素材各社の間で、自動車のウインドー向け高機能樹脂の開発や販売を強化する動きが相次いでいる。三菱化学が2011年から納入を始めるほか、先行する帝人は自動車メーカーにアピールするため樹脂を使った試作車を3月末に完成させた。ガラスに比べ軽くて燃費性能の向上につながる樹脂への切り替えが進むとみて、売り込みを強化する。
三菱化学は、ガラスに比べ重さを4割減らせる透明なポリカーボネート樹脂を開発した。樹脂を一度溶かした後で添加剤を混ぜ、練り直すことで耐光性や強度も高めた。自動車メーカーへのサンプル供給を始めており、11年の納入開始を目指す。
帝人は3月末に電気自動車(EV)の試作車「ピューパEV」を完成させ、本社ビルで展示を始めた。ウインドーはすべてポリカーボネート樹脂製で、ガラス製に比べ重さを半分に抑えた。試作車には、鉄より軽くて強い炭素繊維などグループ企業の高機能素材も使い、全体の重量を現行のEVの半分以下となる437キロに軽量化した。
同社はすでにホンダの乗用車「シビック」の欧州仕様や、トヨタ自動車の高級スポーツカー「レクサスLFA」に納入実績があり、さらなる受注拡大につなげたい考えだ。
このほか、独バイエル傘下のバイエル マテリアルサイエンスも2月、ポリカーボネート樹脂のウインドーを作る設備を三菱重工プラスチックテクノロジー(MHI-PT)の岩塚工場(名古屋市中村区)に設置。MHI-PTの大型射出成形機を使い、自動車メーカーからの試作要望に応える。欧州では10年前から採用されているが、国内でも受注獲得も目指す。
ポリカーボネート樹脂は耐衝撃性にも優れ、ヘッドランプなどに使われているものの、傷がつきやすいなどの問題がありウインドーでは普及していなかった。しかし技術向上に伴い、欧州メーカーが採用に動き、日本メーカーも続き始めている。現状のコストはガラスの数倍とみられるが、世界的に環境規制が強化される中、採用拡大の機会をうかがう動きは今後も続きそうだ。
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