/mm以上 |
| 長所 | 耐熱性・耐薬品性 | 荷重たわみ温度130~140℃。アルコール・油・軽度の酸やアルカリに安定 |
| 長所 | 低吸水性・寸法安定性 | 吸水率0.10~0.20%(24h)、線膨張係数14~18 ppm/K。精密部品に適する |
| 短所 | 工具摩耗の促進 | ガラス繊維の研削作用で工具寿命が短縮。超硬工具の使用と定期的な工具管理が必須 |
| 短所 | 切削粉塵への対策が必要 | 微細なガラス繊維粉塵が発生。集塵設備・保護具による安全管理が不可欠 |
| 短所 | 比重が一般樹脂より重い | 比重1.75~1.90と一般熱可塑性樹脂(1.0~1.4程度)より重く、軽量化が最優先の用途には不向き |
| 短所 | 加工の難易度が高い | 専門的な加工条件の設定が必要で、経験のない加工業者では品質が安定しにくい |
ガラスエポキシ樹脂(GFRP)加工でよくあるトラブルと当社の対策
| トラブル | 主な原因 | 当社の対策 |
|---|---|---|
| 工具摩耗が早く寸法がばらつく | ガラス繊維の研削作用による刃先の急速摩耗 | 超硬工具を使用し、定期チェックと早めの交換を徹底 |
| 仕上げ面の毛羽立ち・繊維の浮き | 切削条件の不適合、工具切れ刃の鈍化 | 最適切削条件の設定と仕上げパスによる面品位の確保 |
| 欠け・割れが発生する | 過大な切り込み・衝撃的な切削力・固定不足 | 多パス加工とワーク固定方法の工夫で割れを防止 |
| 切削粉塵が飛散する | 集塵不足・加工速度過大 | 集塵機常時稼働+エアーブローで粉塵を確実に排除 |
| 寸法精度が出にくい | 繊維配向の異方性・内部応力の影響 | 加工後に各種測定機で寸法検査を実施し品質を保証 |
GFRP加工でお困りの際は、お気軽にご相談ください。難削材加工のノウハウで最適な加工方法をご提案します。
当社のガラスエポキシ樹脂(GFRP)加工が活躍する分野
高強度・高絶縁性・耐熱性が求められる特注精密部品の製作で力を発揮します。1個からの小ロット・試作対応が当社の強みです。
主な加工実績分野
- 電気・電子機器分野:絶縁スペーサー・絶縁ブッシュ・変圧器部品・検査治具など。本製品のような特注精密加工部品が活躍する主要フィールドです。
- 産業機械・装置分野:半導体製造装置の搬送治具・位置決め部品・絶縁プレートなど、高精度・高信頼性が求められる部品。
- 試作・開発分野:試作品・少量先行品に対応。1個からのご注文も歓迎しており、小ロット対応を強みとしています。
- 計測・検査機器分野:絶縁性と寸法精度が同時に求められる測定治具・検査ジグ・センサー固定部品など。
よくある質問(FAQ):ガラスエポキシ樹脂(GFRP)の切削加工
Q1. ガラスエポキシ樹脂(GFRP)の加工で最も重要な点は何ですか?
A1. 工具管理と切削条件の最適化です。ガラス繊維の研削作用で工具が早く摩耗するため、超硬工具の使用・定期的な工具交換・適切な切削速度の設定が品質安定のカギです。
Q2. G-10とFR-4の違いは何ですか?
A2. どちらもガラス繊維+エポキシ樹脂の複合材料ですが、FR-4は難燃性(自己消火性)を付与したグレードで、G-10には自己消火性がありません。G-10の代わりにFR-4を使うことはできますが、FR-4指定の用途にG-10を代用することは一般に不可です。加工特性は概ね同等です。
Q3. GFRPの切削に適した工具は何ですか?
A3. 超硬(WC-Co)工具が基本です。さらなる長寿命を求める場合は、CBN・ダイヤモンドコーティング工具が有効です。ハイス工具は摩耗が早く不向きです。
Q4. 加工時の粉塵対策はどうしていますか?
A4. 切削加工するときは集塵機を常時稼働させ、エアーブローと組み合わせて粉塵を排除しています。
Q5. 小ロット・1個からでも対応できますか?
A5. はい、1個からの試作・小ロット生産に対応しています。試作・開発段階のお客様のご依頼も歓迎しております。
Q6. 納期はどの程度かかりますか?
A6. 加工内容や数量により異なりますが、標準的な部品で5~7日程度が目安です。急ぎのご依頼は別途ご相談ください。
Q7. 寸法精度はどの程度まで対応できますか?
A7. 形状・加工部位によりますが、±0.025~±0.05mm程度までの対応実績があります。より高精度なご要求はまずご相談ください。
Q8. 図面はどのような形式で支給すればよいですか?
A8. PDF・DXF・DWG・STPなどの電子データを推奨しています。手書きスケッチや現物支給にも対応していますので、お気軽にご相談ください。
Q9. FR-4はプリント基板(PCB)と同じ素材ですか?
A9. はい、FR-4はプリント基板(PCB)に広く使われている素材と同系統です。当社では基板用途だけでなく、機械部品用の丸棒材・板材からの切削加工を承っています。
Q10. 旋盤とマシニングセンターを両方使う理由は何ですか?
A10. 外径・段溝加工は旋盤、縦方向のスリット(溝切り)加工はマシニングセンターがそれぞれ得意です。2機種の組み合わせにより、複雑な形状を高精度に仕上げています。
Q11. ガラスエポキシ樹脂(GFRP)は紫外線が当たる屋外環境での使用は可能ですか?
A11. 屋内・機械内部での使用には非常に適していますが、紫外線(UV)に長期間さらされると樹脂部分が劣化する場合があります。屋外での使用を想定される場合はご相談ください。
Q12. バリ取り・糸面取りも対応していますか?
A12. はい、全製品に精密バリ取り・糸面取りを実施しています。GFRPはバリが鋭利になりやすいため、安全性と品質確保の観点から丁寧に仕上げています。
ご依頼から納品までの流れ
- お問い合わせ・図面のご支給:メールフォームまたはお電話にて、図面データ(PDF・DXF等)をご支給ください。
- 見積書の作成・ご提出:図面を確認し、加工内容・材料・納期・費用をまとめた見積書を速やかにご提出します。
- ご注文書の受領:内容にご納得いただけましたら注文書(または発注メール)をお送りください。生産準備を開始します。
- 精密切削加工:図面に基づき旋盤・マシニングセンターで精密加工を実施。難削材GFRPへの対応も万全です。
- 検査・納品:各種測定機で寸法・外観を検査し、基準をクリアした製品を納品します。
まとめ
ガラスエポキシ樹脂(GFRP / G-10 / FR-4)は、高強度・高絶縁・耐熱・低吸水を兼ね備えた高機能複合材料です。電気・電子部品から産業機器・試作品まで幅広く活用されています。
当社は難削材GFRPの豊富な加工実績を持ち、旋盤とマシニングセンターを組み合わせた複合精密加工を得意としています。1個からの小ロット試作も歓迎です。
図面支給による特注部品加工のご依頼・ご相談はお気軽にどうぞ。
電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで
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