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PEEK旋盤加工品

- プラスチック加工品例 -

PEEK旋盤加工品

【PEEK旋盤加工品】

PEEK旋盤加工品

【PEEK旋盤加工品】

PEEK旋盤加工品

PEEK旋盤加工品です。
まず初めの工程で、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)の丸棒を旋盤にかけ、切削加工にて外径と内径を仕上げます。
そのあとの工程で、マシニングセンターにエンドミルをセットし、Uの字の切り欠き(溝)を切削加工して完成させました。

PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)は熱可塑性のスーパーエンジニアリングプラスチックの一つです。
樹脂素材の中でも性能が高い素材で、耐熱性、耐薬品性、耐熱水性、難燃性、力学的特性、電気的特性などに優れた素材です。
軽量でありながら硬化や割れが発生しにくい特性を活かし、医療機器部品、自動車部品、航空機部品などにも使用されます。
PEEKは強度が高いゆえ、切削加工の際に素材の割れや欠けが生じることがあり、また刃物の欠けが起きるケースもあります。
そのため、素材の特性を理解し、それに応じた丁寧な仕上げが必要です。
なお、正式名称は「Poly Ether Ether Ketone(ポリエーテルエーテルケトン)」で、頭文字を取って「PEEK(ピーク)」と呼ばれることが多いです。

(※これまで作ったPEEK加工製品はこちら → PEEK切削加工品)
(※詳しい素材情報はこちら → ポリエーテルエーテルケトン(PEEK))

 

PEEK旋盤加工の詳細解説:高性能樹脂を精密に扱う技術

PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)は、その優れた耐熱性耐薬品性耐加水分解性機械的特性電気的特性から、医療機器、自動車部品、航空宇宙部品など、多岐にわたる分野でその真価を発揮するスーパーエンジニアリングプラスチックです。この高機能素材を最大限に活かすためには、その特性を理解した上で精密な旋盤加工を行うことが不可欠です。

 

PEEK旋盤加工の詳細解説:高性能樹脂を精密に扱う技術

PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)は、その優れた耐熱性耐薬品性耐加水分解性機械的特性電気的特性から、医療機器、自動車部品、航空宇宙部品など、多岐にわたる分野でその真価を発揮するスーパーエンジニアリングプラスチックです。この高機能素材を最大限に活かすためには、その特性を理解した上で精密な旋盤加工を行うことが不可欠です。

加工内容の具体的な解説

既存の記事では、PEEK丸棒の旋盤加工による外径・内径の精密加工、そしてマシニングセンタによるU字ノッチの切削が紹介されています。これらの工程は、PEEKの特性を考慮した特殊なアプローチを必要とします。

  1. 旋盤加工(外径・内径加工):
    • 切削条件の最適化: PEEKは高い強度を持つため、切削時の熱発生が問題となりがちです。適切な切削速度、送り速度、切り込み量を設定することで、熱による材料の変形や焦げ付きを防ぎます。特に、低熱伝導性のため、切削熱がワークに蓄積しやすく、これが寸法精度に影響を与えることがあります。
    • 工具選定: 超硬工具が一般的に用いられますが、PEEKの特性に合わせて、シャープな切れ味を持つ工具や、適切なコーティングが施された工具を選ぶことが重要です。摩耗しにくい工具を使用することで、加工面品質の向上と工具寿命の延長を図ります。
    • 冷却: 必要に応じて圧縮空気の送風による冷却を行ったり、場合によっては切削液を使用して加工を行います。これにより、切削熱の抑制と切りくず排出を助けます。
    • チャッキングの工夫: PEEKは比較的硬いため、チャッキング圧が高すぎるとワークに傷が付いたり、変形したりする可能性があります。適切なチャッキング方法と圧力で、安定した加工を実現します。
  2. マシニングセンタによるU字ノッチ切削:
    • エンドミル選定: U字ノッチのような複雑な形状を加工する際には、PEEKの特性に適したエンドミルを選定します。例えば、切りくずの排出性を高めるための刃物選択や、よりシャープな切れ刃を持つ工具が推奨されます。
    • パスプランニング: 干渉を避け、効率的かつ高精度な加工を行うために、CAMソフトウェアを用いた詳細なパスプランニングが不可欠です。特に薄肉部分の加工では、ビビリ振動を抑制するための工夫が必要です。
    • バリ対策: PEEKは比較的粘りがあるため、切削時にバリが発生しやすい傾向があります。バリの発生を最小限に抑えるため、適切な工具と切削条件の選定、場合によってはデバリング工程(バリ取り)の追加を検討します。

専門的な情報と背景知識の補足

PEEKの特性は、その化学構造と結晶構造に深く起因しています。PEEKは半結晶性ポリマーであり、その高い結晶化度が高い機械的強度と耐熱性を付与します。

  • ガラス転移温度(Tg)と融点(Tm): PEEKのガラス転移温度は約143℃、融点は約343℃です。これらの温度は加工時の熱管理において非常に重要であり、加工中にこれらの温度を超えると材料の特性が損なわれたり、寸法安定性が低下したりする可能性があります。
  • グレードと添加剤: PEEKには、未強化グレードの他に、ガラス繊維や炭素繊維を添加して機械的強度や剛性をさらに高めた強化グレード、またはPTFEやグラファイトを添加して摩擦・摩耗特性を向上させた摺動グレードなど、様々な種類があります。用途に応じて適切なグレードを選択することが、製品の性能を最大化する鍵となります。
  • 応力緩和: PEEKは加工後に内部応力が残留することがあります。精密加工や寸法安定性が求められる部品では、加工後にアニーリング(熱処理)を行うことで、内部応力を緩和し、寸法安定性を向上させることが推奨されます。

PEEK加工を検討されている方に有益な情報

PEEK加工を検討されている方にとって、以下の情報は特に有益です。

  • 設計上の考慮事項: PEEK部品を設計する際には、その熱膨張数や機械的特性を考慮し、特に高温環境下での使用や、異種材料との組み合わせにおいては、熱応力による問題が発生しないよう注意が必要です。
  • 表面処理と後加工: PEEK部品の表面硬度向上や、特定の機能(例:摺動性、生体適合性)付与のために、プラズマ処理やコーティングなどの表面処理が検討されることがあります。
  • コストとパフォーマンス: PEEKは高性能であるため、他の一般的なプラスチックと比較して材料コストが高くなります。しかし、その優れた耐久性や長寿命、そして過酷な環境下での信頼性を考慮すると、トータルコストで優れたパフォーマンスを発揮することが多々あります。

 

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