デジタルナビ:DVDに経年劣化ってあるの。
毎日新聞 - 2008年8月28日
◇高温多湿避け保存−−3〜5年ごとバックアップを
映像を記録するビデオに、パソコン用の大容量記憶メディアに、DVDは大活躍だが、その寿命は気になる。
●日本製も9年で
財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAj、東京都千代田区)の実験結果から、DVDの経年劣化を検証してみよう。結論からいえば「日本製DVDでも早ければ映像を記録した9年後に画像を劣化させるエラー数が規格値を超えてしまった」という。専門家がすすめるのは3〜5年に1度程度の記録のバックアップ保存だ。
DCAjは03年度から光メディアの寿命計測実験を続け、最終報告書が今春まとまった。実験対象としたのは東京・秋葉原で市販されていた国内外のメーカー計12社のDVDなど光メディア計数百枚だ。
うち海外6社はすべて台湾製で、日本メーカーが海外工場で作った製品は「国内」として数えた。
実験ではDVDを高温(65〜80度)下に置く。するとDVDが傷み、映像にモザイク状の乱れが生じる原因のエラー数が増える。これがDVD規格値の「280個」を超えた時間を計測する。この数値から25度と30度での寿命を推定した。湿度は80%を想定した。
台湾製の全製品が購入時や記録の書き込み直後にいきなり280を超えてしまった。これらの製品を除き、日本メーカー6社の▽DVD−R(記録回数1回)▽DVD−RW(同約1000回)▽DVD−RAM(同10万回)を調べた。
この結果、温度25度で最も早く寿命を迎えた製品はDVD−Rで15年、DVD−RWは45年だった。DVD−RAMはいずれも劣化が進まず、データがとれなかった。
さらに、30度に上がると、DVD−Rは9年、DVD−RWは27年、DVD−RAMは134年と短くなる。DVDは高温に弱いということが裏づけられた。
●突然、視聴不能
ただ、実際はエラーが280個程度なら映像に影響はなく、見ている人も気づかない。どのDVD再生機にもエラー補正機能があり、画面に乱れが出るのは500個以上とされる。それでも「粗悪品」は映像を正常に見られる総時間が確実に短い。ビデオテープのように画質の変化など故障の前兆が徐々に出るのでなく、ある日突然、モザイク状の乱れが現れ、見えなくなることも多い。田中誠一・同協会常務理事は「記録のバックアップは3〜5年に一度すれば安心」とアドバイスする。
DVDなどの光ディスクはポリカーボネートと呼ばれるプラスチック製で、高温だけでなく、湿度、油、光(紫外線)などに弱い。夏場の窓際や車のダッシュボードなど高温の場所に1日置くだけで、ディスクに反りが生じることもある。
田中常務理事は「ディスクはわずかな変形もデータの呼び出しに影響する。ケースに入れ、乾燥した環境で保管し、光ディスクの記録映像は永久に見られると安心しないで、メンテナンスが必要との認識をもってほしい」と話している。
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■DVDの寿命を延ばすポイント
▼持ち方
ディスク表面に触れず中央の穴と端を持つ。指紋がつくと記録や再生ができなくなる可能性がある
▼汚れの除去
ディスク中心から外側に向かって直線的にふく。ディスクの信号は円を描くように円周方向に記録しているためだ。直線的にふけば、傷は信号を横断する形でつき、影響が小さい。めがねふきのような柔らかい布を使う。
▼保管
直射日光を避け、ほこりが少ない場所で保管する。理想的な温度は15〜25度、湿度は40〜60%ぐらい。また長期間、再生機器内に放置すると、熱などの影響でディスクが変形するので避ける。CDとDVDのケースはディスクの固定部分の構造が異なるので、必ず専用ケースに入れる。
=日本記録メディア工業会(東京都港区)のガイドラインから