
PTFE切削加工品
- プラスチック加工品例 -
PTFE切削加工品

PTFE切削加工品です。
外寸はφ13×9t。
PTFE樹脂の丸棒を旋盤で外形仕上げし、マシニングセンターで楕円の穴を4個彫り、その口元をC面取りの切削加工を行っています。
PTFEは硬度が低く柔らかい樹脂素材のため、素材の固定方法、刃物選択、切削条件…に注意が必要です。
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、ポリ四ふっ化エチレン、テフロン)は、フッ素樹脂の一種で、優れた耐熱性、耐薬品性、非粘着性、低摩擦性…などの特徴を持つ素材です。
これらの特性から、医療機器、自動車部品、半導体製造装置…など、幅広い分野で使用されています。
(※これまで作ったPTFE切削加工製品はこちら → PTFE切削加工品)
(※詳しい素材情報はこちら → ふっ素樹脂(テフロンほか))
PTFE切削加工の詳細解説
PTFE切削加工の技術的特徴
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、ポリ四ふっ化エチレン、テフロン)の精密切削加工は、その独特な材料特性により高度な技術と経験が必要となります。今回の加工事例では、旋盤による外形仕上げとマシニングセンターによる楕円穴加工を組み合わせることで、複雑な形状の部品を高精度に製作しました。
加工工程のポイント
- 素材固定の工夫:PTFEは柔軟性が高いため、適切なクランプ圧力での固定が必要
- 切削条件の最適化:低速・高送りでの切削により、材料の変形を最小限に抑制
- 刃物選択:鋭利な刃先を持つ専用バイト・エンドミルを使用し、切削抵抗を軽減
- 温度管理:切削熱による材料の軟化を防ぐため、適切な冷却を実施
PTFE樹脂の特性分析
PTFEの優れた特性(長所)
PTFE樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリ四ふっ化エチレン、テフロン)は「フッ素樹脂の王様」と呼ばれるほど、多くの優秀な特性を持っています:
- 優れた耐薬品性:ほぼすべての化学薬品に対して安定
- 卓越した非粘着性:表面エネルギーが低く、汚れや異物が付着しにくい
- 低摩擦係数:固体材料中で最も低い摩擦係数(0.05-0.1)
- 広い使用温度範囲:-200℃~+250℃の幅広い温度域で使用可能
- 優秀な電気絶縁性:高い絶縁破壊強度と低い誘電率
- 耐候性:紫外線や酸素による劣化がほとんどない
PTFEの注意すべき特性(短所)
一方で、加工や使用時に注意が必要な特性もあります:
- 低い機械的強度:引張強度や耐摩耗性が他の樹脂に比べて低い
- 高い熱膨張率:温度変化により寸法変化が大きい
- 加工の難しさ:柔らかく粘性があるため、精密加工には高い技術が必要
- 接着性の困難さ:非粘着性が高いため、接着剤での接合が困難
- 低いクリープ強度:長時間の荷重により変形しやすい
PTFE樹脂の用途・使用例
産業分野での活用
PTFE樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリ四ふっ化エチレン、テフロン)は、その優れた特性により様々な分野で重要な役割を果たしています:
化学工業分野
- 配管継手・バルブシート:強酸・強アルカリ環境での使用
- 反応容器ライニング:化学反応での腐食防止
- ポンプ部品:薬液移送用シール材
食品・医療分野
- 人工血管:生体適合性を活かした医療用途
- 薬品容器:医薬品の保存・輸送用容器
- 食品加工機械部品:非粘着性を活かした搬送ローラー
半導体・電子分野
- ウェーハ搬送治具:高純度環境での使用
- 配線被覆材:高周波特性を活かした電線被覆
- 真空装置部品:低アウトガス特性を活用
自動車・航空宇宙分野
- ベアリング・シール材:無給油での長期使用
- 燃料系統部品:耐薬品性を活かした燃料ホース
- 断熱材:高温環境での断熱用途
PTFE樹脂の物性値一覧
| 物性項目 | 単位 | 値 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 密度 | g/cm3 | 2.13-2.19 | 比較的軽量 |
| 引張強度 | MPa | 20-35 | 機械的強度は中程度 |
| 伸び | % | 200-400 | 非常に柔軟 |
| 圧縮強度 | MPa | 10-15 | 圧縮には比較的弱い |
| 曲げ強度 | MPa | 不適用 | 柔軟すぎて測定困難 |
| 硬度 | ショアD | 50-65 | 比較的軟質 |
| 融点 | ℃ | 327 | 高い融点 |
| 熱伝導率 | W/(m・K) | 0.25 | 低い熱伝導性 |
| 線膨張係数 | 10??/℃ | 10-20 | 大きな熱膨張 |
| 体積抵抗率 | Ω・cm | 101? | 優秀な絶縁性 |
| 誘電率 | – | 2.1 | 低い誘電率 |
| 摩擦係数 | – | 0.05-0.1 | 極めて低い摩擦 |
材料比較表
| 特性 | PTFE | POM | PEEK | ステンレス鋼 | アルミニウム |
|---|---|---|---|---|---|
| 耐薬品性 | |||||
| 非粘着性 | |||||
| 低摩擦性 | |||||
| 機械的強度 | |||||
| 耐熱性 | |||||
| 電気絶縁性 | |||||
| 加工性 | |||||
| コスト |
PTFEの優位点
化学的安定性においてPTFEは他の材料を大きく上回り、非粘着性と低摩擦性では群を抜いた性能を発揮します。特に過酷な化学環境や清浄度が要求される用途では、PTFEの特性が最も活かされます。
よくあるご質問(FAQ)
加工依頼をお考えの方へ
PTFE切削加工の選定ポイント
PTFE切削加工をご検討の際は、以下の点をご確認ください:
加工業者選定の重要ポイント
- PTFE加工の豊富な実績があるか
- 適切な設備(多機能な工作機械)を保有しているか
- 材料特性を熟知した技術者がいるか
設計時の注意事項
- 材料の熱膨張を考慮した設計公差の設定
- クリープ特性を考慮した長期使用での変形予測
- 機械的強度が不足する場合の補強設計
- 表面処理や改質処理の必要性検討
コスト最適化のヒント
- 材料歩留まりを考慮した形状設計
- 加工工程数の最小化
- 標準的な工具で加工可能な形状への変更
- 量産効果を活かした発注数量の検討
関連する技術情報
PTFE以外のフッ素樹脂との比較
PFA(パーフルオロアルコキシ樹脂)やFEP(四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体)も優れた特性を持ちますが、機械的強度や耐熱性でPTFEとは異なる特徴があります。用途に応じた最適な材料選択が重要です。
リサイクル・環境への配慮
PTFEは化学的に安定なため、リサイクルが可能です。使用済みPTFE製品の回収・再生により、環境負荷の軽減に貢献できます。
まとめ
PTFE切削加工は、材料の特殊な性質により高度な技術と経験が必要な加工分野です。しかし、その優れた耐薬品性、非粘着性、低摩擦性により、他の材料では実現できない高性能部品の製作が可能になります。
化学工業、医療機器、半導体製造、食品加工など、清浄度や化学的安定性が要求される分野において、PTFEは不可欠な材料です。適切な加工技術により、高精度で高品質なPTFE製品を提供することで、お客様の技術課題解決に貢献いたします。
PTFE切削加工に関するご質問や加工依頼については、豊富な実績と確かな技術力を持つ樹脂加工ドットコムまで、お気軽にご連絡ください。
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