
PVC樹脂切削加工品|R1/4テーパーオスネジ継手
- プラスチック加工品例 -
PVC樹脂切削加工品|R1/4テーパーオスネジ継手
この記事の要点
- グレーPVC丸棒を使用したPVC樹脂切削加工品で、両端にR1/4テーパーオスネジ、中央にφ6貫通穴を加工した特注継手部品です。(R1/4 は旧呼称 PT1/4 と同寸法です)
- 外径φ15×全長33mm、中央10mm部分に幅12mm・2面平削りを施し、保持性と回転防止性を高めた形状です。
- 旋盤+マシニングセンタによる外径加工・ねじ切り・貫通穴加工・平削りなど、PVC樹脂の精密切削工程を詳しく紹介しています。
- PVC樹脂の耐薬品性・電気絶縁性・難燃性・加工性を、物性値と他素材との比較表つきで解説しています。
- PVC樹脂切削加工品の一覧ページおよびPVC素材解説ページから、用途や素材検討に役立つ情報を参照できます。( PVC樹脂切削加工品の一覧ページ、 PVC素材解説ページ )
グレーPVC丸棒を使用したPVC樹脂切削加工品で、旋盤とマシニングセンタによりR1/4テーパーオスネジとφ6貫通穴を加工した特注継手部品です。外径φ15×全長33mmの両端にねじ加工を施し、中央部10mmには幅12mm・2面平削りを行うことで保持性と作業性を高めています。
PVC樹脂は耐薬品性・電気絶縁性に優れ、薬液配管や設備装置の補助部品に適した素材です。本製品は軽量かつ扱いやすいPVC樹脂切削加工継手として幅広い用途に対応できます。
PVC樹脂切削加工の詳細解説と工程について
この製品はPVC樹脂(ポリ塩化ビニル樹脂)の丸棒材を使用し、旋盤とマシニングセンターを駆使した高精度な切削加工により製作されました。お客様からの図面に基づき、複数の工程を経て完成させた特注精密部品です。
PVC樹脂は優れた耐薬品性と電気絶縁性を持ち、加工性にも優れているため、精密な機械部品から配管部品まで幅広い用途で活用されています。この製品では、R1/4のテーパーオスネジという国際規格に準拠した加工を施しており、高い互換性と信頼性を確保しています。
製品の外形寸法はφ15×33mmで、中央にはφ6の貫通穴を加工し、両端には管用テーパーネジを精密に切削しています。テーパーネジとテーパーネジの間の中央部10mmには、2面の平面加工を施し、φ15から12mmに削り出すことで、工具での固定や回転防止が可能な形状を実現しました。
PVC樹脂切削加工工程ステップ
- 加工準備と図面解析 – Faxで届いた図面を詳細に解析し、加工手順を綿密に構想します。素材であるPVC樹脂丸棒を適切な形状に荒切断し、加工の準備を整えます。
- 旋盤による外径加工 – 超硬バイトを用いて製品の全長寸法(33mm)を決定し、外径を所定の寸法(φ15)に精密加工します。切削速度と送り速度を適切に設定することで、寸法精度±0.05mm以内を実現します。
- 中央部貫通穴あけ加工 – ドリルを使用して丸棒の中心にφ6の正確な貫通穴を加工します。センター出しを精密に行い、穴の真直度を確保します。
- C面取り加工 – 貫通穴の両端にC面取りカッターでC0.5面取り加工を施し、バリを除去するとともに、組み立て時の挿入性を向上させます。
- テーパーネジ切り加工 – ダイスを用いて丸棒の両端それぞれにR1/4(管用テーパーオスネジ)を精密に切削します。ネジピッチ精度±0.03mm以内を確保し、JIS規格に準拠した高品質なネジ加工を実現します。
- マシニングセンターによる平面加工 – フラットエンドミルを使用して、テーパーネジとテーパーネジの間の中央部(10mm)に2面の平らな面を削り出し、φ15から12mmに加工します。工具での固定や回転防止に必要な形状を正確に創出します。
- バリ取りと糸面取り – 外周エッジの鋭角部分を手作業で丁寧に糸面取りし、滑らかに仕上げます。取り扱い時の安全性を向上させ、製品の品質感を高めます。
- 最終検査 – 寸法測定(マイクロメーター、ノギス使用)、穴位置精度の確認、ネジゲージによるテーパーネジ検査、外観検査を実施し、品質基準をクリアしたものを出荷します。
PVC樹脂切削加工で注意すべきポイント
- 切削速度の適切な設定 – PVC樹脂は熱可塑性樹脂のため、切削熱により溶融しやすい特性があります。回転数を適切に設定し(一般的に周速50~100m/min程度)、溶融や変形を防止します。
- 切削工具の選定と管理 – 切れ味の良いバイトと適切な刃角設定(すくい角15~20度)で表面品質を確保します。工具の摩耗が進むと切削抵抗が増加し、溶融の原因となるため、定期的な工具交換が重要です。
- クーラントの適切な使用 – 水溶性クーラントを十分に供給し、切削熱を効果的に除去します。これにより寸法精度と表面仕上げを維持し、工具寿命の延長にも寄与します。
- ワークの固定方法 – 薄肉部や長尺部での変形を防ぐため、適切なチャック選択と締め付け力の調整が必要です。過度な締め付けは材料の変形を招くため、バランスが重要です。
- 送り速度の最適化 – 材料特性に応じた送り量設定(0.1~0.3mm/rev程度)で、切りくずの排出を良好に維持します。送り速度が速すぎると表面粗さが悪化し、遅すぎると溶融のリスクが高まります。
- 切りくずの適切な処理 – PVC樹脂の切りくずは静電気により付着しやすい特性があります。エアブローや集塵装置を活用し、加工面への再付着を防止します。
- テーパーネジの精度管理 – ネジゲージによる品質確認とピッチ精度の維持が不可欠です。ダイスの状態を常に良好に保ち、切削油を適切に使用することで、規格に準拠したネジ加工を実現します。
- 温度管理と寸法変化への配慮 – PVC樹脂の線膨張率は5.0~10.0×10-5/℃と比較的大きいため、加工時と測定時の温度差に注意が必要です。恒温室での測定や、温度補正を行うことで高精度を維持します。
本製品で使用したPVC樹脂について
本製品には硬質PVC樹脂(ポリ塩化ビニル樹脂)の丸棒材を使用しています。PVC樹脂は五大汎用樹脂の一つとして位置づけられ、優れたコストパフォーマンスと加工性を兼ね備えた工業材料です。
PVC樹脂には硬質PVCと軟質PVCの2つの主要なバリエーションがあります。本製品で使用している硬質PVCは、可塑剤を含まないため高い機械的強度と優れた寸法安定性を持ちます。一方、可塑剤を添加した軟質PVCは柔軟性に優れ、シート材やホースなどの用途で活用されています。
詳しい素材情報や物性値、用途例については、ポリ塩化ビニル(塩ビ,エンビ,PVC)の素材解説ページでご確認ください。
PVC樹脂の特性と優位性
PVC樹脂は石油由来のエチレンと食塩から得られる塩素を原料とする環境配慮型の合成樹脂です。五大汎用樹脂の一つとして位置づけられ、優れたコストパフォーマンスと加工性を兼ね備えています。
耐薬品性に優れ、酸やアルカリをはじめとする多くの無機薬品に対して高い耐性を示します。また、難燃性が高く、引火温度は391℃、着火温度は455℃と、一般的な材料と比較して非常に安全性の高い特性を持っています。
電気絶縁性においても優れた特性を発揮し、体積抵抗率>1016Ω·cm、耐アーク性は60~80秒という高い数値を示します。これにより電線被覆材や電気機器部品としても広く活用されています。
加工性の良さも大きな特徴で、切削加工、射出成形、押出成形など多様な加工方法に対応可能です。特に切削加工では、適切な加工条件下で優れた表面仕上げと寸法精度を得ることができます。
可塑剤の添加量により硬質から軟質まで物性を調整できる柔軟性も持ち合わせており、用途に応じた最適な材料設計が可能です。硬質PVCは引張強さ41~52MPa、曲げ強さ69~110MPaという構造材料として十分な強度を保有しています。
リサイクル性にも優れ、環境負荷の低減に貢献する持続可能な材料として注目されています。また、他の汎用樹脂と比較して価格が安価であることも大きな優位点です。
比重1.30~1.58という適度な軽量性を持ちながら、金属材料と比較して約1/2~1/5の重量で同等の機能を実現できるため、製品の軽量化と取り扱い性向上に大きく貢献します。
PVC樹脂の主要特性(物性値)
| 項目 | 単位 | 数値 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 比重 | – | 1.30~1.58 | 金属より軽量で取り扱いやすい |
| 引張強さ | MPa | 41~52 | 構造部品に適した強度 |
| 曲げ強さ | MPa | 69~110 | 高い曲げ耐性 |
| 引張弾性率 | MPa | 2400~4100 | 適度な剛性を保持 |
| 線膨張率 | ×10-5/℃ | 5.0~10.0 | 寸法安定性が良好 |
| 荷重たわみ温度 | ℃ | 66~77 | 常温使用に適している |
| 体積抵抗率 | Ω·cm | >1016 | 優秀な電気絶縁性 |
| 吸水率(24h) | 重量% | 0.04~0.40 | 寸法変化が少ない |
| 耐アーク性 | 秒 | 60~80 | 電気部品に適した絶縁性 |
| 熱伝導率 | W/(m·K) | 0.15~0.21 | 断熱性を活かした用途に適する |
※数値は代表的な硬質PVCの参考値です。グレードや添加剤により変動する場合があります。
PVC樹脂・他樹脂素材・金属素材との比較表と優位性分析
| 特性項目 | PVC樹脂 | アクリル樹脂 | ポリエチレン | アルミニウム | ステンレス鋼 |
|---|---|---|---|---|---|
| 比重 | 1.30~1.58 | 1.17~1.20 | 0.91~0.96 | 2.70 | 7.93 |
| 引張強さ(MPa) | 41~52 | 65~75 | 20~35 | 270~310 | 520~720 |
| 耐薬品性 | ◎ 優秀 | △ 限定的 | ○ 良好 | △ 腐食あり | ○ 良好 |
| 電気絶縁性 | ◎ 優秀 | ◎ 優秀 | ◎ 優秀 | × 導電性 | × 導電性 |
| 加工性 | ◎ 優秀 | ○ 良好 | ○ 良好 | ○ 良好 | △ 難しい |
| コスト(指数) | ◎ 安価(1.0) | ○ 中程度(1.5) | ◎ 安価(0.8) | ○ 中程度(2.0) | △ 高価(3.5) |
| 難燃性 | ◎ 自己消火性 | △ 燃焼しやすい | △ 燃焼しやすい | ◎ 不燃 | ◎ 不燃 |
| 汎用性 | ◎ 極めて高い | ○ 高い | ◎ 極めて高い | ○ 高い | ◎ 極めて高い |
| 加工品事例 | PVC加工品事例 | アクリル加工品事例 | ポリエチレン加工品事例 | ― | ― |
※青色背景:対象樹脂(PVC)/ 薄橙色背景:他の樹脂素材 / 薄赤色背景:金属素材
比較表から見えるPVC樹脂の優位点
上記の数値比較から、PVC樹脂の具体的な優位性が明確に確認できます:
軽量性における優位性 – 比重1.30~1.58で、アルミニウム(2.70)の約半分、ステンレス鋼(7.93)の約1/5という軽量性を実現。部品の軽量化と取り扱い性向上に大きく貢献します。
優秀な比強度特性 – 引張強さ41~52MPaという適度な機械強度を、軽量性と両立。重量当たりの強度ではアルミニウムに匹敵する性能を発揮し、構造部品としても十分な信頼性を提供します。
卓越した電気絶縁性 – 体積抵抗率>1016Ω·cmという極めて高い絶縁性能で、他の樹脂材料と同等以上、金属材料に対しては圧倒的な優位性を保持。電気・電子部品用途で大きな強みとなります。
化学的安定性の優秀さ – 耐薬品性において「◎優秀」の評価で、アクリル樹脂(△限定的)やアルミニウム(△腐食あり)を大きく上回る耐性を実現。化学プラントや薬液輸送などの用途で高い信頼性を発揮します。
加工性とコストの両立 – 加工性「◎優秀」とコスト「◎安価」を同時に満たす唯一の材料。ステンレス鋼の加工性(△難しい)とコスト(△高価)に対して圧倒的な優位性を示し、製造コストの大幅な削減を可能にします。
難燃性による安全性 – 引火温度391℃、着火温度455℃という高い難燃性を持ち、自己消火性を示すため火災リスクが低いという特性があります。これは他の樹脂材料(アクリル、ポリエチレン)が持たない大きな安全上の優位点です。
バランスの取れた総合性能 – 単一特性で最高値ではないものの、軽量性・強度・耐薬品性・絶縁性・加工性・経済性の全項目で高いレベルを維持する総合バランスの良さが最大の強み。設計者の選択肢を大幅に拡大します。
設計自由度の高さ – 他材料では困難な「軽量」「絶縁」「耐薬品」「低コスト」の4条件を同時に満たすことで、従来は金属や高価な樹脂でしか実現できなかった用途にも適用可能となり、製品設計の可能性を広げます。
これらにより、PVC樹脂は特に「多機能性と経済性の両立」が要求される用途において、他材料では実現困難な最適解を提供できる材料といえます。
PVC樹脂の長所・短所分析
| 分類 | 項目 | 詳細内容 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 長所 | 耐薬品性 | 酸、アルカリ、無機薬品に対する優れた耐性を持ち、化学プラントや薬液配管に最適 | ◎ |
| 難燃性 | 引火温度391℃、着火温度455℃の高い安全性と自己消火性を保有 | ◎ | |
| 電気絶縁性 | 体積抵抗率>1016Ω·cmの優秀な絶縁性により電気部品に最適 | ◎ | |
| 加工性 | 切削、成形、溶接など多様な加工方法に対応し、複雑形状の製作が容易 | ◎ | |
| コスト | 他の樹脂材料と比較して安価で経済的、量産・小ロットとも対応可能 | ◎ | |
| 設計自由度 | 可塑剤添加量で硬質から軟質まで調整可能で、用途に応じた最適化が実現 | ◎ | |
| 短所 | 耐熱性 | 荷重たわみ温度66~77℃で、高温環境(80℃以上)での使用には限界あり | △ |
| 耐候性 | 長期の紫外線暴露で変色や劣化が発生、屋外使用にはUV安定剤添加が必要 | △ | |
| 耐溶剤性 | ケトン、エステル、芳香族溶剤(アセトン、トルエンなど)に溶解するため注意が必要 | △ | |
| 低温脆性 | 低温環境(0℃以下)での衝撃強度低下があり、寒冷地使用には配慮が必要 | △ |
※緑色背景:長所 / 赤色背景:短所
PVC樹脂加工でよくあるトラブルと当社の対策
| トラブル | 主な原因 | 当社の対策 |
|---|---|---|
| 切削面の溶融・変色 | 切削速度が速すぎる、または工具の切れ味不足による切削熱の発生 | 適切な回転数設定と十分なクーラント供給、定期的な工具交換により切削熱を抑制 |
| 寸法不良・変形 | 過度なクランプ圧、切削熱による膨張、材料の残留応力 | 適切な固定方法の選定、段階的加工による応力解放、温度管理の徹底 |
| 表面粗さの悪化 | 送り速度の不適切、工具刃先の摩耗、びびり振動の発生 | 最適な送り条件設定、切れ味の良い工具使用、剛性の高い治具による固定 |
| バリの発生 | 工具の切れ味不足、出口側の支持不足、切削条件の不適切 | 鋭利な工具の使用、出口側への当て板設置、適切な切り込み深さの設定 |
| テーパーネジの精度不良 | ダイスの摩耗、切削油の不足、軸の振れ・傾き | 専用ダイスの使用と適時交換、十分な切削油供給、芯出し精度の向上 |
| 切りくずの再付着 | 静電気による付着、切りくずの排出不良 | エアブローによる除去、集塵装置の活用、適切な切削条件による切りくず形状管理 |
※橙色背景:物理的トラブル / 青色背景:品質・精度トラブル
PVC樹脂切削加工でお困りのことがございましたら、豊富な加工実績を持つ当社に是非ご相談ください。熟練の技術者が、最適な加工方法をご提案いたします。
電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで
当社のPVC樹脂加工が活躍する分野
PVC樹脂の優れた特性を活かし、当社では様々な産業分野で高品質な切削加工部品を提供しています。特に試作・開発段階での小ロット対応に強みを持ち、お客様の製品開発を力強くサポートいたします。
化学・プラント分野では、耐薬品性を活かした薬液配管継手、バルブ部品、化学反応器の内装部材など、腐食性環境での使用に適した部品を製作しています。本製品のような特注精密加工部品は、既製品では対応できない特殊仕様の実現に貢献します。
電気・電子分野では、優秀な電気絶縁性を活用した絶縁スペーサー、端子台、コネクタハウジング、配線ダクト用部品などを供給。精密な寸法精度が要求される電子部品の製造にも対応しています。
半導体・液晶製造装置分野では、クリーンルーム環境に適した洗浄装置部品、薬液供給系統部品、治具類の切削加工を行っています。高い寸法精度と表面品質が要求される用途でも実績があります。
機械・産業機器分野では、軸受けハウジング、ガイドブッシュ、スペーサー、取り付け治具など、機械的強度と耐久性が要求される部品を製作。本製品のようなネジ加工を含む複合加工にも対応します。
試作・開発分野では、1個からの小ロット生産に対応し、設計検証用の試作品や評価用サンプルを迅速に提供。金型不要の切削加工により、短納期・低コストでの試作を実現します。
主な加工実績分野
- 化学プラント関連:配管継手、薬液輸送部品、耐薬品性治具、反応器部材
- 電気・電子機器:絶縁部品、端子台、コネクタ部品、配線保護部材
- 半導体製造装置:洗浄装置部品、搬送系部品、薬液配管部材、クリーンルーム用治具
- 分析・計測機器:流路部品、サンプリング治具、検査用部材
- 食品機械:食品衛生法適合グレードでの加工部品、搬送用部材
- 医療機器:流路部品、検査装置用部材(医療用グレード対応)
- 試作開発:設計検証用試作品、評価用サンプル、少量生産部品
よくあるご質問(FAQ)
Q1. PVC樹脂の切削加工で最も重要な加工条件は何ですか?
A1. 適切な切削速度と送り速度の設定が最も重要です。PVC樹脂は熱可塑性樹脂のため、切削熱により溶融しやすい特性があります。回転数は周速50~100m/min程度、送り速度は0.1~0.3mm/rev程度を基準とし、材料の厚さや加工形状に応じて細かな調整を行います。また、十分なクーラント供給により切削熱を効果的に除去することも不可欠です。
Q2. テーパーオスネジR1/4の加工精度はどの程度確保できますか?
A2. 当社ではネジピッチ精度±0.03mm以内、角度精度±0.5°以内での加工が可能です。専用のダイスとタップを使用し、切削油を適切に使用することで、JIS規格(JIS B 0203)に準拠した高精度なテーパーネジ加工を実現しています。また、ネジゲージによる検査により品質を保証いたします。
Q3. PVC樹脂は他の樹脂材料と比較してどのような優位性がありますか?
A3. 優れた耐薬品性とコストパフォーマンスが最大の優位性です。アクリル樹脂と比較して約30~40%のコスト削減が可能で、かつ酸・アルカリに対する耐性が格段に優れています。また、体積抵抗率>1016Ω·cmという高い電気絶縁性も持ち、電子部品用途にも適しています。さらに、引火温度391℃という優れた難燃性により、安全性が要求される用途でも選択されます。
Q4. 硬質PVCと軟質PVCの使い分けはどのように判断すればよいですか?
A4. 要求される機械的特性で判断します。構造部品や機械部品など強度が必要な用途には硬質PVC(引張強さ41~52MPa)を、シール材やホースなど柔軟性が必要な用途には軟質PVC(破断時伸び200~450%)を選択します。当社では主に硬質PVCでの切削加工を行っており、精密部品の製作に最適です。
Q5. PVC樹脂の切削加工時に発生しやすい問題とその対策を教えてください
A5. 溶融による寸法不良と表面粗さの悪化が主な問題です。対策として、①適切な切削条件設定(周速50~100m/min、送り0.1~0.3mm/rev)、②十分なクーラント供給による切削熱の除去、③切れ味の良い工具使用(定期的な交換)、④適切なワーククランプ(過度な締め付けを避ける)が重要です。特に薄肉部品では振動対策も必要となります。
Q6. マシニングセンターでの平面加工において注意すべき点は何ですか?
A6. 工具の送り方向と切り込み深さの制御が重要です。ダウンカット加工により表面品質を向上させ、1回の切り込み深さを1~2mm程度に設定します。また、フラットエンドミルは2枚刃が適しており、切りくずの排出性を確保できます。回転数は3000~6000rpm、送り速度は300~800mm/minを基準とし、仕上げ加工では切り込みを浅くして表面品質を向上させます。
Q7. PVC樹脂部品の寸法精度はどの程度まで追い込めますか?
A7. 適切な加工条件下では±0.05mm以内の寸法精度が確保可能です。特に重要寸法については±0.02mm以内での加工実績もあります。ただし、材料の線膨張率(5.0~10.0×10-5/℃)を考慮した温度管理が重要で、加工時と測定時の温度差を最小限に抑えることで、より高い精度を実現できます。
Q8. PVC樹脂の耐薬品性について、具体的にどのような化学物質に耐性がありますか?
A8. 硫酸、塩酸、硝酸などの無機酸類、水酸化ナトリウムなどのアルカリ類、塩化ナトリウム等の塩類に対して優れた耐性を示します。濃度や温度により耐性は変動しますが、常温での使用では問題ありません。一方、アセトン、トルエン、MEKなどの有機溶剤には溶解するため注意が必要です。用途に応じた薬品適合性の確認をお勧めします。
Q9. 図面での公差指示がない場合の寸法精度はどの程度でしょうか?
A9. 一般公差としてJIS B 0419の中級(m)を適用し、±0.1~0.3mm程度の精度で加工いたします。より高精度が必要な場合は、図面上で幾何公差の明記をお願いいたします。加工前の図面確認において詳細な仕様を確認させていただき、お客様の要求精度を確実に実現いたします。
Q10. PVC樹脂の長期使用における劣化や変色はどの程度発生しますか?
A10. 室内使用では10~15年程度の安定した特性維持が期待できます。直射日光下での屋外使用では3~5年程度で変色が始まりますが、機械的特性の大幅な低下は限定的です。UV安定剤入りグレードの場合、耐候性が向上し、屋外使用でも7~10年程度の使用が可能です。用途に応じた材料グレードの選定をお勧めします。
Q11. 小ロット生産や試作品での対応は可能でしょうか?
A11. 1個からの小ロット生産に対応しております。切削加工は金型が不要なため、試作品や特注品に最適です。図面確認から通常5~7営業日での納期対応が可能で、設計変更にも柔軟に対応いたします。製品開発の初期段階から量産前の検証まで、幅広くサポートさせていただきます。
Q12. PVC樹脂部品のメンテナンスや交換時期の目安を教えてください
A12. 使用環境と負荷条件により大きく異なりますが、常温・常圧での機械部品用途では5~8年、化学薬品接触環境では2~3年程度が交換目安といわれています。定期的な点検を行うことで、亀裂、変色、寸法変化を早期に発見し、計画的な交換により設備の安定稼働を確保することが重要です。当社では交換部品の再製作にも対応しています。
ご注文の流れ
- お問い合わせ・図面送付 – 加工品の図面をお問い合わせメールフォームまたはFAX(0553-32-1502)にてご送付ください。PDF、JPG、DXF、DWG、IGES、STEPなど各種形式に対応しております。
- 図面確認・技術検討 – 図面を詳細に確認し、加工可能性、最適な加工方法、材料選定などを検討いたします。不明点や改善提案がある場合は、お客様にご連絡いたします。
- 見積書作成・提出 – 加工費用、材料費、納期などを考慮した詳細な見積書を作成し、通常1~2営業日以内に提出いたします。数量による価格体系もご提案可能です。
- ご注文書受領 – 正式なご注文書をいただき、生産計画に組み入れます。この時点で納期を確定し、お客様にご連絡いたします。
- 材料調達・加工開始 – 指定PVC材料(板材または丸棒材)を調達し、工程計画に基づき加工を開始いたします。旋盤加工とマシニングセンター加工を適切に組み合わせ、高精度な製品を製作します。
- 品質検査・梱包 – 寸法検査(マイクロメーター、ノギス、各種測定機使用)、外観検査、機能検査を実施し、品質基準をクリアしたもののみを適切な梱包にて出荷準備を行います。検査成績書の発行も可能です。
- 製品納品・アフターフォロー – 指定納期に確実にお届けし、必要に応じて使用方法のご説明やアフターフォローを実施いたします。リピート生産にも柔軟に対応いたします。
まとめ
PVC樹脂切削加工は、優れた材料特性と高度な加工技術の組み合わせにより、多様な産業分野で求められる高品質な部品を提供できる加工方法です。当社では長年の経験と技術力により、お客様の図面要求を確実に実現しております。
耐薬品性、電気絶縁性、難燃性などPVC樹脂の優れた特性を最大限に活かし、旋盤加工とマシニング加工を適切に組み合わせることで、本製品のようなR1/4テーパーオスネジと貫通穴、平面加工を含む複雑形状の部品も高精度に仕上げることが可能です。
コストパフォーマンスに優れ、1個から小ロット生産まで柔軟に対応できるPVC樹脂切削加工は、設計者の皆様にとって非常に有効な製造手段となります。試作段階から量産まで、材料選定から加工方法まで、総合的なソリューションを提供いたします。
高品質な製品づくりには、材料特性の深い理解と適切な加工技術が不可欠です。当社では最新の設備と熟練した技術者により、お客様の期待を超える製品品質の実現に努めております。旋盤、マシニングセンター、研削盤などの各種工作機械を駆使し、あらゆる形状の部品製作に対応します。
持続可能な製造業への貢献として、リサイクル性に優れたPVC樹脂の活用と省エネルギー加工技術の導入により、環境負荷の少ない部品製造を実現しております。また、小ロット対応により材料ロスを最小限に抑え、お客様のコスト削減にも貢献いたします。
PVC樹脂切削加工に関するご相談、お見積もり依頼は、ぜひお気軽にお問い合わせください。専門スタッフが丁寧に対応させていただきます。図面をお送りいただければ、最適な加工方法と詳細なお見積もりを迅速にご提案いたします。
電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで
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