原油高を背景に使用済みペットボトルの価格が高騰し、原料調達が難しくなったとして、国内リサイクル業者が悲鳴を上げている。
読売新聞 - 2008年8月5日
原油高を背景に使用済みペットボトルの価格が高騰し、原料調達が難しくなったとして、国内リサイクル業者が悲鳴を上げている。
ペットボトルは、市区町村が各家庭から集め、容器包装リサイクル法に基づき、登録業者に国内処理を委ねるのが原則。
しかし、原油から作る原材料に代わってペットボトルによる再生樹脂の需要が急増、高値で買い取る中国への流出が止まらない。ペットボトルの価格はこの2年で2・6倍に上昇し、老舗のリサイクル企業や先進技術で注目された企業が相次いで破たんするなど、「国内循環」に黄信号がともっている。
東京湾の埋め立て地で2000年から操業する東京ペットボトルリサイクル(江東区)は、ペットボトルを洗浄・粉砕して繊維メーカーなどに販売する都内最大の処理業者だが、今年4月、深刻な原料不足に陥った。野口輝昭社長は「入札で手にしたペットは昨年の約10分の1。原料が安く手に入らなければ、仕事にならない」と悲痛な表情だ。
市区町村が分別回収したペットボトルは、同法に基づき日本容器包装リサイクル協会が入札にかけ、登録業者に引き渡す仕組み。05年度まで飲料メーカーなどの委託費を受け取って登録業者が処理してきたが、価格上昇で06年度からは逆に買い取るようになった。化学繊維やプラスチックのもとになる合成樹脂が原料の原油高で値上がりし、廃ペットボトルから作った再生樹脂が高値で取引されるようになったためだ。
市区町村によっては、入札より高値で販売できるため、協会を通さず独自ルートで無登録業者などに引き渡すケースも。入札に回ったペットボトルは04年度の約19万トンから08年度は約16万トンに減り、これは国内設備の処理可能量の約半分に過ぎない。入札での平均落札価格は06年度の約1万7000円(1トン当たり)から08年度分は約4万5000円に跳ね上がった。
ペットボトルからカーペットを生産してきた老舗の根来産業(大阪府堺市)は7月に大阪地裁に民事再生法の適用を申請。地球への恩返しを合言葉に再生素材にこだわり、環境NPOに利益の3%を寄付するなどの貢献でも知られていた。根来功社長は「原料高を製品価格に転嫁できず、一気に苦しくなった」と嘆く。
ペットボトル用樹脂への再生技術で注目された「ペットリバース」(川崎市)も6月に自己破産を申請。
日本国内のペットボトル販売量の約4割が輸出され、その大半は中国向けだ。危機感を募らせた日本容器包装リサイクル協会は今年4月以降、独自ルートの処理量が多い自治体を訪ねては協力を呼びかける。
自治体などからペットボトルを入手し、中国への輸出を手がける都内の無登録業者は「中国では縫いぐるみや繊維の工場などでペットボトルが引く手あまた。売値は昨年から今年にかけて2〜3割アップした。日本国内の登録業者はさらに淘汰(とうた)が進むだろう」と話す。