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PEEK精密加工品|旋盤+マシニングセンター複合加工

- プラスチック加工品例 -

PEEK精密加工品|旋盤+マシニングセンター複合加工

PEEK精密加工品の事例です。旋盤+マシニングセンターの複合加工で、外径・内径・長さを仕上げたリング形状にU字溝を高精度で追加工しました。

この記事の要点

  1. PEEK精密加工品を、旋盤+マシニングセンターの複合加工で製作した事例です。
  2. 代表仕様は外径φ15mm×内径φ13mm×長さ4mmのリング形状にU字溝を追加工。
  3. 旋盤で外径・内径・長さを仕上げ、後工程でマシニングにより溝加工を行います。
  4. 加工熱把持工具選定を最適化し、PEEKでも寸法安定と仕上がりを両立。
  5. 関連情報:PEEK切削加工事例精密切削加工事例旋盤加工事例マシニング加工事例PEEK素材情報
PEEK|リング形状|旋盤+マシニングセンター複合加工|外径φ15×内径φ13×長さ4mm|完成品拡大
PEEK精密加工品旋盤+マシニングセンター複合加工(完成品・拡大)

PEEK|U字溝付きリング形状|旋盤+マシニングセンター複合加工|外径φ15×内径φ13×長さ4mm|別アングル拡大
PEEK精密加工品|別方向からの拡大(U字溝を追加工)
PEEK精密加工品の代表仕様
項目 内容
素材 PEEK(ポリエーテルエーテルケトン) 丸棒
外形寸法(公差含む) 外径φ15mm×内径φ13mm×長さ4mm
加工内容 外径・内径・長さ仕上げU字溝切削
加工設備 旋盤マシニングセンター
仕上げ バリ取り糸面取り
図面支給 お客様支給図面(Faxまたはデータ)
対応ロット 1個から対応(試作・小ロット)

▶ これまで作ったPEEK精密加工(切削)事例は、PEEK切削加工品の事例一覧ページをご覧ください。

▶ 詳しい素材情報は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の素材詳細ページからご覧いただけます。

▶ 関連する加工カテゴリ:旋盤加工マシニング加工溝加工U字溝加工


PEEK精密加工品の詳細解説

当社ではお客様から支給された図面に基づき、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂の精密加工を行っています。本製品は、外径φ15mm×内径φ13mm×長さ4mmのリング形状にU字溝を加工した特注部品です。

旋盤加工とマシニングセンター加工を組み合わせた複合加工により、複雑な形状でも高精度な仕上げを実現しています。PEEK樹脂はスーパーエンジニアリングプラスチックとして最高級の性能を誇り、連続使用温度260℃という優れた耐熱性と、高い機械的強度を兼ね備えています。

PEEK精密加工品 加工工程ステップ

  1. 図面確認と加工計画策定 – Faxまたはデータで支給された図面を詳細に確認し、最適な加工手順と工具選定を行います
  2. PEEK丸棒材の準備 – 素材の寸法確認、必要に応じた切断、加工面の清浄化を実施します
  3. 旋盤による外径・内径加工 – 超硬バイトを使用し、外径φ15mmと内径φ13mmを精密切削加工します
  4. 長さ4mmへの仕上げ加工 – 旋盤にてワークの長さを指定寸法に仕上げます
  5. マシニングセンターによるU字溝加工 – フラットエンドミルを用いてU字の溝加工を高精度に切削加工します
  6. バリ取り・糸面取り加工 – 製品全体のバリを除去し、エッジ部分に糸面取りを施します
  7. 最終検査と品質確認 – 寸法測定と外観検査を実施し、品質基準をクリアした製品のみを出荷します

PEEK切削加工で注意すべきポイント

  • 切削速度の最適化 – PEEKは熱伝導率が低いため、切削熱が蓄積しやすく、適切な切削速度設定が必要です
  • 超硬工具の選定 – 超硬材質のバイトやエンドミル、適切な切れ刃角度を持つ工具を使用します
  • クーラントの使用 – 加工熱による変形を防ぐため、適切なクーラント供給が重要です
  • チャッキング圧力の調整 – 樹脂の弾性変形を防ぐため、適切な把持力で固定します
  • 切り屑処理 – 連続した長い切り屑による工具損傷を防ぐ対策が必要です
  • 寸法安定性の確保 – 加工後の寸法変化を考慮した工程管理を行います

本製品で使用したPEEK樹脂について

本製品にはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂の丸棒材を使用しています。PEEKはスーパーエンジニアリングプラスチックの中でも最高級の性能を持つ素材で、イギリスのICI社(現Victrex社)によって1970年代後半に開発されました。

PEEK樹脂には、用途に応じて純PEEK(アンフィルドグレード)ガラス繊維強化PEEK炭素繊維強化PEEKPTFE配合PEEK導電性PEEKなど、様々なバリエーションがあります。

より詳しいPEEK樹脂の特性や種類については、当社の素材解説ページ「ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)」をご参照ください。

PEEKの特性と優位性

PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)は、ベンゼン環とエーテル結合、ケトン結合から構成される芳香族ポリマーで、半結晶性の熱可塑性樹脂です。融点343℃、連続使用温度260℃という卓越した耐熱性を持ちながら、優れた機械的強度と化学的安定性を兼ね備えています。

耐薬品性に関しても、ほとんどの有機溶剤や酸・アルカリに対して優れた耐性を示し、濃硫酸や濃硝酸などの強酸以外の場合、一般的な条件下では影響を受けにくいです。また耐放射線性にも優れており、ガンマ線や電子線に対する耐性は多くの金属材料と同等レベルです。

寸法安定性が高く、精密加工後の経時変化が少ないため、厳しい寸法公差が要求される部品に最適です。吸水率が低い(0.45%)ため、湿度環境下でも寸法変化がほとんどありません。

生体適合性が認められており、USP Class VIやISO 10993といった医療規格に適合しているため、医療機器分野で人工関節や歯科インプラントの材料として広く採用されています。

自己消火性を有し、UL94規格でV-0等級を取得しており、燃焼時の発煙量も少ないため、航空宇宙産業や電子機器分野での使用に適しています。

PEEK樹脂の主要特性(物性値)

PEEK樹脂の代表的物性値
物性項目 単位 標準値 測定方法
密度 g/cm3 1.30 ISO 1183
融点 343 ISO 11357-3
ガラス転移温度 143 ISO 11357-2
引張強度 MPa 98 ISO 527-2
引張弾性率 GPa 4.0 ISO 527-1
曲げ強度 MPa 165 ISO 178
曲げ弾性率 GPa 3.8 ISO 178
シャルピー衝撃強度 kJ/m2 7.0 ISO 179/1eA
熱変形温度(1.8MPa) 152 ISO 75-2/Af
熱伝導率 W/(m·K) 0.29 ISO 22007-4
吸水率(23℃、24時間) % 0.45 ISO 62
線膨張係数(<143℃) ×10-5/K 4.5 ISO 11359-2

※データ出典: Victrex PEEK 450G Technical Data Sheet

PEEK・他樹脂素材・金属素材との比較表と優位性分析

高性能樹脂と金属の特性比較
特性 PEEK PPS PES PAI PEI PI ステンレス鋼 アルミ合金
密度 (g/cm3) 1.30 1.35 1.37 1.42 1.27 1.43 7.98 2.70
連続使用温度 (℃) 260 240 220 275 170 260 800+ 150
引張強度 (MPa) 98 93 84 152 103 85 520 310
引張弾性率 (GPa) 4.0 3.3 2.6 4.5 3.2 3.5 200 70
吸水率 (%) 0.45 0.03 0.40 0.33 0.25 0.30
耐薬品性
加工性
コスト指数
汎用性 広い 広い 特殊用途 広い 特殊用途 非常に広い 非常に広い
加工事例 PEEK加工事例 PPS加工事例 PES加工事例 PAI加工事例 PEI加工事例 PI加工事例

※ 青色背景: PEEK / 黄色背景: 他樹脂素材 / 灰色背景: 金属素材

PEEK樹脂の優位点

上記比較表から、PEEK樹脂の優位点として以下が挙げられます。

  • 軽量性と高強度の両立 – 金属材料の1/2~1/6の密度でありながら、優れた機械的特性を実現しています
  • 高温環境での安定性 – 一般樹脂では不可能な260℃連続使用を実現し、短時間であれば300℃にも耐えます
  • 総合バランスに優れる – 耐熱性・耐薬品性・機械的強度すべてで高水準を維持しています
  • 寸法安定性 – 吸水率が低く、温度変化による寸法変化が小さいため、精密部品に最適です
  • 長期信頼性 – 過酷環境下での長期使用における特性安定性に優れています

PEEK樹脂の長所・短所分析

PEEK樹脂の特性分析
長所(メリット) 短所(デメリット)
連続使用温度260℃という優れた耐熱性を持ち、短時間であれば300℃のスチームにも耐えられます 高温での長時間使用時は酸化劣化の可能性があり、特に300℃以上では注意が必要です
優れた機械的強度を持ち、引張強度98MPa、曲げ強度165MPaと高い値を示します 衝撃強度は金属に劣るため、強い衝撃が繰り返しかかる用途では注意が必要です
多くの化学薬品に対して優れた耐性を持ち、油、溶剤、酸、アルカリに強い特性があります 濃硫酸・濃硝酸などの強酸に対しては耐性に限界があります
寸法安定性が良好で、精密加工が可能。吸水率0.45%と低く、湿度の影響を受けにくい特性があります 加工時の発熱により変形する可能性があるため、適切な切削条件設定が必要です
長期使用によるトータルコスト削減効果があり、耐久性に優れています 初期材料費が高額で、一般樹脂の10~20倍のコストがかかります
優れた絶縁性を持ち、高温での電気的特性も安定しています 導電性が必要な用途には、導電性付与グレードを選択する必要があります

PEEK加工でよくあるトラブルと当社の対策

PEEK加工のトラブルシューティング
トラブル 主な原因 当社の対策
寸法精度不良 加工熱による変形、工具摩耗による寸法ずれ 適切なクーラント使用、切削条件の最適化、工具の定期交換
表面粗さ不良 工具選定不適切、送り速度過大、刃先摩耗 超硬工具の使用、適切な送り速度設定、多段階仕上げ加工
ワークの変形 チャッキング圧力過大、加工応力の蓄積 適切な把持力調整、段取り方法の工夫、応力解放時間の確保
バリの発生 切削条件不適切、工具刃先の鈍化 シャープな工具使用、適切な切削速度と送り、専用バリ取り工程
切り屑処理困難 連続した長い切り屑の発生、工具への絡みつき チップブレーカー付き工具使用、断続切削の採用、エアブロー併用

PEEK加工でお困りの点がございましたら、当社の豊富な加工実績技術ノウハウでサポートいたします。

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電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで

当社のPEEK加工が活躍する分野

PEEK樹脂の切削加工は、その優れた特性から幅広い産業分野で活用されています。当社では小ロット対応を強みとし、試作・開発段階から量産まで、お客様のニーズに柔軟に対応しています。

特に本製品のような特注精密加工部品は、航空宇宙産業、医療機器、半導体製造装置、化学プラントなど、高い信頼性が求められる分野で重要な役割を果たしています。1個からの小ロット生産にも対応し、試作品開発から量産まで一貫してサポートいたします。

主な加工実績分野

  • 航空宇宙産業 – エンジン部品、構造材、電気絶縁部品、軸受けリテーナー
  • 医療機器分野 – 外科手術器具、人工関節部品、歯科インプラント、滅菌可能トレイ
  • 半導体製造装置 – ウェーハキャリア、チャンバー部品、絶縁部品、耐薬品性部品
  • 化学プラント – ポンプ部品、バルブシート、配管継手、シール部品
  • 自動車産業 – エンジン周辺部品、トランスミッション部品、電装部品
  • 試作・開発分野 – 新製品開発用の試作部品、機能評価用サンプル、少量生産部品

よくある質問(FAQ)

Q1. PEEK 切削加工の注意点は?(加工熱・工具・把持)

加工熱の管理が最も重要です。PEEKは熱伝導率が低いため、切削時に発生した熱が蓄積しやすく、変形や寸法精度悪化の原因となります。当社では適切な切削条件設定とクーラント使用により、高精度な加工を実現しています。

Q2. 旋盤加工とマシニングセンター加工を組み合わせる理由は?

形状の複雑さと加工効率に対応するためです。旋盤で円筒形状を効率よく加工し、マシニングセンターで溝や複雑形状を高精度に仕上げることで、最適な品質とコストパフォーマンスを実現します。

Q3. PEEK樹脂は一般的なプラスチック用工具で加工できる?

いいえ、超硬材質のバイトやエンドミル、適切な切れ刃角度を持つ工具を使用する必要があります。一般プラスチック用の工具では、工具摩耗が早く、良好な加工面が得られません。当社ではPEEK専用の工具選定を行っています。

Q4. PEEK切削加工の納期はどれくらい?(図面支給から)

加工内容や数量により異なりますが、標準的な部品で5~7日程度です。複雑形状や高精度が要求される場合、または大量生産の場合は別途ご相談させていただきます。急ぎの案件にも可能な限り対応いたします。

Q5. PEEK切削加工で出せる公差は?

一般的には±0.1mmですが、精密加工技術により±0.05mm~±0.02mmの公差管理が可能です。さらに高精度が必要な場合は、加工方法を最適化して対応いたします。具体的な公差については、図面を拝見して個別にご提案いたします。

Q6. 少量生産(1個~数個)でも対応可能ですか?

はい、1個からでも対応しています。試作品から小ロット生産まで、お客様のニーズに合わせて柔軟に対応いたします。単品加工でもコストパフォーマンスの良いご提案をいたしますので、お気軽にご相談ください。

Q7. PEEK以外の高性能樹脂の加工も可能ですか?

はい、各種スーパーエンジニアリングプラスチックの加工に対応しています。PES(ポリエーテルスルホン)PAI(ポリアミドイミド)PEI(ポリエーテルイミド)PPS(ポリフェニレンサルファイド)PI(ポリイミド)など、用途に応じた最適な材料選定と加工方法をご提案いたします。

Q8. 加工後の表面処理や二次加工は対応していますか?

はい、研磨加工(表面磨き)、サンドブラスト加工(梨地処理)、シルク印刷などの二次加工にも対応可能です。お客様のご要望に応じて、協力会社との連携も含めて最適なソリューションをご提供いたします。

Q9. PEEK樹脂の材料手配も依頼できますか?

はい、材料手配から加工まで一貫対応が可能です。Victrex社製PEEK、ケトロンPEEKなど、信頼性の高いメーカーの材料を使用しています。材料支給での加工も承りますので、ご希望をお聞かせください。

Q10. U字溝のような複雑形状の加工精度はどの程度ですか?

マシニングセンターによる精密加工により、±0.02mm程度の寸法精度を実現しています。溝の形状や深さについても、図面指定通りに仕上げることが可能です。

Q11. PEEKとPTFE(テフロン)の使い分けはどうすればよいですか?

機械的強度が必要な場合はPEEK摩擦係数の低さや化学的不活性が重要な場合はPTFEが適しています。PEEKは強度と耐熱性に優れますが、PTFEは自己潤滑性と化学的安定性で勝ります。用途に応じて最適な材料をご提案いたします。

Q12. 図面がない場合でも相談できますか?

はい、現物からの加工や、お客様のイメージをお聞きして図面作成することも可能です。簡単なスケッチや写真、既存部品のサンプルなどをご提供いただければ、当社で図面を起こしてご提案いたします。お気軽にご相談ください。

ご注文から納品までの流れ

  1. お問い合わせ・図面支給 – メールまたはFaxで図面をお送りください。CADデータ、PDF、紙図面いずれにも対応しています
  2. 技術検討・見積書作成 – 図面を確認し、最適な加工方法を検討した上で、詳細な見積書を提出いたします
  3. ご注文・正式発注 – 見積内容にご納得いただけましたら、注文書を発行していただき、材料手配を開始します
  4. 加工・品質管理 – 熟練技術者が精密加工を行い、工程ごとに寸法・品質チェックを実施して高精度を確保します
  5. 最終検査・納品 – 完成品の全数検査を実施し、検査成績書を添付して指定場所へ納品いたします

まとめ

PEEK樹脂の精密切削加工は、当社の得意分野であり、豊富な経験と専門技術により、お客様の要求する高品質な製品を提供しています。旋盤とマシニングセンターを駆使した複合加工技術により、複雑な形状でも高精度な仕上がりを実現します。

PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)は、優れた耐熱性・耐薬品性・機械的強度を併せ持つスーパーエンジニアリングプラスチックとして、航空宇宙・医療・半導体・化学プラントなど、過酷な環境下で重要な役割を果たしています。

当社では図面支給による受注生産を基本とし、お客様の個別ニーズに対応したオーダーメイド製品の製造を行っています。試作1個から小ロット生産まで、柔軟な対応により、お客様の開発スケジュールをサポートいたします。

高品質なPEEK樹脂加工品の製造において、当社の技術力と経験がお客様のプロジェクト成功に貢献いたします。お気軽にご相談ください。

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電話での問い合わせは 0553-33-6927 まで


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